第1章 第24話 ほんと、つかえない。
昨日書こうと思ってましたが、気持ちがなえていて、自業自得とも言いますが、そんなこんなで本日になりました。
あれから幾つもある大きな天幕のところを説明されながら、意味わかんないけど、ニュアンス的に、説明してるな、っていうのを聞き流しつつ、だって私、英語だってわからなかったんだよ、習ってたはずなのに。
そんな私が、急にこの異世界言語でいくら丁寧に語られたって、理解の片鱗があらわれると全然思えないじゃない。
無理、無理!だから聞き流すしかないの。
それでね、私とジョーカーとエース君のも、一番奥の方に急いで作りました感のあるのが用意されていて、他の天幕より小ぶりのやつだけど、ちゃんとありがとう、と言って握手をぶんぶんして、お礼をいっときました。
一番大事な目的を忘れちゃいない私は、その中に入る前に、自分の着ている膜をビラーンとさせて、リーダーさんの着ている服を指さし、それを繰り返した。
リーダーさんは、わかってくれたみたいで、うんうん頭を上下に振ってくれたので、私は期待に満ちて、大人しくその中に入った。
天幕の入口はあけてあるので、その入り口の両脇にグデーンと横になるジョーカーたちと、お話ししながら、服はまだかと待っていた。
本当に首を長くして待っていたんだ、私は。
そんな今か、今かと待っていた私に、やっとボロボロになった装甲をとりかえた隊長さん達の姿が見えた。
ニコニコ笑いかけながら、こちらに来る隊長さんと、顔見知りの妖精族さん2人に、私もニコニコと笑いかけた。
うん、違う世界に生きてきた私達だけど、笑顔っていいよね、こうして少しずつお互い歩み寄れるもの。
これでもか!ってくらいの笑顔、前の世界にいた時にの浮かべた笑顔の回数なんて、きっと今この瞬間浮かべている回数にはかなわないはず。
私はそばに来た隊長さん達が、入口にいるジョーカーたちを気にして、少し遠巻きに立ち止まったのを見て、中から出て、自分から隊長さん達のそばに寄った。
ニコニコと私が手を差し出すと、隊長さんは、先ほどの握手と同じだと考えたのか、私の手を握り勢いよく握手をしてきた。
ちが~う!ブンブン首を横に振り、早く私に着替えの服をおくれ!そう思いをこめて、「ん、ん!」と声を出して服を催促した。
催促した・・・・・。
戸惑う様子を見せる彼らを今一度よーく観察する。
うん、きちんと着替えてきたんだね・・・・。
ねぇ、ところで私に渡してくれるはずの服、だ~れも持ってないね、手ぶらだね・・・・。
彼らが私の着替えの服を持ってないと見て取るや、私は思わずポロリと泣いた。
私がうるうるしているのを見て、隊長さん達が、わたわたと何か話しながら、私を見た。
「いいもん、帰る!」
服がなきゃ嫌だ、ここにいる意味はない。
お前達、乙女の心をもてあそんだ罪を知れ!
瞬間ジョーカーが威嚇の声をあげ、その体を大きく変化させはじめた。
エースくんも、例によって、体を大きくしながら、体に鋭いトゲトゲを生やしはじめ、その牙を大きく伸ばしながら、こちらも咆哮する。
私はジョーカーの背に乗ろうとジョーカーを呼んだ。
せっかくの天幕を一瞬でつぶしたのが見てとれるが知るもんか。
帰るだけだ、攻撃をしないだけいいじゃない。
一瞬で私達は空に舞い上がり、みんなの待つあの山に向かおうとした。
私が何気にあの今までいた天幕を見下ろすと、茫然とする大勢の姿が、どんどん小さくなっていくのが見えた。
こちらに向かって大声をあげ手をふりながら何か言ってるのは隊長さん達だ。
その時、はじの方に、入ってきた入口の方になるけど、何と女の人が数人見えた。
足首まであるワンピースみたいなのを着ていた。
あっ、味方発見!やっぱ女心は女じゃなくちゃ、ね。
私はジョーカにまた降ろしてくれるように頼んだ。
私がまたおりていくと、真っ先に隊長さん達が向かってきたけど、無視だ、無視!
使えない男なんて、ほんと、いらない。
私が駆け足で女の人達の所に突っ込んでいったのは、許してもらっていいと思う。
それだけ切実なんだ、という事で。
腰を抜かして震える、おばさんといっていい年齢の人達の元にいって、威嚇、いやいや、切実に服を!とアピールした私は悪くない、はず?。
その後おばさんから、何とかかんとか、やっとこさ服をゲットした私が、今までの服のない生活に思いをはせ、感動にくれていると、やっと何がおきたのか理解した隊長さんと、またまた仲直り?をしたのはいうまでもない。
どうやら服をたくさん用意してくれるらしい、またまた絵を描いてもらって相互理解がはかれた。
今度はちゃんと紙に描いてくれたから、余計わかりやすかった。
え~と、それと私の天幕なくなっちゃったから、新しいのをまたたててもらった。
ごめんなさい、っていうべき?まあ、スルーの方向で。
夕飯もおいしかったよ、誰も近づかないけど。
うん、ここにしばらくいてもいいかもしれない、笑顔で歩み寄りだよ、歩み寄り。




