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913.ダイラス・リーン殺人事件2

「さて、んじゃ俺らが次の街に行くには殺人事件を解決して船が出航可能な状態にならないとダメなのか」


「そうなるな。これだけメンツが揃っているんだ、あとは情報があればなんとかなるだろ」


 と、町中で立ち話をしていると、騒ぎを聞いたらしいダイラス・リーンの眼がやってきた。


「おい、貴様等、大人数で集まっていると聞いたぞ。どんな怪しい話をして……またお前らか!」


「お、部隊長のおっちゃんじゃん、丁度いいや。事件どうなってんの?」


「ああん? 何の話だ? お、おい、こら、気安く触れるな!?」


 俺だって油ギッシュなおっさんの背中とか触れたくねぇよ。

 鎧着てくれるから背中押せるだけだからな。

 おっさんを俺たちの輪の中心地へと押し上げた俺は。早速皆で囲んで質問攻め。


「な。なんなのだ貴様らは!?」


「要するに。俺たちはバハルナに行きたい。でも船が出ない。船を出すにはダイラス・リーンで起こってる事件を解決せにゃならん、おーけー?」


 おお、未知なるモノさんが凄むと頭の上の眼も凄んでる! あの眼、意外とチャーミングだな。

 ずーっと見てるとなんかこう、これはこれで未知なるモノさんっぽいと思えなくもなくなってきた。


「あの眼、採取しちゃダメかしら? 多分呪物だと思うんだけど」


「そうなの?」


「寄生されたわけではないと言うことですし呪物系の可能性が高いでしょう。とはいえ、見た限りでは本人に呪詛を送るような存在ではない様子。むしろ未知なるモノさんを守ってる?」


 まさかの味方側だったか。

 それなら切除せず放置するのが正解っぽいな。


「な、なるほど、つまり貴様等は我々が調べている殺人事件について解決を手伝いたい、と」


「そのために情報がいる。何しろ殺人があっただけしか教わってないからな」


「むぅ……しかしだな、部外者を入れる訳には……」


「でも頭打ちなんだろ? ダイラス・リーンから出るなと言われてる以上犯人は未だ捕まってないし捕まえられるだけの証拠もない」


「う、む……」


「見てくれよおっちゃん。ここに居るメンツをよ。タダの人間じゃねぇよ、ほら、クトゥグアさんいるし、こっちにはティンダロスの王、ショゴスロードもいるし、各種猫も取り揃えております」


「いや、それ意味なくね?」


「確かに、猫たちの情報網は少し気になる。土星の猫が協力してくれるならダイラス・リーンに残っているレンの男たちも口を割るだろう。有益な情報が出るかもしれない、か」


 しかし、部外者をーと悩むおっちゃん。

 ほら、おっちゃん。チップをあげよう。


「ぬぅぅ……まったくヒロキ、貴様は仕方ない奴だな。我がダイラス・リーンの眼本部に連れていく。そこで詳細を話すか決める。さすがに私の一存では決めきれんからな。ただ、上司に口添えくらいはしてやろう」


「さすが部隊長! 頼りになります!」


「む、そ、そうか?」


 ふっ、ちょろい。


 部隊長のおっさんに案内され、俺たちはダイラス・リーンの眼、本部へとやってくる。

 ここで待て、と大人数が屯える部屋に案内され、おっさんが去っていく。

 さて、とりあえずイベント進めてみたけど、未知なるモノさん、犯人見つかるかな?


「正直わからん。その犯人が人である可能性以外も考えないといかんのだろ?」


「じゃあ何ある? 未知なるモノさんみたいなわけわかんないのが犯人あるか?」


「俺みたいな、は余計だ」


「まずは殺害状況と殺害方法だな。そういや犯人推理系って前にもあったな」


「あー、あれか。スデニシンデターの話だな。聞いてるぞ」


「そう、アレは異世界でのことで、犯人は誰だったっけ? なんか全員死んだ気がするんだが」


「今更の話じゃね? そういうのどうでもいいからそろそろイベント進んでくれねぇかな? 待つの疲れるんだ」


 今日、俺が来るまでも待ちぼうけだったらしいもんな。なんかすんません。

 

「失礼、待たせたな」


 お、誰か来たらしい。

 ノックから数秒、入ってきた厳ついおっさんがやってきた。

 どうやらこの人が上司さんらしい。


「ダイラス・リーンの眼代表だ。名を名乗る程君たちを信用してるわけではないので省略させて貰う、問題は?」


「ないな。とりあえず代表さんと呼べばいいか?」


「うむ。それでいい。早速、君たちが今ダイラス・リーンで起こっている要人連続殺害事件の捜索を手伝いたいと聞いたが?」


「俺たちとしては早めにバハルナに行きたいんだ。ここで足止めされるのも一日二日ならいいが、ここしばらくずっとだろ? このままだと何日待つことになるかわからんから独自捜査権だけでも欲しいところだな。あとこちらで把握している情報も欲しい」


「ふん。欲しい欲しいで搾取するばかりか?」


「こちらとしては人以外の多角的な考察のため、ここに居るメンバーをフル活用する用意がある」


「ほぅ? 人外な。どういった人材がいる? 一応聞かせて貰おうか」


「夢見人、ニャルラトホテプ、クトゥグア、マイノグーラ、ティンダロス、ショゴス、黄衣の従者、夢の守護者、呪人、あと猫三匹の情報網?」


「未知なるモノさん、天王星と土星と地球の猫な」


「だ、そうだ」


「……予想以上にバラエティーに富んでんな」


 ですよねー。若干引いてるよオッサン。

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