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異世界から○○が迷い込んできたわけだが  作者: かむあ
第1章 「異世界から幼女が迷い込んできたわけだが」
8/12

#07

すみません、本日はプロローグをまとめて投稿です。

 朝食のパンを食べ終えたお昼過ぎ、ユウ君の妹が目を覚ました。顔色も良くなった彼女が、「お姉ちゃん・・・」と呟いたとき、ユウ君は泣いた。大声で。


 戸惑った俺は必死になだめた。

 隣の一人暮らしの男の部屋から女の子の泣き声がする、はい、一発アウトの通報事案です。


 「今は一時的に熱が下がっているだけだから、そっとしておこうね」


 俺が諭すと、ユウ君は声を殺して泣いた。そして、妹にふとんの上から静かに抱きついて、泣いた。


 もらい泣きしてきた俺は和室を出て、襖を閉めようとした。が、閉まらなかった。引っ越してきて数カ月の間しか開け閉めしてなかったからしかたがない。今度直そう・・・。


 そう思って、パソコンデスクのいすに座ってマウスを動かす。

 画面に映ったたくさんの画像を見た瞬間、焦って閉じる。一心不乱に閉じる。これを見られたらどんな誤解があるかわからない。

 男はこういう生き物であるが、決して女性に見せてはいけないのだ。まして子供には。

 アイドルはトイレに行かない。わかっていたとしてもあやふやにしておいた方がいいことはある。


 しばらくして隣の部屋からユウ君ができた。

 俺の目の前に来ると、突然膝まづいた。


 「助けてくださってありがとうございます。なんでもします。御恩をお返しいたします。」


 「いやいや、いいから、立って・・・。」


 俺は焦ってユウ君に近づいて話す。


 「妹を助けていただいた御恩はお返ししなければいけません。

 ・・・行くところがないのです。

 妹はまだ・・・」


 「いやいやいやいや、追い出したりしないから。

 それにして欲しいことだってないし・・・。」


 「でも・・・」


 「しいて言うなら妹の看病をしてあげて。」


 「それは当然します。当たり前のことです。」


 「うん。でも・・・、してほしいこともないし。」


 「・・・私なんて役立たずですよね。」


 「いやいやいやいや、そんなことはないよ、いずれ、ね。今は、あの子を看病してあげて。えっと・・・考え方を変えてよ。俺はあの子を助けてあげたいと思った、俺が決めたんだ。君の思いに関わらずにね。だから、その手伝いを君にさせていると思ってもらえばいい。

 そう、それが今の君の仕事だ。」


 「・・・はい・・・。」


 彼女は涙ぐんだ瞳で俺のを見上げる。


 「と、ところで、妹さんはなんて名前なの・・・?」


 俺は焦って話を変えた。

 なんで俺はこんな年下の子供を相手にドキドキしないといけないんだ。


 「ルナです。・・・私の本当の名前はリナと言います。」


 「え・・・?」


 事情が良くわからない。

 本当の名前って何だ?俺は二人のことを知らなさすぎる。


 「わかった、まずは君たちのことを教えてもらえるかな?」


 俺はリナの肩に手を置いて、彼女に優しく伝えた。

 リナはこんなにも簡単に人を信じてしまう。しっかりしてそうだけど、子供なんだ・・・そう思った。


次回は高虎くんがヒアリングして現状整理します。

異世界設定のお話があっても行くとは限らないんだからねッ!

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