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異世界から○○が迷い込んできたわけだが  作者: かむあ
第1章 「異世界から幼女が迷い込んできたわけだが」
5/12

#04

 大きい子は10歳くらい、小さい子は6歳くらいだろうか。大きい子は手足に痣がある。痛そうだ。ただ、見るからに重症なのは小さい子の方だ。

 顔が赤く、息が途切れ、高熱が出ている。左の腕は大きく赤く腫れていた。肘を見ると紫色になっていて膿んでいる。俺もなかったことがあるからわかる。これは傷口からばい菌が入って、抵抗力が落ちて免疫で対処してきれなかったのだろう。


 抗生物質の薬を飲めば良いのはわかる。以前に病院から貰った残りがある。残りと言うか飲んでいない。むやみやたらに薬を出す病院はどうかと思うぞ。

 話がそれた。飲ませれば良いのだろうが、そもそも子供に飲ませてよいのかわからない。だいたい薬で対応可能なのか。間違った薬を飲ませたところで俺の罪状に変化はない気がするが、どうも躊躇する。


 俺は膿を押し出し、洗面器に取ったお湯でその子の傷口を洗いながら逡巡していた。すると、突然、子供の腕がうっすらと光っているように見えた。


 「え・・・?」


 足の方を見ると、なんか足先から透明になりつつあるんだろうけど。

 ナニコレ、まさか消えちゃうんじゃないの・・・。死んじゃうの・・・?


 焦った俺は和室から飛び出してリビングに行くと、抗生物質と解熱剤、ペットボトルの水を取りに行った。


 「ほら、飲め」


 子供の口をあけて薬を入れる。そしてペットボトルから少量の水を入れた。のどが渇いていたのか、無意識にもその小さなのどが、ゴクンと動いた。


 後で指摘されたけれど、”消えてしまった方が後腐れなんてない”なんて思いもしなかったよ。


 その後は、大きい子の方をリビングに移動して、毛布をかけた。


 「ごめんね、ふとんはひと組しかなくて」


 そのあと、俺は何度か小さい子のおでこを冷やすタオルを取り換えた後、その横で寝落ちした・・・。だって昨日まで残業残業で睡眠時間が短かったんだよ・・・。零細企業のシステムエンジニア(IT土方)なんで・・・。

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