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第一話

「なんなんだよ!あのガキは!」

男が叫びながら走っている。

無我夢中で入り組んだ路地を曲がるが適当に走りすぎたために自分が今どの場所にいるかすら分からない。右折れている路地を曲がった。

「……クッ」

男が呻く。目の前には大きな壁があった。見事なまでの行き止まり。慌てて振り返るが額に硬く冷たい物が額に押し付けられた。ガチリッ!と金属が擦れて固定される音が響く

「………」

無言で少女がたたずんでいる。

右手には大きめのハンドガンを手にしていて、それが男の額に押し付けられている。

「…あ」

男は脅えた表情で汗を滝のように流している。

「馬鹿な行動はしない方が賢明だ…」

少女は落ち着いた表情で銃のグリップを男の頭に叩きつけた。

ここは町の治安保護局のカウンター。

「マナ。賞金首のキニスを捕獲しました…」

驚いたという表情で受け付け係は、ハァと答えた後に

「…とりあえず報告書に記入をして下さい」

と言った。少女の後ろでは先程の男が気絶していてロープで縛られている。報告書に一通り記入して受け付け係に渡す。

「では、マナさん。犯罪者の身柄はこちらで預かります。入金は三日後になりますので…」

「…わかった」

たった一言だけ言って帰ろうとする。だがそこに面倒なことが起きた。

「マ〜〜ナ〜〜ちゃ〜〜〜ん!!」

遠くのドアを普通に開けずに文字通り破壊して、青年が駆けてくる。

こんな光景、正直うんざりだ…。

タイミングを見計らい、駆けてきた青年の顔面に向かって靴底で跡が付くくらい力一杯蹴り飛ばす。青年はゴロゴロと転がり悶絶する。

「そのまま召されろ阿呆が!」

気絶した青年に向かい罵倒する。

「…かえろ」

スタスタと歩くがまたもや

「マナちゃ〜〜ふご!」

言葉が途中で続かなくなったのは、マナが回し蹴を飛び掛かってきた青年の頬にクリーンヒットさせたからである。

先程と同じように悶え苦しむ青年が、傍から見ても哀れだ。

だが今度の青年は一味違った。突然何事もなかったように立ち上がる。しかも笑顔で…。

「ハハハハハッ。そんなに恥ずかしがらなくても、ただの愛情表現さ」

「愛情表現をする時、貴様は人に飛び掛かるのか?」

マナが突っ込むが青年は笑顔を崩さずに

「将来を誓い合った仲じゃないか」

瞬間、青年は床に頭をすり付けていた。

「ほほーう。達者なのは貴様の脳内構造のようだな…」

自前の二連装銃の安全装置を外し、撃鉄まで上げ青年に向けている。

「すみませんでした!」

「いや、死ね…」

「ええっ?!」

「アディオース…」

「そこまで!」

愉快だが危ない二人の間に割って入ったのは

「あ、局長」

眼鏡を掛けた中年男性だった。青年は立ち上がり、自らが局長と呼んだ人物に向き直る。

「カリス。今は仕事中だ。持ち場に戻れ…」

「了解です」

すると、青年カリスは早々とその場を立ち去った。

「すまないね。マナ君。あのアホ小僧が何かしでかしたみたいで…」

「早めに首にして下さい」

「一応は騎士団直属の人員だからね。こちらでは、どうこうできないのだよ。それに働きは良いしね」

先程までこの場に居たカリスはこの国を護衛する騎士団員だというから信じられない。バカ丸出しだし…。

「今日は帰ります…」

「そうか。今度はお茶でもしよう。お得意様なわけだし」

「それでは…」

一方的にマナが会話を打ち切るかたちで外に出た。

町の高台の喫茶店。

カランッ。ドアについている鈴が鳴り、人が入った事を知らせる。

「ただいま…」

マナが小さく言う。

すると奥から白髪の混じった髪と髭を蓄えた男が出てきた。歳は五十前後だろう。

「おかえりなさい」

「ただいま店長…」

マナの態度は気にならないというふうに振る舞う店長。

「三日後に二十万の入金があるから受け取っといて…」

「別に気にしなくてもいいんですよ?」

「そういう訳にはいかない。ここに住ましてもらっているんだ。少しくらいの恩返しはさせてくれ…」

そう。私はこの店に住まわせてもらっている。彼此、七年だ。私には両親が居ない。いつから居ないのか知らないが、私が物心付いたときから両親がいなかった。当てもなく彷徨っていたのか店の前に倒れていたという。私にはその時の記憶が断片的に無い。倒れていた現場に今持っている二連装銃があったらしいがこれも記憶が無い。その後、世話をしてくれている店長には大きな借りがある。

だから恩返しがてらに、ここ二年間は賞金首狩りをしてお金を渡している。

運が良いことに、この仕事にむいていた。

運動能力は常人以上で銃の扱も楽になってきた。


「あまり無理しないでくださいよ」



「分かってる。今日はもう休むよ…」


そう言ってマナは二階にある自分の部屋に戻った。

なんだかギャグみたいになってしまったかもしれません。感想待ってます。

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