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第1章 第26話  新しくきた人

あれから数日後に、新しい人達がやってきた。


ここの人達と同じ模様の甲冑をきた人達が20人くらい、それに普通の、まあ軍服じゃないの着ている人が同じくらい。


後からもまだやってくるらしい。


妖精族のロウゼが、「たくさん」って言っていたから。


新しくきた中で、ひときわ迫力のある人が、ここのリーダーさんよりえらいらしい。


エンなんちゃらって名前らしいが、難しいのでエンちゃんと呼ばせてもらっている。


エンちゃんの乗ってきた竜もどきが、ジョーカーを怖いらしくて、おどおどと挙動不審でおもしろいんだ。


やってきた時、皆歩いてきたからどうしたのかなって思ったら、どうやらこの天幕群にまとわりついているジョーカーたちの匂いに反応して、途中からびくとも動こうとしなかったんだって、ジョーカーが教えてくれた。


唯一エンちゃんの竜もどきだけは、一緒にやってきたから、それなりに頑張る子ではあるみたい。


だからこの子、ソランっていうんだけど、ビビッてはいるけどしっかり逃げないでエンちゃんのそばにいるのは大したもんなんだ。


他の子たちは、徐々にここに馴らしているんだって。



とりあえず甲冑組とは、それなりにコミニュケーション中、まあまあうまくやってる。


まあロウゼとかシリ―が片言とはいえ、そばにいて会話らしき中継が少しできるからね。


まだ翻訳とはいかないけど。


服をたくさん持ってきてくれたから、余計私のあいそがいいのもある。


反対に文官?組はめんどうの一言。


じっと、ひたすらじっと私を見てるけど、何なの?私高いよ、そう言ってやりたい。


見るだけただ、なんて思ってないでしょうね。


食事にはエンちゃんと、文官の人が2人来るんだけど、私はエンちゃんやアルとはロウゼ達を交えて、ちょこちょこお話し?らしきことはするけど、相変わらずじっと見るだけの目が気に入らないから文官組は無視よ、無視。


1週間くらいそんな感じで、繊細な私的にはストレスがたまっていたのね。


天幕の外をプラプラ、ちびジョーカーを連れて散歩してたら、軍人さん組が稽古?訓練?そんなのをしていたの。


草原に100人をこえる大きい男の人達がエンちゃんの号令の元、訓練してんのよ。


超かっこよかったの。


ロウゼがすかさず寄ってきて、「まいにち」「だいじ」って言ったから、今までやってなかったのが変だったのね。


こうしてみると、みんないきいきしてる。


かっこよくてボーっと見とれていたら、ジョーカーが、ふん!って感情を伝えてきたの。


おう、おう、カワイイなぁ、って思わずジョーカーの頭をなでなでしちゃった。


そんないい感んじの時に、また視線を感じて、あぁ、またあの文官の誰か、後ついてきてんな、って思ったわけ、楽しかった気持ちもなえた。


さすがに頭にきて、何なのよ!と、私はつかつかと、むかつく文官、その時も2人いたんだけど、そいつらの元に近づいていった。


私の怒りに反映してジョーカーが咆哮をあげながら大きく姿を変えていく。


ロウゼが何か言ってきたけど、私は一度立ち止まってロウゼに「きらい」と文官たちを指し示し、またずんずんと怒りにまかせて、近づいて行った。


私はやつらの目の前までいき、立ち止まると、


「あんた達、何なのよ、いつもいつも。ほんとストーカーかっていうの!じとっと見てばかりいて!むかつくのよ!やるんならやるよ!」


ふん、っと腰に手をあて、大声ではっきり言ってやりました。


まだ言い足りないけど、言ってやりました!どうよ!


昔むか~しの何も言えない子じゃありませんから!私!


文官2人は、食事を一緒にとる人じゃなかったけど、私の剣幕に怒っているのはわかったみたいで、最初は唖然という感じだったけど、その後は顔色真っ白になって、私を見て、私の背後を見て、そしてまた私を見て・・・。


何よ、言いたい事があれば、そう言おうとした私は続きを言うのをやめた。


だって文官さんAの目、うるうるになって、もう一人なんか、絶望ってこういうのなのね、って顔になって・・・・・。


何というか勢いがそがれた、というか、弱いものいじめ、これって弱い者いじめなの?って感じ。


うそよ~。


私は、まずうるうる君Aのそばに、恐る恐るよって、びくつくうるうる君に、ごめんねって思いながら、うんしょと背を伸ばし、背を伸ばし・・・、届かない。


ので、ジョーカーに小さくなるよう言って、ジョーカーがあっという間に小さくなって、私の足のせ台になってくれたので、ジョーカーの背中に乗って、やっとうるうる君Aの頭を撫でてやった。


ん?もちろん大丈夫。


2人とも硬直してて、動かないでいてくれたから、ちょっと手間取ったのがかっこ悪いけど・・。


それで私は、やっと頭を撫でながら、ごめんね、別にどうこうしようと、いや、ちょっとだけどうこうしようと思っただけで、なんて言い訳を一生懸命していた。



そこにロウゼとエンちゃん、アルが青い顔をしながらやってきて、どうやらジョーカーの咆哮直後、訓練は急きょ取りやめになったらしい。


重ね重ね、すみません。


素直って大事だよね、だから私は二ヘラと笑いつつ、ごめんなさい、とアピールした。


通じたかどうかは知らないけど。





この後わかった事だけど、文官さん達は、いわゆる貴族とか高級官僚らしく、お育ちのいいせいか、どうやら私からの許可なく話しかけるのはマナー違反だと思っていたため、ひたすら言葉をかける許しをもらうべく訴えかけていたらしい。


ロウゼやシラーに、何で言ってくんなかったの?と聞いたら、「だいじ」「いった。」との事。


ほらまた、いつの話し?全然覚えてないや。


まだまだコミニュケーションをとるのは難しいとわかっただけいいか。


このあと大貴族の坊ちゃんである、うるうる君こと、ゼルディ君は私のお気に入りとなったのは言うまでもない。


私ってヘタレが好きって言われても仕方ないかもしれない。



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