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もねほらね  作者: ねこもぐら
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雑談回

「そういや、自己紹介してないじゃん」

急に吸血鬼がそんなことを言い出した。

うちも「そうやぁね…」となんとなく返す。

正直ここにいるだけでも危険だし、戦闘とかにでもなったら最悪。すぐにでも帰りたいのだけれども。もう無視して帰るか…

「ちょいちょい返事しておきながら何普通に帰ろうとしてるのさ。せめて私の名前だけでも覚えて帰ってよ。」

「ささっと名乗ってよ…」

コホン、と咳払いをして名乗り始める。

「私はレミンだよ。」

短っ

「それだけ?」

「それ以外何か気になるの?もしかして気になっちゃった?そらそうだよねぇ世にも珍しい吸血鬼ですもの」

なんか急にニヤニヤし始めたな。

「その世にも珍しい吸血鬼がかまってちゃんなの夢が壊れちゃう」

でも、聞いといてこれだけってのも少し寂しいかも。折角なら色々聞いておこうかな。幸い敵対する気はないらしいし。

「じゃあさ、今したいことって何かあるの?」

レミンは、顎に手を当てて少し上に向きながら考える素振りをする。

「友達探し…とかでもしよっかな。ほら吸血鬼の友達とか私普通にいますし」

「え…レミンもしかしてそこら辺をふらふらと探し回るつもり?」

「吸血鬼とばらなければ大丈夫だって。しかもどっちみちこいつらの仲間もすぐ来ちゃうんだし」

レミンはジャッジの死体を眺めながらそう言う。

そうなのだ。ジャッジは意外と仲間意識が高く、仲間が帰ってこなければすぐに捜索を始める。直にここに辿り着くだろう。

というかまず吸血鬼の死体を見つけ出して処分するのが目的っぽいしここに向かうってのも事前に把握しているのだろう。

…だいぶ運悪いなうち。なんで巻き込まれちゃったかなぁ。いやいやいやいやでもすぐにでもここを離れれば…

離れればなんだろう。いつも通りの生活に戻るだけ?そんなの嫌だ。どうせ帰っても良いことも何もないんだから。ならさ、吸血鬼と友達になればいいのかな。危険なのは分かってるけどこうやって吸血鬼と関わりを持ってしまった以上うちが捕まって、尋問されて…みたいなことも簡単に想像できてしまう。

あはは…レミンの言った通り、おとなしく巻き込まれておくのが最適解の可能性が出てきちゃった。

「…と…ちょっとぉ?お~い聞いてる?」

しまった考え込んでしまった。

「ん?何?」

「話し聞いてなかったでしょ。ちゃんとチキンと聞いてよ」 

「誰がチキンだよ」

「で?どうする?」

「何が?」

「だから友達の吸血鬼を探しに行くのに着いてくるかどうか。まぁ着いてくることを推奨するけど」

うちは二つ返事で「うん」と返した。

この返答にレミンは、一瞬驚いたような表情をしたけどすぐに調子を戻した。

「そっかじゃあよろしく。え…っと」

どうしたんだろ。会話の流れ的にと詰まる要素何かあったようには思えないけど…

「名前なんだっけ」

…そういえばしてなかった。

「えっとうちは家竜黒水。16歳」

「今日って何曜日?」

「木曜日だけど」

「今何時?」

「3時くらいかな?」

「明日学校あるだろ…なんでここいるんだよ」

そこでそんなというか今更というか…まず吸血鬼の感性に学校行かなきゃなんて感性存在したんだ。こっちの方が驚きだわ。

「学校とか…行きたくないし」

「それな」

共感するのかよ。さっきまでまともそうなこと言ってたじゃん。

…まてよこいつ学校行ってたの!?まじ!?えっ、いつ行ってたの。いつの時代の!?

「なんか…何を考えているのかが顔に出てると言うか、顔のパーツが文になってるレベルに出過ぎているんだけどなにこれ。」

レミンがそう言い笑う。大爆笑だ。

「そういえばさレミン」

「ん?」

「下の名前何?レミンってどちらかと言うとほらファーストネームみたいなもんでしょ?」

流石にファーストネームでしか呼ばないというのもいささか良くないのではと今更ながら思いつく。

「あーね。んー…やっべ忘れたかも。」

ほとんど名前呼ばれるときレミンとしか言われなかったからなぁ…と昔を語る。

あれ…こいつももしかしたら不運?アンラッキーパーソンなのではないかと段々と思えてきた。

「なんか…適当に付けようか?」

レミンは少し葛藤した様子を見せたけどすぐに返事をした。

「まぁ折角だし新しくつけてもらっちゃおうかな。うん。お願い」

「わかった」

とは言ったものの人に名前をつけるなんて考えたことがない。しかも横文字のだし。この場合ってなんかしらから取ったほうがいいのかそれともマイケルとかそういうポピュラーのやつでいいのか。もしかしたら物の名前とかをそのままつけちゃってもいいのかもね。

「んー…レミン…吸血鬼…夜…ナイト?いや違うな…月…血…」

取り敢えず思い付いた単語を次々並べてみる。

「ムーン…ブラッド…ブラッディ…」

今度は英語にしてみたり。

「ヴァンパイア…ヴァンプ?」

お!これいいじゃんなんかしっくりくる。

レミン・ヴァンプ…それっぽくなってるしセンスあるってこれ。

うちはレミンのほうに向き直って伝える。

「じゃあ、レミン・ヴァンプ!どう?それなりにいいネーミングだと自負はしないけど違和感はなくない?」

「じゃっそれで」 

軽いっつーの…結構これでも頑張ったほうなんだけども。もしかして何でもよかったのか?

ねこもぐらとかつけても文句何も言わない可能性があったのでは!?ちょっとそれ嫌だな。

「自己紹介も終わったし名前もつけてもらったし…偽名にも使えるかな…まっ取り敢えずやろ!」

「何を?」

「ゲーム!」

そうしてレミンと私はゲームを一緒にやった。ゲームはレミンの物質生成能力で作ってもらえた。なんかもうすごい都合のいい能力だった。

ゲームには、バーティゲームとかツイスターゲームとか人生ゲームとか…それからうちが得意なカードゲームをやった。ちなみに勿論大きめのシートも作ってもらったから、血に濡れる心配なし!レミンもゲームは上手だったけど身体を動かさない、コントローラーを持ってやるゲームとカードゲームにおいてうちに勝てる者は存在しないと教え込んだ。ボロ勝ちしまくったのだ。というか…カードゲームは、トランプとかUNOだったからいいんだけど…レミンの作ったゲーム機すっごい古いやつだったんだけど…まぁナンバリングとして今も続いてるシリーズのゲームだったからいいけど。

こうして、そんなことしていい状況でもないのにも関わらずうちらは、遊んで、楽しんで、そして眠ってしまった。

不運にも巻き込まれてしまったはずのうちは、そのなかで楽しむのだった。レミンは、すごく良いやつで存在してるってだけで何かしらが身の回りに起こるということがすごく憐れに思えた。レミンの味方でいたい、うちの居場所が今更決まった気がした。もしかしたら運が悪かったのは今までで、これからはラッキーが訪れるのかもしれないとこのときは思ったのでした。








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