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第1章 第31話  バトル?

 ガタガタ震える「邪心の巫女」に近づくように、私はすくっと席を立った。


 女のそばにいて震えて同じように動けない取り巻きAが女と私との間にいて邪魔。


 私が「邪魔」と言ったら、すかさず地面の下から、土煙りと土砂をまき散らしながらクローバーの一族の子が体の一部を出しながら、その牙と口で、取り巻きAを地面の下に引きずり込んでいく。


 「ナイスだ。」私のその言葉に、私のそばに向かっていたハートの一族の子が、「ずるい~」とすねた。


 私はその子や、その後に続く子らに、ふふふと笑いながら言った。


 「まだ、はじまったばかりよ、大人しく待っててね。」と。


 「は~い。」といい子に返事する彼らに、良い子、といって微笑む。


 テーブルの周りは目を大きく見開いた人間ばかり。


 そりゃそうだろう、この下に地にもぐるクローバーの一族の子らがいるのが、はっきりと立証されたんだから。


 私は立ち上がったまま、女に話しかける。


 うん、私の方が背が低い、何かむかつく。


 すかさずジョーカーがいそいそと、体を縮めて足台になってくれた。


 「おし!負けない!」


 ふふっ、できるなら気絶したい、とか思ってるんでしょうけど、無理ね。


 ここまでの威圧は気絶を許さないからね。


 私はジョーカーの背に登るのに、尻尾の子蛇ちゃんたちの手助けをうけて、背中によじ登る。


 だってさあ、レアル王子の招待だからって、何とドレスみたいの着ているの。


 登りづらいというものよ、まさかこんなジョーカーの背中によじ登るなんて、想定していないもん、しょうがないよね。


 尻尾の子蛇ちゃんたち、ほら得意そうによだれこぼすのやめれ、ドレス穴あくから。


 今からこの女と喧嘩するんだからね、人生初の同じ女とのバトルよ、バトル。


 着ているものがボロボロになったら、何か負けな気がする。


 私、一つも負けたくないからね。


 私の「口閉じて!」に一生懸命得意そうな表情を隠そうともせず、口を閉じようとする子蛇ちゃんたち。


 あぁ、お前たち、感情と動作を分けられない不器用ちゃんなんだね、ルンルンはやめられず、かといって嬉しいせいで口があいちゃう。


 とうとうお互い口を閉じるために噛みあって何とかしようとしてる。


 ・・・・いいよ、いいよ、もう。


 ほらグルグルになって絡みあっちゃうよ、て、いうか絡みあっちゃったね。


 私そういうのほぐすの苦手なんだから、からまったものは、ハサミでちょきん、しかできないんだよね。


 私がそう思ったとたん、硬直する子蛇ちゃんたち・・・・。


 はぁ~、何ていうか、それを見て、そのおバカぶりに、ジョーカーをつい、見てしまった。


 ジョーカーは自分とは関係ない、みたいにそっぽを向いた。


 はたまた勢いがねぇ、そがれた。


 子蛇ちゃんたちのあまりに、哀れな情けない姿に、私はジョーカーによじ登るのを途中でやめて、下に降りた。


 何か一気に冷めた。


 馬鹿らしい。


 私は、空を見上げた。


 その瞬間、空からクイーン君がやってきて、女をその鋭い脚で連れ去っていった。


 イメージが送られてきた。


 じわじわ殺す、とのこと。


 はぁ、人生初になるはずの、女同士のバトルはなくなったみたいだ。


 よかったかも、絶対、若い女って怖いにちがいないもの。


 冷静になれば、そんな怖い体験しないでよかったよ、本当だよ。


 あれ?ってみんなの声がする。


 「やめた。」って言ったら、みんなさっきの女を連れ去ったクイーン君の後を追いかけていった。


 「あれで遊ぶ。」と言って。


 私はバイバイって手を振っておいた。


 さてと、子蛇ちゃんたち、何とかしてやらないとね。


 私は、じっと周りを見渡して、一番器用そうで優しくこのこんがらがった子蛇ちゃんたちを直してくれそうなシリーにお願いした。


 あれ?何でみんな放心してるの?


 大丈夫、この子たちは大人しいから、全然怖くなんかないよ。


 


 

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