995.お約束
クモリエル関連は散紅さんたちにお任せし、夜パートへと移行した。
今日こそ七不思議攻略を、と息巻いてる俺は、UFOに帰ってくると居間へと向かう。
ハナコさんたちが集合してるはずなので邪魔が入らないうちに行くんだ!
俺たちは、大学七不思議攻略に、行くんだ!!
「あー、ヒロキ、落ち着いて聞いたって」
居間へとやってくると、ユウキさんが何とも言えない顔で待っていた。
「嫌だ。聞きたくない」
『ヒロキ、観念して。今日も無理っぽいから』
ハナコさんに諭され、俺はしぶしぶユウキさんの話を聞くことにした。
「ウチもまだ信じられへんのやけど。これ。なんか忍者っぽい猫が姉ちゃん抱えて連れ去っていってんよ。その行先と思しきものがこのチラシや」
チラシには、大きな文字で、強制ダイエット週間、来たれライザン道場! という文字がでかでかと……なんでだよ!?
強制!? 今日拉致する必要ある!?
「……よし分かった。ライザン道場を粉微塵にすればいいんだな?」
「ヒロキ落ち着きなさいって。確かライザン道場って勾玉なかったっけ?」
アカズさんの言葉ではっとする。
確かに、ライザン道場、どこにあるかと思ってたけど向こうから来やがった訳か。
あー、もう、今日も七不思議攻略行けないじゃないか。
なんでこう連続でイベント起こってんだよ。しかも決まってサユキさん関連じゃん。
サユキさんはなんか呪われてんのか? 除霊とかした方がいいかな?
呪いのゲームとか巻き込まれてるしまだ呪詛が着いてるのかもしれないな。
次の日にでも除霊を……あー、ダメか。次の朝はアトランティスだ。
また余裕がある時……夜、か。
そうか、また、潰れるのか、夜。
「それで、ライザン道場には誰が行くの?」
「そうだな。なんか猫忍者いるらしいし、彩良さんは確定かな。あとは……ダイエット道場らしいけど行きたいひ……おおぅ!?」
女性陣は一斉に手を挙げた。
なんというか、うん、ゲームだから体重増減は無理じゃね。とかは言わない方がいいんだろうな。
せっかくだし最近一緒してないメンバーを連れて行きたいな。
え、それならモナ・リザさん一択? あれ持ち運び出来ないだろ。
別のメンバー選出するよ。
えーっと、んじゃ妖精さんとか最近別行動多いよな。あとローリィさん、最近は神社回りしてるけど運動不足だろ。せっかくだから付いてこい。
芽里さんも行くの? じゃあナスさんも一緒に行きますか。メリーさんも引き連れて。
あと一人くらい……ナギさん行くか?
「あれ、ボクも? いいよ、暇潰しに運動しに行こうか」
んー。このメンツ大丈夫かな?
まぁ高レベルのナスさんがいるからヤバい状況にはならないか。
なんかあったらナスさんお願いします。
「わ、私に期待されても……困る」
視線を逸らしながら困られた。
メンバーが決まったのでUFOから出る。
今日の夜間メンバーは、っと。
「やっ。来たわよ」
「七不思議攻略行くのかヒロキ?」
「んー、ハナコさんいねぇし今回もキャンセルっぽいな」
タツキ君チームに加え、ヨシキ、ヒバリ、ユウの三人がいらっしゃった。
今回はヒツギチームやモヒカンズはいないらしい。
「そういやユウたちと行動って久々だな」
「天界行くとき一緒しようぜ、って言ったのに一切声かからんからな」
「なんかイベント目白押しでまだいけないんだよ。次のログイン時はアトランティスだし、その次は多分クモリエル攻略じゃねぇかな」
「そろそろドールイベント始まるんじゃね?」
「でも全然運営からの告知ねぇよな? そろそろ始まる、みたいな話だったのに音沙汰ねぇし」
「多分バグの発生とかで進んでねぇんじゃね?」
「あ、それはありそう」
「んでヒロキ、今日はどこ行くんだ? そのメンツだと七不思議攻略じゃねぇよな?」
「ああ。サユキさんが攫われたらしいんでライザン道場に行くことになった。一応ついでに勾玉も探そうと思ってる」
「最近サユキさん関連多いですね」
「だよなぁ、タツキ君。サユキさんなんかヤバい呪いでも受けてるんじゃないかと思うんだ。ちょっと次の夜くらいに除霊願いしようかと思ってる」
「あー、じゃあ次も潰れそうですね」
「除霊ってどこでやるの?」
「事前に寺片っ端から連絡、行けそうな場所全部回ろうかなって」
「弾丸寺巡りツアー!?」
ま、最悪神社でお祓いかな。稲荷さんとかダラさんにお願いしてみるか。
いや、むしろタヂさんに猫騙しして貰えば呪いも吹っ飛ぶんじゃね?
さすがにそれはないか。
「んじゃライザン道場行くけど、皆どうする?」
「当然、行きます!」
「ま、せっかく一緒に行くんだ。どこでもいいよ」
タツキ君チームもユウたちも乗り気らしいので、俺たちは全員揃ってライザン道場へと向かうのだった。チラシに場所書いてあるけど、これ山奥じゃね?




