859.新たな学校へ
これで、どうだぁー!!
「ジュルル!?」
俺はUFOに帰りつくとシマエナガライジングにゲーミングカラークワガタを差し出した。
当然の如く、まさか本当に持ってくるとは思ってなかったシマエナガが驚く。
―― 条件達成したのでゲーミングカラークワガタをテイムした! あ、間違えた。シマエナガライジングをテイムしたー ――
一瞬変なのテイムしちゃったと焦ったじゃねぇか。
あと最後の方棒読みするんじゃないよAI。
シマエナガさん、略してシマさんを鳥かごから出す。
ようやく自由の身か、と部屋の中を飛び交いまわるシマさん。
おっふ、突撃された!? 意外とダメージ来たな。
よし、せっかくだし次の七不思議巡り同行する?
行こうぜ高校七不思議!
一旦ログアウトしてもろもろのことを済ませてからになるけどな。
久しぶりに映像造るかー。時間はそこまでないし、食事をしたらログアウトし直すかな。
稲荷さんのもふられ映像やら新しいメンバーの映像を編集して運営さんに丸投げしておく。
なんか俺のチューブがバズり過ぎてるので運営側で管理させてくれませんか、とか言われてたのでお願いしたのだ。
放っておいてもお金は入ってくるし、その分の所得税が増えるしで年末調整面倒だったけどその辺りをほのぼのオンラインの運営さんがやってくれるってなら、もう丸投げするしかないでしょう。
チューブ視聴などで余分に金取られるらしいけどまぁそれより入ってくる金額の方が凄いみたいだしな。運営に丸投げしとけば後はゲームしてるだけで勝手にアップされてお金がちゃりんちゃりんと増えていくわけだ。
まさに楽して儲ける錬金術である。
年末調整しくって罰金請求されると面倒らしいからな。
俺だけだとやり方からわからんからいろいろ調べないと、と思ってただけに渡りに船だった。
さて、現実世界でのやることは終わったのでログイン。
ちょうどいい時間だな。
夜中になりかけたくらいなので皆に連絡入れて集まって貰う。
本日の場所は高校だ。
行く人ー。えーっと、シマさんとヤミコさんか、あとブキミちゃんに一緒に行こうと何度も言われてしぶしぶマイノグーラさんが付いてきた。
これにハナコさん、アカズさん、テケテケさんが来る。ありゃ、ギーァも付いてくるの?
結構多くなったな。まぁいいけど。
メンバーが決まったので外へ出る。
すでに待ってた学校侵入メンバーがそこにいた。
えーっと今回はいつもの如くタツキチーム。
それからヒツギたちの三人と……
「なのなの」
なのさんが待っていた。
今日は夜間ステージも時間があったらしい。
りんりんやレイレイはいないけどせっかくだから付いてくるそうだ。
問題的なモノはないので一緒に行くことになった。
それにしても、なぜなのさんは俺の腕に絡みついてくるんだろう?
実は俺のことマジで好きだったりするのか?
いや、マジで好きなのは俺の持ってる金だな。気を付けよう。悪女に身を滅ぼされるかもしれないから手を出したら終わり。手を出したら終わりだ。
「じゃあ、向かいましょうか」
俺たちは早速選択肢を選んでの移動で高校へと向かう。
普通に歩いて行ってもいいんだけど、下手に電車とか乗ると普通に変な駅に辿り着いたりで今日の目的が達成できなくなるだろうからな。ああいうのは暇があり過ぎる時に巻き込まれるのが一番精神的に楽だ。
「ここが高校ですね。ここの七不思議はなんでしたっけ?」
「えーっと、真夜中の授業だろ。幽霊運動会と、誰も座らない机と椅子。それから踊り場の鏡を指定時間に通ると上履き残して失踪。校庭を徘徊する亡霊と首吊る女学生だろ。最後に剣道場の首切り侍」
「おー、何気に剣道場設置されてるのここが初じゃないか?」
「普通の学校なら結構存在してるはずだけどな」
「ところで幽霊運動会と校庭を徘徊する幽霊は違うの?」
「感じからして運動会は体育館じゃないか?」
「そっか、校庭は徘徊霊が占拠してるもんな」
んじゃまぁ行くか。
それにしても、この中でアカズさんやテケテケさんはともかく、人面犬用のイベントってどれになるんだ?
校庭徘徊する霊かな?
「じゃ、いつも通り上から調べてく?」
「そうだな。校庭徘徊霊が目の前に居るの見えてるけど、あえて放置して真夜中の授業から見ていくか。でも皆、捕まったら仲間に入れられるらしいから気を付けろよ?」
「捕まるっていうのが触れられるだけなのか実際に捕まえられるのかが不安だな。触れられただけで捕まるんだったら被害がデカいぞ」
「んー、ルルルルーアさん連れてきた方がよかったかな?」
彼女ならそういうのまとめて浄化してくれそうだし。
まぁ味方も殺しかねないんだけど。




