第1章 第16話 お遊びは大事です
それからはもう、ジョーカーが相手にするべくもなく、空からバッサバッサ降りてきたエース君と、地をかけてきたハートちゃんの2匹だけでミミズもどきはあっという間に瞬殺でした。
ジョーカーはその大きくした体を縮めて、私をその体に包み込むとその二股に裂けた舌でペロペロなめて、私に小言を言いだした。
だ・か・ら・あんたのそのよだれ溶けるんだって!
乙女の絶対領域どころか、すっぽんぽんの危機をよぶ気なの?
まさかカジカジを逃れたのに、それって笑えないから!
私はまだブツブツ文句を言っているジョーカーを押しのけて、来てくれたみんなの様子を見た。
「食べていい?」と目をキラキラさせて聞いてくる子たちに、可愛いけど、すんごく可愛いけど、ここはきちんと躾ねばと、心を鬼にして、ここにいる人間や馬達は食べちゃダメ、といった。
それから、私の怨念を思い知るがいいよ!って事で、ここらにいるミミズもどきをやっつけちゃって、と頼んで、それならいくらでも食べていいよと言った。
みんな遊び感覚で、あんなにここに来るまで怒っていたのに、それをコロッと忘れて、地に潜るのが得意の子たちが「ワーイ」って感じに頭から地面に飛びこむようにもぐっていって、それで地面からぴょい、と逃げ出してくるミミズもどき達を、空からすかさず翼ある子たちが攻撃して瞬殺。
それがここら一帯で繰り広げられた。
リアルもぐら叩きゲームだ。
なかなかおいしい、との感想が聞こえてくるが、あんたら食べた後、わかってんでしょうね。
「ちゃんと川にいってお口ゆすがない子とは、遊びませんからね!私!」宣言をジョーカーを通して徹底させた。
絶対これだけは譲りませんから!
このモグラたたきゲームも、頭叩かれた瞬間死ぬのが何だけど・・・、1時間もしないうちに終了した。
やったねパーフェクト!ここらへんには、もうあのミミズもどきはいないという達成感に、自分がしたわけじゃないけど満足していると、何か忘れていないか、とふと思った。
あっ!第1発見村人の皆さんだ、思い出した。
私が彼らがどうしているか見ると、暇な子たちに取り囲まれておりました・・・・。
えっ?顔色がもはや真っ白な皆さんに、私のせいじゃないよね、と日本人らしく心の中で言い訳した。




