双子の運命
今回は感動もの?を作りました。
~~双子の運命~~
「兄貴、大丈夫か?」
「まだ平気だ。そんな事より自分の心配をしろ。来たぞ!」
その直後、俺のいた場所には多きなクレーターができ、その中心には背丈が2mはあろう大男が右手に刀身が俺の身の丈ほど(140はゆうにある)もありそうな長い一本の劔を持っている。
「避けんじゃねぇよ。大人しく切られろ」
俺たち兄弟は名門『風仙家に生を受けた双子だ。兄貴の名は切斗。俺達が13の時に父親が死んでから風仙家当主としてずっと生きてきた。だが、そんな兄貴の天命ももう長くはない。兄貴の体はある病魔に侵されていて、それはほっておけば死に至る病として有名な『結核』。昔なら不治の病だったが、現代の医療なら早期ちちおやの発見で治る病だ。
でも、兄貴の結核はもう治らない段階まで進んでいて、雪乃の力を使っても長くは生きられない。とまで言われたぐらい重症化していて、いつ死んでもおかしくないらしい。
実は、俺たちの家の当主になった人のほとんどが結核で死んでいる。このことから、『風仙の呪い』と呼ばれている。
「大人しく切られるバカはいねぇよ」
「まぁ、お前はこのおれに殺されることは確定だがな」
「ほざけ!俺の天命はここでは終わらねぇ」
「お前じゃ俺に勝つことはできねぇよ。諦めろ。」
「なめくさりおって。お前に勝てないと誰が決めたのかは知らねぇが、お前に勝つとここに宣言をしよう」
そう言って持っている劔で切りかかった。
悠牙Sideout
切斗Sidein
咳き込むと同時に手のひらにはおびただしい量の血液が付着している。コレは俺がかかっている病『結核のせいだ。
雪乃や学園長に見てもらったが、「結核自体は治せても肺のダメージが大きく、治したとしてももう長くは生きられない」と言われるほど重症化している。
それゆえに俺は雪乃に力を使わせるのもイヤだから結核を治していない。
「なかなかやるじゃねぇか。だがもうここまでだな」
「まだ終わっちゃいねぇぞ!」
「もう終わったも同然だ。現にお前の脚はもう動かないはずだ」
「クッ!まだ俺の足は動く!これぐらいで死んだら先にあの世にいる親父に顔向け出来ねぇだろうが!」
そう言っている悠牙の脚は誰の目から見ても動かないと分かるぐらいボロボロだった。それでもまだ目が生きている。消して自分の命の灯が消えるまであきらめないと強く思う気持ちが生きている。
「お前のその強い気持ちに感服した。だが、その気持ち故にお前をこの場で殺さねばならない」
「そうだろうよ。俺は命が消える瞬間まで戦い続けるからな」
「さらばだ。強き心を持つものよ」
そう言って大男は持っている大剣を振り上げる。
その瞬間にはもう、俺の体は大男と悠牙の間に向かって走っていた。
切斗Sideout
悠牙Sidein
ざくり。そんな音が聞こえた。
「兄貴?」
そう。今の音は切斗が切られる音。大男が持っている大剣を振り上げたときには走り出していた切斗は、間一髪で自分と捨て身にして弟を守った。その音だ。
目の前には右肩から左下腹部まで大きく一閃され、大きく開いた傷から血を溢れさせている変わり果てた兄貴の姿があった。
「嘘、だろ?」
「しばしの時を与える。兄弟の別れだ」
大男に対する恨みも大きいが、何よりも目の前の兄貴をほっておくことなんかできないので、大男のことはしばらく眼中からなくす。
「悠牙・・・大、丈夫、か?」
「もうしゃべるな。しゃべらないでくれ。俺なら大丈夫だ!」
そう言いながら片方の腕で陣を作り、「兄貴が危ないんだ。助けてくれ」と、ボイスメッセージを入れ、神羅たち主要メンバー(瑠璃を除く)に送る。
実は神羅たちは基本2人1組で行動していて、何かあった時に使う陣を作り、そこに内容と、場所までの瞬間移動のための陣を組んで飛ばす決まりを作り、緊急時の連絡方法としていた。
「後は、任せたぞ。俺の跡を、継い、で、俺と親父が、果たせ、なかったことを成し、遂げてくれ。このま、ま死ぬ、のは、惜しい、が、しょう、がない、ことだ。さよう、なら。そして、今、まで、ありがとう。我が、自慢、の、弟よ」
そう言って静かに息を引き取った。
「死ぬな・・・死ぬな兄貴ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
そう叫ぶが、目の前の兄貴の目が開くことはない。
そして少し遅れて、神羅以外の主要メンバー(瑠璃を含む)が陣の中から現れ、切斗に駆け寄る。
「切斗!」「おい!目を開けろ!」「うそでしょ?切斗」などと思いのたけを言うが、反応を示すことはなかった。
訂正しました。