プロローグ
「いらっしゃいませー。」
コンビニに入ると店員の声と同時にお馴染みの音楽が流れる。
俺は奥の方にお目当ての飲み物を探しに行った。
「えーと、確かこの辺に………あったあった。お、ポイント五倍じゃん。ラッキー。」
俺は片手に飲み物を持ち、お弁当コーナーを通ってレジへ向かった。外も暗くなりスーツ姿の人がちらほら見える。俺はおにぎりのおかかを手に取り店員に差し出した。
「ポイントカードはお持ちでしょうか?」
「はい、どうぞ。」
店員は慣れた手付きカードをスキャンし、俺に渡した。
「どうぞ、お値段は二点で428円になります。」
「どうぞ。」
俺はそう言って財布から500円玉を出した。
「はい、500円お預かり致します。こちらお釣りの72円になります。ありがとうございました。」
俺は店員からお釣りを貰い店を出た。
袋から先程買ったエナジードリンクを出し、キャップを開けた。プシュッと炭酸特有の音がなり薬のような匂いが顔を出した。
「ふう、本日三本目の元気チャージ。」
ゴクッ
ドサ
直後俺は倒れた。この時、急に意識を手放したがために走馬灯はなかったが、今、あの時を思い出して思う。エナジードリンクで人は死ねるのだと。
実際の出来事は小説よりも奇なり、とはまさにこういう事を
言うのだな、と俺は思った。
少々前置きが多くなってしまったが、要約するとこうだ。
その日、俺、鈴木 弘大はエナジードリンクに殺された。
いや、死因がダサすぎるだろっ。 ビシッ