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第1章 第10話  迷子?

えっ、何よこれ。


精神的にやる気ですか?


ちょいと隣りの谷にいるらしいスペードのエース君の所に遊びにいこうとしただけなのに、現在地不明です、私。


ちょうど遊びに来たダイヤちゃんの可愛い真っ白のフワフワな背中に乗って出かけたのはいいの、出かけたのは。


ダイヤちゃんはね、背中以外トゲトゲだらけの、ダチョウをとっても大きくしたような子なんだけどね、その大きなトゲを吹き矢のように次々飛ばして戦う子なんだけど、何と隣りの谷に向かってる途中で卵を産むというアクシデントがはじまっちゃって。


そりゃあ、乾いた大きな岩場の間に絶好の巣になりそうなの発見して、ましてまだ誰のテリトリーとも確定していないそれにたいそう喜んで、なぜか卵を産みだすダイヤちゃんに、私だってつい、「いいよ、いいよ。」といっちゃったよ。


何となくどこらへんにこの子らがいるのか、ちょっとは私だってわかるんだ。


力の強い子限定だけども。


だから私は探検をかねて、一人でエース君の所にいくから大丈夫、頑張ってここを守って雛をかえすんだよ、って応援しちゃいました。


時間なんてもう私には全然関係ないもの。


この世界の草や花、空を眺めながら、より視界の開けた場所まできた。


流れの早い川のほとりには、私の体くらいある大きな葦のような葉っぱが沢山生えていた。


もちろん、私はそれを見て、あのアニメのキャラがバス停でやったように雨など降らないのに、頭の上に掲げ、ポーズを決めた。


大きなト〇ロの代わりは誰がつとめるのかと想像し、ジョーカーたちが私の隣りに同じように葉っぱを持って立つ姿を次々に思い浮かべ・・・・・挫折した。


それは、やっちゃダメだった。


そんなこんなと物珍しく、この新しい世界の散歩を楽しんで、陽が沈みだしたので、ここで野宿をしようとこの近くに誰かいないか探したんだけど、あいにくエース君のテリトリーに近いので、あの甘えん坊君はあれでもベスト3に入る強さなので、付近には誰もいなかった。


幾らカード達とはいえ、ここいら一帯は広大で上手にそれぞれ広いテリトリーを持ち暮らしている。


ジョーカーと私の住むあの大木がある場所は、弱肉強食の彼らでもなぜか争いはしないので、彼らが遊びにやってくる以外、会う気がなければ会えないんじゃないかってくらい、それぞれバラバラにおのが力で暮らしている。


あのダイヤちゃんの雛がかえっても、どのくらいの数が生き残れるのかはサバイバルだ。


あの閉じられた空間以外、ジョーカーは種族を増やせないらしく、この新しい世界で頑張って私達は生きていく。


私はどこかに露天風呂がないか探したが、どうやらここにはないらしい。


久しぶりのダブルパンチにへこんだ。


まあ、明日にはエース君の所につくだろう、そう呑気に構えて、私は柔らかいコケのような植物が群生する場所を見つけ、いい匂いのするコケを褥に眠りについた。


意識の片隅で、ジョーカーにおやすみなさいをしながら。


それが昨日のことだった。



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