第2章 第1話 初めての町
誤字みっけ!直しました。
いつも見直せばいいのに、書いたらそのまま投稿。
誤字は許してほしいもの。
のんびりと旅を続けて2か月と半。
朝おきたら急に私は甘いものが食べたくなった。
「思い立ったら即吉日」
私はロウゼに、何かあのキラキラしい妖精族の面影が日々消えていくように見えるロウゼの、若干暗くなった髪と目の色を、気のせいかな、気のせいだよねと思いつつ、甘い物が食べたいとお願いしてみた。
もしかしたら誰か持ってるかもだよね、こんなにいるんだもの。
今なら飴でも可!という事で。
実際食べ物なんかいらないんだけどね、雰囲気?うんそんな感じでむしょうに何か食べたくなる時がある。
で、現在甘い物が欲しい。
私の期待に満ちた目にロウゼは「待ってね」みたいな事をいってエンちゃんの方にいった。
え、エンちゃん甘いの持ってんの?
私はワクワクして待った。
こうして見るとエンちゃんもみんなもちょっと一回りくらい大きくなったように感じるんだけど、これも気のせい?。
もともとみんな体がでかかったからよくはわからないんだけど、妖精族だったロウゼが特に違和感半端ないんだよね。
あのいつもの優しく穏やかに微笑んでいるイメージが、何か最近笑顔も迫力あるっていうか、黒いっていうか・・・。
ガタイもね、背が高くてひょろ長い感じだったんだけど、今は凄いがっしり!みたいな?
まさかね、いやいや、ない!そんなわけないよね?あはは・・・、ほんとまさかだよね、現実逃避してもいいかな。
クローバーの子らが面倒見れば見るほど、何かこう雰囲気が人間離れしてきたっていうか、ワルの雰囲気っていうか、もう最初の面影がないよ。
認めます、ごめんなさい、もうあきらめてね、どうみても悪の軍団だよ皆さん、出会った当時の軍人さんはここにはいない。
この人たち、王都っていうの、そこの軍にすんなり戻れるのかなあ。
心配だから最悪の場合あの王子様にお願いしてあげんね。
こんなんなっちゃった責任者?として。
エンちゃんと話したあとは、どうやら手持ちにはないらしく、甘い物求めて人のいるところに移動することになった。
お風呂も恋しいしね。
お風呂探しの旅のはずが、まだ一度も出会ってない。
だからお風呂はなくて、ジョーカーの出してくれるお湯でシャワー生活だよ。
計画倒れもいいとこ。
昔からそう。
試験の前は計画をたてたらなんか達成感ができちゃって、うん、私頑張った!って肝心の勉強はしないで終わるの私。
見事な計画表を燦然と残してね。
空を飛んで旅するのもみんな慣れてきて早くなったのに、時々地面から顔を出して心配そうにクローバーの子らが「できそこない」の様子を眺めている。
本当に過保護なんだから。
どうしてその過保護が自分の子らには向かわないのかわからないよ。
まあ「しっぽたち」はちゃんとした存在だから、弱肉強食当たり前な考えなんだろうけど。
クローバの子らが「できそこない」と呼び、ハートの子らが「なりそこない」とかまうエンちゃん達が言うには、このあともう少し言った先に町があるらしい。
「トルなんとか」という国の国境ぞいの町らしい。
その緑の色がほどんど見えない町がかすかに見えてきた。
目標が見えて「お・ひ・る・お・ひ・る♪」と日本語で変な節を使って歌う私に、エンちゃんたちは何か目を見開いて驚いてるっぽい。
失礼な!私は一人カラオケはたまにしていたんだぞ。
それほど音痴じゃないはずだ。
音楽いつも3で高校では選択しなかったけどさ。
気にせずそのまま節をつけて「お・ひ・る」と日本語で再び歌っていると、何と初めはロウゼ、それから次々に空の上で皆が「お・ひ・る」と変な日本語の発音で私の真似をはじめた。
それも超まじめな顔で。
なんでぇ?
ほんとこの人達っていうか、この異世界の人たちってわからないよね、ヘンすぎ。
まあ同じ日本人でも家族ですら怖かった私の言える事じゃないけど。
しばらく空を飛んでるとおもちゃみたいにちっちゃいその町がしっかりと見えてきた。
ほんのわずかな緑というより枯れてるんじゃね、の細々とした畑と小さい家々が道をはさんで立っている。
高台にあるのは砦?みたい。
私達のいたあの元は天幕のあそこよりはすごく大きい。
けれどひどくみすぼらしく見える町だった。
カサカサに乾いた町、緑ではなく茶色い葉っぱを大事そうに囲って育てている町。
いや、ここ異世界だし、もしかしたら茶色い葉っぱ育ててるのかもしれないけど。
うちらのいたあの元天幕の畑は青々とした畑で緑も水もあふれていたけど。
何ともいえない、知らないもの。
私達が近づくにつれ通りを歩く人にもこの羽音が大きく聞こえているみたい。
一人、2人と不審げに空をみあげているのが小さく浮かぶそのシルエットでわかる。
それからアリのように右往左往する様子に、あれ?と思った。
でもエンちゃんたち地元民?が今までよりスピードをあげてそこに向かうのをみて、地元民に続け!とばかりに、ついはしゃいでジョーカーにもっと早く~とお願いをした私。
だってついはしゃいじゃうのは当たり前だよね。
食べたいと思った甘い物プラス初めてのこの世界のホンモノの町!だよ。
何かむやみにテンションもあがるってもんよ。
で、ジョーカーがその私に影響されてやる気モードに入りました。
地を駆けてきた子らもそのモードに勿論突入。
負けるもんかと地に潜る子らも勿論アゲアゲテンションで特攻していく。
まず地を駆けてついてきた子らが、言うなればバババババって感じに町に突入していったのが空から見えた。
同時に潜る子たちもその身を最高にして突入していったので地面がうねるうねる、柔らかいホースみたいな動きの道が空から見える。
そして空からはジョーカーにハート組みがそのスピードのままバッサバッサと舞い降りた。
あ、あれ?何か競争してたっけ?うちら。
ゴールはこの町?でいい?
そう首をかしげた私は次々と倒れる家屋や逃げ惑う人の悲鳴に何でだ?と思った、本当に。
地面がうねるから家屋が倒れ、地を走るもの達の特攻でそれがまた潰され、ハートの子らの翼の動きでそれらが舞い上がり・・・。
私はジョーカ―の背中に翼で覆われながら、埃もかぶらずにいたけど、あっというまの時間でおきたそれらを「あれれ」と見ていた。
で、「地元民~!」と助けを呼ぶべくエンちゃんたちを探したら、何故かあの一番高い砦みたいのに突撃しているのが見えた。
剣をかかげてたな・・・。
あっロウゼ火の玉出した。
大きな門みたいの燃え上がって、わ、大きな声を上げて騎獣を駆使して突撃していった。
積み木が崩れるように簡単に倒れていく粗末な家々。
だけど町の人たちは何とか無事に・・・え~と無事じゃない人もいるけど。
こら!エース君変なもの食べちゃいけません!
その口からはみ出てるの見えてるんだかねっ!
そんな汚いお風呂に入っていないような人の足が、ちゃんと私には見えてるんだから!
3月君!その呑みこもうとしてるの良く見て!しがみついてる椅子ごとだよ!
椅子はまずいと思うよ!喉にはさまったらどうするの!
ちゃんと椅子はぺってしてから食べて!
ほんとにもう世話がやける。
あっ、そうだよ!君らのおやつの為にこの町にきたんじゃないよ!私のおやつの為のはず!
エンちゃんたちも楽しそうに突撃してるし、何でこんなに簡単に壊れるかなぁ!
私は声を大にしていいたい!
数分で壊れる町なんていらなくね?
っていうか、私の甘いおやつはどうしたのさ!




