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1.プロローグ

新連載です、よろしくお願いします。

「迎えに来たよ。俺の、俺だけのお姫さま」



 月明かりが鉄格子付きの小さな窓から差し込む薄暗い部屋の中。

 レイアの目の前で膝をついてへらりと笑う黒髪の男は、この薄暗い部屋の中でもその碧い瞳に輝きを宿している。


 なにが、お姫様だ。

 お姫様はところどころ擦り切れているようなネグリジェを着ているわけないし、右の足首に鎖が繋がれているわけもないし、そもそも幼子ですら通り抜けられないような小さい窓にさえ鉄格子がついた冷たい石畳の部屋に閉じ込められているわけがない。


 それに加えて、手入れをしていないせいで艶を失った薄い銀髪はお世辞にもお姫さまのようには見えない。 


 そんなことわかりきっているのに、この男はいつものようにニコニコと笑っているのだ。


 なんでここにいるのか、とか。なんでレイアがここにいることがわかったのか、だとか。

 いろんな疑問が彼が扉を蹴破ったときはレイアの頭に浮かんできたのに、彼の言葉を聞いたらもうそんなことはどうでもよくなってきてしまう。


 ずっと黙り込んでいるレイアを見上げる彼が少し不安そうに眉尻を下げる。レイアは目の前の景色が滲むのを感じながら震える口をどうにかして開いた。



「馬っ鹿じゃないの」



 レイアの言葉に、彼はきょとんと目を見開いてからふわりと花が綻ぶように笑う。その笑顔が途方もなく美しくて仕方なくて、レイアは小さく息を呑んだ。

 馬鹿にされてるのに笑うなんて、ほんとうに彼は大馬鹿だ。


 そんな彼の隣にいたいと思ってしまうレイアも大概、大馬鹿だけれど。



「……それじゃ、レイア。ここから先、どうしたい?」



 片膝をついたまま紡がれた彼の静かな言葉に、レイアはゆっくりと瞼を閉じる。次に彼女が目を開いたとき、そこには凛とした紫色の瞳があった。



「私は____」


お読みいただき、ありがとうございました。

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