943.たまにある科学の意味不明発明品
戦闘訓練室でアイネさんが戦闘人形相手に戦っている。
あの槍ひでぇな。
なんで攻撃のたびにロケットブースター点火すんの?
音速越えて攻撃とか壁にぶち当たってアイネさん死にかけたじゃん。
回復アイテム間に合わなかったら死者二人目だぜ。
なんで研究所に来ただけで人が死ぬんだよ。
最終的にアイネさんがパワードスーツ着ることであの槍使っても問題ないようになったけど。
タイツ姿で槍を振り回すのはちょっとどうかと思います。
アイネさんは気にしてないみたいだけど。
「アイネさんもここで遊んでるみたいだし、エルエさんのとこに行くかぁ」
「む、もう行くのか? まだ紹介したいモノがあるんじゃ。そっち見てからいかんか?」
あ、これ誰かに紹介したくてたまらない奴だ。
面倒くさいがなんかよさそうな物があったら貰ってくのは良いかもしれんな。
と、いうわけで、アインシュタイゼン博士と俺は新しい発明品とやらの元へ向かう。
ここは、倉庫か? え、違う?
「ここは儂が発案した発明品の試作機を置いてあるんじゃ。儂としては会心の出来だと思うんじゃが、様々な理由でお蔵入りしとる。たまにその機構の一部が使えたりするから解体せずに展示しとるんじゃ」
あ、これガラクタしかない予感。
「まずはこれじゃ! アダマンタートルの盾!」
亀の甲羅の盾だね。
アダマンタートルとかいう無駄に硬い亀の甲羅を使った盾らしい。
ただしその重さのせいで扱える盾使いがいないのだとか。
英雄さん復活させたら持てないか聞いてみようかな。
あとは盾職のプレイヤーに使えるもんなら使えと紹介してみるのもアリだ。
あとでメンバーに紹介動画撮らせよう。
「お次はこれじゃ! 自動味噌汁吸引機!」
吸引機っていうか、人間の口に無理矢理味噌汁流し込む装置!? 死ぬわ!
逃げ場がないとか気道に入るだろ、そこ考えろよマッドサイエンティスト!
「さらに、蛇型自動貫通ムチ!」
振るうと蛇のような軌道を描いて相手の体に突撃。貫通すると心臓目掛けて体内を這い進むAI機能付き。怖いわ!?
カルカさんが欲しがりそうだけどなんかいろんな意味で怖いので却下で。
「超高速自動餅つき」
いや、自動餅つき機でいいじゃん。なんで杵と臼一体化したうえに水入れる役だけ人間にさせるんだよ!? 手を打たれるの確定じゃん。あと餅つき機なら他の蒸し器やら何やらもいらないのにこっちは用意しないとダメとか、無駄過ぎる!
「自動野菜刻み装置」
「ただのピタゴ○スイッチじゃねーか!」
「全自動ガトリング弓」
他の使った方が早いし楽だろ。
なんでいちいち全部の弓に矢をセットしないといけないんだよ、連弩とかにしろよ。
「味変化スプーン」
バニラアイス掬うとチョコミント味になるらしい。凄いのか凄くないのか訳が分からん。
「超加速入れ歯」
ほんともう意味が分かりません。
まず入れ歯使わんから。
「な、ならばこれじゃ! くしゃみ寸止め装置!」
いらんわ! むしろくしゃみさせろよ。アレ寸止めになると凄い違和感あるんだよっ!
「自動ツッコミ装置」
ロボットアームにハリセン付けただけじゃん。
っていうかほとんどの発明品がしょぼい。
アインシュタイゼン博士って天才博士っぽいけどしょーもない発明品も多いんだな。
ま、失敗を繰り返す中でそれらを組み合わせた何かが成功のカギになるんだろうから、全部無駄って訳じゃないだろうけども。
使えそうなのは二つぐらいだったな。そのうち一つは封印案件だけど。
しっかし、ガラクタばっかよく思いつくな。というか思いついた先から作ってったからこうなったのか。
「そろそろエルエさんとこ行くかな?」
「むぅ。あと三つあるんじゃが」
「はいはい。んじゃさっさとその三つ見せてくれ」
「見てくれるんか!」
まぁ乗り掛かった舟だしな。いろいろ世話にはなってるから趣味見せてくるくらいは付き合うよ。
このくらいで満足するなら十分すぎるし。
「これが秘蔵の発明品、勝手に見守り君1号じゃ!」
登録した相手を勝手に見守って危険があった時に身代わりしてくれるらしい。
さらに危険状態を登録した電話機などに送ってくれるため、援軍を呼ぶこともできるのだとか。
うん。これは使えるんじゃね?
「うむ。使えることは使えるんじゃが西園寺君がストーカーに渡ったら大変でしょう! と発売許可されんかったんじゃ」
あー、確かに、俺もハナコさんに付けとけばもしもの時いつでも助けに行けるとは思ったけど他の奴がこれ使ってたらと思うと恐怖しかねぇもん。
いつでもどこでもハナコさんを守れるわけじゃないからな。ハナコさんも一人きりになりたいときあるだろうし、そんな時にこれ使ったストーカーに襲い掛かられたら。うん、これは日の目を見てはならない物品だ。
「んでの、次に発明したんがこれ、自動警備ロボ、ダイルンバー君ガードマンじゃ」
だ、ダイルンバー君に手足生えとる!?




