紫電&黒裂
神羅の危ないときに肝心な『解き放つ鍵』は謎の病に侵され床に臥せていた。
~~紫電&黒裂パート~~
「とうとう神羅が覚醒して『ノアの方舟』を発動させたか」
いつかはこうなるとは思っていたが早すぎねぇか?まあこれで『サンガ』の勝利は決まったな。
紫電は独り言のように呟いた。
目の前には毎度お馴染み光の柱が見えている。
「あまりにも早すぎるねぇ。私の予想だともう少し後になると思ってたんだけどな~」
紫電の後ろの陰から忍者のように現れた黒裂がそう言った。
「あらかた『古の5神獣』が判断したんだろう。でも、少しこっちとしては早いかな」
俺等からしたら神羅の力は『最終兵器』としてとっておきたかったが、覚醒してしまってはそれは限りなく不可能に近いだろう。
その考えが分かっているのか黒裂も頷く。
「もう神羅を使うことはできないな。もし使うことができたとしても『解き放つ鍵』がココにいないから能力にもリミッターがかかって本来の力を使うことはできないけどな」
「現在『解き放つ鍵』なら謎の病により自宅で寝込んでいるよ。紫電。それより少しまずいことになった」
「なに?それはどうゆうことだ!」
「『ヴャヴァハ』の総大将『破神城帝』が神羅の覚醒を目撃し、本陣の『歴史の闇に埋もれた龍皇』、『闇を生みし魔皇』に神羅を殺す命令を下した」
少しどころかだいぶまずいことだ。
「うそ、だろ?」
嘘だと信じたい。まだ完全な力を解き放てない中で2人の強敵を相手にするには荷が重すぎる。
「私は嘘なんてついてない。本陣に『不可視魔法』を使って潜入してたけど『破神城帝』にばれたけど、その寸前に命令を下していた。あの場所にいた『歴史の闇に埋もれた龍皇』、『闇を生みし魔皇』に神羅が敵うとは思わない。急いで雪乃を連れて『解き放つ鍵』を連れてこないと神羅が死ぬことになる」
それだけは避けなければならない。もし神羅が死んでしまったらこの世界が滅びることになる。この世界を救えるのは神羅にしかできないことで、俺らでは一番弱い付き人の『歴史の闇に埋もれた龍皇』の足元にも及ばない。
「でも『解き放つ鍵』は謎の病により床に臥せている。いくら雪乃が『完全なる回復魔法』で病そのものを治せたとしても体力まで回復できるわけじゃない。そんな『解き放つ鍵』をここに連れてくることはできない」
「それでも今は『解き放つ鍵』と神羅と『古の5神獣』の力に頼るしかないんだから目の前のわらをつかむしかないでしょ」
確かに今の俺らができることは『解き放つ鍵』をここに呼んで神羅の力を開放することしかできない。でも肝心な『解き放つ鍵』が謎の病に倒れているのに無理にここに連れてきても、かえって『解き放つ鍵』を危険に晒すことになる。
そんな矢先のことだった。
後ろの茂みからガサガサと何者かがいた。
「誰だ!」「誰ですか!」
そう言って素早く後ろを向く。
「出てこい!」
「ココにいたのね。紫電、黒裂」
「一体何者だ!姿を現せ!」
「わかった。今でるから待って」
そう言って謎の人物は茂みから出てきた。
出てきた人物を見て紫電と黒裂はあっけにとられた。
そこには謎の病で床に臥せているはずの『解き放つ鍵』が現れたからである。