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984/1103

980.やらかしたのは、誰?

 ドリームランドにやってきた。

 いやー、タツタさんいい人だったな。

 ああいうのでいいんだよ。

 イベントなんてほのぼのしてれば問題無し。


 突然人が死んだり、宇宙人出てきたり、デスゲーム始まったりする方がおかしいんだ。

 毎日何の事件も起こらないほのぼのとした時間が必要なんだよ俺には。

 ハナコさんとゆっくりデートしたりできればいいのさ。


 なぜデート行かないかわかるか? 俺が誰かと二人きり行動なんてしたら謎イベントが向こうからやってくるからだ。

 今まで巻き込まれたイベントを考えればほぼ確実だろう。

 デートなんて満足にできなくなるからストレスたまる。ゆえにデート自体をしないだけなんだ。

 いつかはしたいけどね。


―― 来たかヒロキ。今お前の頭に直接語り掛けている ――


 いきなり何のイベント!?


―― 土星の猫だ。お前の眠っている宿に変な一団が来ている。話を盗み聞きしたところ、お前を探しているようだ。無防備に下に降りると確実に出会うことになる。捕縛目的のようだからあまりお勧めはしないぞ ――


 ほら来た謎イベント! 

 ほのぼので良いんだよ! なんで面倒そうなイベントが向こうから来るんだよ。

 まとめてレーザーで打ち抜いてやろうか!

 さすがに指名手配されかねないからやめとくけどよ。


「土星の猫さんよ、他のメンバーには?」


―― すでに連絡済みだ ――


 ふーむ。この宿に泊まった他メンバーに連絡を、と思ったんだけど、全員同じ部屋で寝ていた。というか、全員同じベッドに寝ていた。なんでキマリスさんは俺に馬乗りになってるの?


「はっはっは、昨晩はお楽しみでしたねー」


 昨晩っていつの話? ドリームランドで寝たら体消えるし、元の場所だとお楽しみも何もないし。


「旦那様。駆逐してきましょうか?」


「まだ敵と決まった訳じゃないし。すでに金は払ってるから部屋の鍵ここに置いて窓から出ようか」


「逃げるほどでもないと思うのだ我輩」


「ティリティさんとコトリさんがいればそうなんだけど、下手に大立ち回りして相手が貴族とかだと面倒だからね。さすがに国滅ぼしたりはしたくないかなぁ」


「じゃあ脱出で」


 という訳で、俺たちは窓からささっと脱出させていただいた。

 一応、ドアのカギは空けて、店の人には一筆書いといたぜ。下に迷惑客いるっぽいので窓から帰りますってな。

 お金は事前に払ってあるからチェックアウトは鍵返すだけだしな。


「さて、きょうはどうすっかな。とりあえず皆と合流する地点まで向かうか」


「全員来るかなぁー」


「来なければ救出に向かえばいいでしょう。それこそ、私ならばこの国程度灰燼に帰するくらいわけありません」


「それ悪魔的思考回路ー。ボクのお株を奪わないでくれないかな?」


「貴女も、調子に乗って旦那様の上に座らないでください。次は縊りますよ」


「え、僕殺害宣言されてる!?」


 究極呪物からは逃げられない。

 終わったなキマリスさん。


「しかし、なんだったんだろな」


 俺を捕縛に来るとかどういう……


「いたぞ! 奴だ!」


「ええい、いつの間に外へ!?」


 あ、見つかった。


「どーする少年君?」


 ま、いっか。

 せっかくだからこのイベント起こしてみるか。

 クソだったら潰せばいいだけだし。

 

 ゆっくり歩いていると、すぐに俺の周辺を兵士たちが囲んでくる。

 うーん。殺気がでてるなぁ。

 敵と認定していいんだろうか?


 あえてコトリさんたちといちゃついてる姿を見せつけるように、両手でコトリさんとティリティさんの肩を抱きよせる。空気を読んだキマリスさんが俺を抱き上げてくるのがなんとも締まらない気がするが、彼女のおかげで二人の肩を寄せれているので、まぁ許容範囲だ。


「く、なんだこのクソガキ、モテアピールだとぉ」


 代表者と思しきおっさんが、すでに切れ散らかしている。

 おかげで向こうはいろいろやらかすだろうから、俺たちはそれに対処すればいいだけである。


「貴様! さっさと来い!」


「いきなり命令口調で来いとか言われても、あんた誰よ? そこの兵士さん、この禿げ散らかした、おっと失敬。言い間違えた。切れ散らかしたおっさんって誰?」


「き、貴様ぁ、無礼だぞ!!」


 ああ、兵士さんたちが笑い出した。

 必死に隠してるけど笑い声が漏れている。

 それがまたおっさんの癪に障ったようで地団太踏みだすおっさん。多分騎士団長とかそんな奴だろうけど、これがリーダーとか警備兵さん可哀想だね。


「ええい、さっさと連行しろ!」


「は? 警備長、丁重にお連れするよう言われたはずでは……」


「奴らの態度を見ただろう、逃げようとしたので捕縛した。さっさと連れていけ!」


 隊長さんに言われ、申し訳なさそうに俺たちに向かってきた兵士たち。

 コトリさんが呪います? とか言ってくるけど、まぁ大人しく連行されようぜ。

 ざまぁになるかあぼーんするかは向こうの出方次第かなぁ。


 あ、兵士さん俺らついてくんで下手に女性陣に触らない方がいいですよ。

 まぁどうなってもいいなら自己責任で。

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― 新着の感想 ―
連行する兵士?と呼び出した「誰か?」の毛根を死滅させては? 理由:イチャイチャを邪魔されたから
連行された先に居るであろうお偉いさんにこいつの態度をチクろう
気を付けて兵士さん! 国が滅びる瀬戸際だから
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