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亜炎朱

         ~~亜炎朱パート~~


「今の光は何だ?」


 いきなり地面が揺れて辺りを見渡すと空に掛かっていた雲が渦をまいて、その中心から巨大な光の柱が地面と空の懸け橋になっていた。

 確かあの場所には『神羅(かみら)』がいた場所だ。

 そう思った瞬間、自分でも気付かないうちに「神羅ぁぁぁぁぁぁーーー」と大声で叫んでいた。

 そしてその場所に向かって走り出そうとしたところで、


「行かせると思ってんのか亜炎朱(あびす)!」


 と、怒号と同時に目の前にいる敵が持っている剣が振り下ろされた。

 それを持っていた双剣(業火と極焱)で受ける。


 双剣、業火(ごうか)極焱(きょくえん)は炎で刀身が作られており、『業火』は燃え盛る(ほのお)、『極焱』は静かなる焱の異名を持つ剱である。


「まだ生きてやがったのか。源峰(げんほう)


 神羅に光の柱が下りるほんのちょっと前まで亜炎朱と源峰は戦っていた。そして、一瞬の隙が生まれたときに亜炎朱は確実に狙いを定め、必殺の『焱楼乱舞(フレイムダンス)』を発動させて源峰を倒した。


 そのはずが、目の前には身体中傷だらけの源峰が立っている。身体のあちこちから血が流れているが、闘気に満ち溢れ、何より『眼』が生きている。


 (俺の『焱楼乱舞(フレイムダンス)』を受けてまだ立ち上がれるとかどんだけタフなんだよ。まさか技の発動前の一瞬のすきに自分の能力を発動させたのか?だとしたら納得がいくが俄かに信じがたい。)


「当然だ。お前の実力じゃ俺を倒すことはできん。それにあの一瞬に俺の『4元素を無効にする障壁(エレメントガード)』を発動させた。お前の炎自体は無効化したから受けたのは衝撃だけ。炎が無ければ何の強さも持たぬ剣術に過ぎない」


 (衝撃だけね~それだけ分かれば十分だ。)


  『4元素を無効にする障壁(エレメントガード)』はその名の通り、火、水、風の攻撃を無効化する防御専門の障壁である。


 (言ってくれるじゃないの。俺を挑発したことを後悔させてやらなきゃいけないらしいな。)


「それでもこの世に完璧なんてものは存在しない。ってコトはお前の『4元素を無効にする障壁(エレメントガード)』にも弱点がある。そうだろ、源峰?」


「仮に弱点があったとしても、お前じゃ俺の弱点を見分けられないし、見分けられたとしても実力差から考えて勝つことは不可能だ。だが、一方的な戦い(デスゲーム)はつまらねぇから1つヒントをやろう」


 (ヒントなんかいらねぇ。必要ない。なんせもう勝負はついたんだからな)


「ありがとう。でももうヒントなんかいらねぇ。もう勝負はついた」


 もう勝負はついた。その言葉の通り、勝負が決した。もちろん俺の勝ち。


「そうか。自分の負けだと認めて降伏するのか。それなら命だけは助けてやる」


「降伏するならお前の方だ。源峰。『油断大敵(ゆだんたいてき)』って言葉を知らないのかね、お前は。せいぜいあの世で苦しめ。『大地の怒り(アーススィモス)』」


 その時、地面に魔法陣が浮かんだ。それを見計らって持っている業火と極焱を地面に突き刺す。すると魔方陣からマグマが吹き出し、魔方陣の中を地獄(マグマ)の海にした。


「何だこの魔法は。俺の魔法が効かないだと?」


「当たり前だ。陣から吹き出ているのは『溶岩(マグマ)』だ。つまり、お前の『4元素を無効にする障壁(エレメントガード)』には当てはまらない」


 そうすれば『4元素を無効にする障壁(エレメントガード)』を無意味に出来るとわかっていた。でも、時間が足りず実行に移せなかった。だけど、源峰が勝手に喋りだしてくれたおかげで使えた。この勝利は天運に恵まれて得たものだろう。


「それだけじゃないはずだぞ。お前、陣を『手足の自由を奪うだけ』の魔法に変えているだろう」


「それが分かるなら俺の言いたいことも分かるだろう?」


「さて何のことだろう?俺は総大将の意向に付き従うまで。この身が朽ち果てるその時まで戦い続けるのみ」


「ならしかたがない。その心意気に免じて手加減抜きの全力で相手をしよう」


 数時間後


「いい加減負けを認めたらどうだ、源峰」


 状況は圧倒的に亜炎朱(あびす)有利な方向に進んでいる。


「ふざけるな!多少有利になってるからっていい気になるな!」


「なら、これで終わりにしよう。大人しく寝ていろ『焱皇の呼応(メガフレア)』!」


 とりあえず、戦いは亜炎朱の勝利という形で終わった。(源峰は隣で伸びている)


 (これで神羅のところに行ける。これでもし神羅の身に何かあったら自我を失うかもな)


  数分後 


「いつまで寝ているつもりだ!寝坊助(ねぼすけ)がっ!」


 怒号と同時に強烈なビンタをかます。


「痛って―な!なにしやがんだ亜炎朱!」


「この後どうするつもりだ、源峰。もしよければ俺らの仲間にならないか?」


 このまま『負けました』ってのこのこ自分の仲間の場所に戻れないだろうしこっちにこれば優しい仲間がたくさんいる。


「無視かよ・・・。ま、いいや。せっかくだがお前の申し出は断ろう。このあと俺は修行に出かけることにするさ」


「そうか。残念だ」


「負けた俺は潔くこの場を去るとしよう。それじゃあ。お前に会えてうれしく思うぞ『焱を操りし者『フレイムエンペラー』、亜炎朱』」


 そう言って源峰は去って行った。

今回は神羅の幼馴染であり親友の亜炎朱の話です。この後にもまだ登場キャラを増やします。なので末永くよろしくお願いします。

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