第2章 第15話 広場の騒動③
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よろよろと父親は立ち上がり、まだ治療中だとお婆さんに止められていたけど、キョロキョロとあたりを見渡し何がおきたのかわからないなりに、胴体に走る傷をおさえながら、呆然とする奥さんの元に向かっていった。
奥さんのところには彼女を止めようとした年長の子らが数人いて、旦那さんは彼らに頭を軽く下げながら奥さんの名前だろうオルガという名を小さくかすれた声で呼び、奥さんの腕に抱かれた既に息のない息子ともども「ゥォオ~」としか聞こえない絞り出すような声を出しながら泣きながらその腕で奥さんともども抱え込んだ。
その慟哭の声に友人たちは自分の手を握り締め、ただ淡々とそれを眺めていた。
おっ、これは大丈夫かも、そっとハートの子らが上手に馬車を降ろせばバレないに違いない。
私はちょっとドキドキしながら我が友人たちが気がつく前に馬車を元どうりに置けますようにと、なるべく空を見ないように意識しながら、ハートの子らには、早く、早くしろ、そっと、そっとだよ、とお願いしていた。
私が頑張って空を見ないようにしていたのに、ほっぺを傷つけられたアンナとアンナを止めていた別の年長組の友人らが私のそばにきて、空を見ながら言うのだ。
「馬車ひどい事になってるよ」と。
「バカだな、お前。あんな派手にやらかしておいて、バレないわけねーだろ。でも今回は助かった、アンナを助けてくれてありがとな」
「で、なんで馬車が空飛んでんだ?」
と、それぞれ聞いてくる。
私はアハハと愛想笑いをした、頑張ってした。
え~と掟のその1「弱い歩けないものはみんなで守る」ってうちら以外にもありですか?そう素直に聞こうとしたのに、それはハートの子らのバッサバッサと低空飛行のホバリングの音にかき消され、なぜか屋根が半分ほどと乗り降りすべき脚台と共にドアが消えた馬車から聞こえる大きな悲鳴にかき消された。
自然、そこにいる全ての人間の視線は空に浮かぶ馬車に向かい、おバカなハートの子らは「え?何?何?」とばかりに首をかしげ、それは馬車をその爪で掴んでいた事さえも忘れる事となり掴む爪をなくした馬車はニ階くらいの高さから残念な事に急激に落ちる事となった。
私は同時に二つの動作をできない不器用さに頭を抱えたが地面の下にはクローバーの子らが控えてくれているので、咄嗟にクローバーの子らにちゃんと受け止めて!とお願いをした。
すぐさまクローバの子らが地面からズバッと華麗に飛び上がり落下する馬車を僅かな時間のズレもなく見事に受け止めてくれた。
・・・・・・大きく口を開けて。
頑張ったんだよ、ホントだよ。
その後、何とも言えない雰囲気で城内に戻った私たちはすぐさま自室に向かった。
ジョーカーの子蛇~ズを固結びの刑にしつつ、ウゴウゴ言い訳を口にした私だが、友人たちに「ムカついたら十、いやお前は百数えるくらいでちょうどいい。それから行動しろ」と約束させられた。
アンナとかは城に帰るときにそっと小さな声で、「やりすぎだけどあの子供や両親の事を考えると、ちょっといい気味だって思っちゃった。何の解決もしないし何の意味もないけど、とっても難しいね」
「俺たちはいっぱいいっぱい考えなきゃ、ちゃんと生きてんだから、父ちゃんや母ちゃん、姉ちゃんの分まで考えなきゃいけないと思うんだ」
そう言っていた。
そのまままだ話し合いをするというので私は不参加を表明し開放されたが、実は未だにドキドキだったりする。
うん、赤ちゃんの事も言ってないけどね、もっと別の問題があるんだ。
みんなが続きの部屋を締切り話し合いをしている中、ドカドカとやってきたのはアル達で、ニッコリ笑いながらあれはどういう事ですか?と凄みの増す笑顔で聞いてきた。
「大人しく街で遊んでいたはずが、なんであんな事になってんですか~!」とロウゼにも言われた。
え~、それこそ私のせいじゃない。
いつ来るかとドキドキしてたけど、私は悪くないもん。
私は馬車ごと飲み込んじゃったクローバーの子にすぐさまペッてしてきなさい、一刻も早くペってしなさい、ただし友人たちにバレないようにってお願いしただけだ。
素直なクローバーの子がペッてした場所が王宮の奥、一番偉い王様のお庭だって私だって後から知ったんだもん。
クローバーの子の視線でその映像見て、ペッと吐き出した馬車の残骸と頑張って消化しないようにした赤ちゃんたちに大騒ぎになってるのを見て、あのいけすかない王子様もとい王様の顔と護衛の人の言ってるのがクローバーの子を通して聞こえてきて、ちょっとまずい場所だなって知ったんだ。
未失の故意?疑わずは罰せず?まあ意味はわかんないけどそんな感じの事だよ。
怒られたってしょうがないもんね~。




