表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/60

第2章  第8話王都編 城内にて

 私はもちろん友人たちと一緒にいたいから同じ部屋にしてもらった。


 私の希望なんてこれくらいだもの、エンちゃんを通してそれはそれは大きなお部屋に一緒にしてもらった。


 あのうさんくさい王子様、あっ、もう王様になったんだっけ?わからないけど会うのは、少しゆっくりしてからでいいみたい。


 向こうからきてくれるみたいだから問題ないし。




 少し落ち着いたら早速私とみんなで大きな部屋でごろごろして遊びだした。


 最初お世話係りでいるメイドさん、女官さん?、呼び名はどうでもいいけどその人たちが5人ほど控えて部屋にいるんで、友人たちは借りてきた猫みたいだったけど、なんかちょっと遊びだしたらもう気にしないようになった。


 わしゃわしゃ遊んでいると、エンちゃんとロウゼと一緒にこの国でもえらいらしい男の人達が数人やってきて、ご挨拶してくれた。


 私はさすがに空気は少しは読むつもり。


 友人たちも遊ぶのをやめて続きの部屋に控えてた。


 私もここはいっちょできるとこを見せてやろうと、勿論エンちゃん達にだけど日本人らしい正当な挨拶をちゃんとした。


 「こんにちわ、友人ともどもお世話になります」ってね。


 ん?あれ?ちょっと違ったっぽい、男の人達が一瞬戸惑ってる雰囲気出したから。


 さすがにおエライさんらしくすぐにそれをおさえて、私に向かってそれはそれは優雅に腰をかがめてゆっくり私にもわかるように「ようこそいらっしゃいました」と言って頭を下げてきた。


 頑張ってにっこり大サービス、エンちゃんもびっくりな奴をしてやった。


 やればできるんだよ、私。




 この人達が去ったと思ったら続けてあの白いローブの人が3人、きっちりとした軍服をきている人が3組、そんな感じで次々にやってきた。


 で、最後にあのお方が例によってお取り巻きを引き連れてやってきた。


 やっぱ王様になっていた。


 だって王冠にマント、まさに!って恰好だもん。


 悪いけどもう限界、来る順番間違ってるよ。


 王様最初にきなよ、耐久力ゼロになってから来られてももう面倒だもん愛想でませ~ん。


 だって新しいメンツならばまだしも好奇心で何とか挨拶だってちょっとは頑張るってもんだけど、もうねぇ、知ってる顔の人達ばかりだもん、もう無理よ無理!ギブ!


 というわけで、私はもう続きの部屋に避難している友人たちの元にいきたい一心で、早く終われ~って思いつつすぐ椅子に座り込んで胸に抱いたジョーカーの尻尾君たちをつついて遊んだ。


 え~、え~何でという視線でつつかれるたび律儀にボヨンボヨンとのけぞる子蛇ちゃん達。


 子蛇ちゃんたちと遊んでいる内にレアル王たちは帰ってくれた。


 最後はいつ帰ったんだかも覚えてませんよ、私。


 何か女官さん達に睨まれてる気がするんだけど。




 エンちゃんとロウゼが戻ってきて私を見るなりしょうがないかぁ、とタソガレてる気がする。


 私のこの苦行のような2時間の努力は認めて欲しいと思うんだ、私的には。


 何ドンヨリしてんのよ!




 それでその後教えてもらったんだけど3日後にすんごい大きなパーティーするんだとさ。


 それに出ればエンちゃん助かるらしいし、おみやげつきだって!


 勿論招待お受けしましたとも。


 ただし友人たちも一緒にね。


 私だけじゃつまんなくなる事決定じゃん。




 それとね、もう2日前から帝国中で新王即位のお祭りみたいのやってんだって。


 で、その一番大事な即位記念のパーティーにはゲストとして大陸中の大小さまざまな国の人たちも招待されているんだって。


 そのそれぞれの国の代表の方たちはみんなすでに到着してんだとさ。


 だからお願いだからあまり外にいかないでね、みたいな事言われた。


 なんでよ?私?私なのか?


 私はそれは友人たち次第だよ、と答えた。


 それを聞いた友人たちが口ぐちに「ちが~う」とか言って突進してきたから、急きょこの大きな部屋での追いかけっこが始まった。


 きゃっきゃっと戯れながら、あ、今度「だるまさんが転んだ」教えてあげようと思った。


 それで遊ぶのも面白いに違いない。


 この王宮の庭なら大きそうだからハートの子らも呼んでやれそうじゃない?


 奴らは不器用な所があるから、あの羽根の動きを止められないに違いない。


 クローバーの子らは地面から頭を出しても揺れていなきゃいられないから、これも楽勝。


 こりゃあ、何か懸賞を出させて一人勝ちできんじゃないか。


 私は友人たちを集めてこそこそ相談したのは言うまでもない。


 





 ハートの子らたちは新しくできたばかりの専用の待機所でおもいおもいに過ごしている。


 人口の滝あり小川ありの芝生みたいなのに覆われたそこには屋根もあるし、それなりに楽しんでいるみたい。




 うひゃひゃと笑う私達。


 何気にドアを眺めると綺麗に揃って立っている女官たち。


 それにしてもこの女官ズ嫌な目するな、あのうさんくさいレアル王が挨拶にきてから特にだ。


 友人たちに向ける目も嫌な感じだし。


 まあ少ししかここにいないし2度とくる事もないから無視だな無視。


 この短い時間を満喫したい私は友人たちとじゃんけん大会を始めた。


 


 


 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ