精霊儀式
精霊
「つっこむの画面度以下明日ルー」
一人の老人が呪文を唱える。
その瞬間、彼のまわりに激しい光が生じ、一瞬のうちに消える。
「儀式をはじめる」
老人が聖杯を水で満たす。その後、硬貨を地面に埋める。
魔術の知識がある者であれば、老人が何をしているのか分かるだろう。
だが、だれも老人の意図は分からなかった。
いや、そもそも誰も見ていないのであるから当然である。
老人は次に、長い棒を地面に差し込み、火をつける。その後、剣を抜き空を斬った。
火は激しく燃えあがる。聖杯の水は激しく渦を巻く。剣を斬ればその度に風が巻き起こる。
地面に埋めた硬貨は震え上がり、大地を揺らす。
老人は再び呪文を唱える。今度は長い呪文だ。
長い詠唱を終え、地面に倒れこんだ。死んだわけではない。
強大な魔力を儀式のための魔具に注いだのだ、立っていられるはずがない。
儀式は4体の精霊を呼び起こした。
炎の精霊、サラマンダー。
風の精霊、シルフ。
水の精霊、ウンディーネ。
土の精霊、ノーム。
老人は儀式を終えると、山の中へ去っていった。再び老人が人前に姿を現すことは無かった。
精霊は新たな理を世界にあたえた。
この日、世界に魔力という理が加わった。