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839.ご近所さんにお願い2

宮城弁にするか迷ったけど諦めましたorz

 千本鳥居を抜けると、そこは石畳の続く神社だった。

 うん、普通に山の上にある神社だ。

 特徴的なモノはあまりないかな。神社って感じの神社である。

 おそらく現実の神社と違って運営がそれっぽい神社として考えた神社なんだろう。


 通常神社の通路横には使い魔みたいな感じで狛犬とかシーサーとかいるんだけど、ここは一葉稲荷ということもあり、狐の像が左右にいる。

 白兎じゃないのか。

 というか、神社の前に居るのは、狐?


 ぬいぐるみみたいな二頭身の狐が巫女服着て待っていた。

 なんとも愛嬌のある姿でお出迎えされてしまった。

 稲荷寿司上げた方がいいかな?


「こんちゃー」


「あ、こんにちわ。えーっとここの神社の巫女さんか何かかな?」


「はいな。神社を管理してます稲荷の使いです。本日は何用ですか? 御寄附ですか? お祈りですか? 稲荷揚げなら喜んでいただきますコン」 


「いやま、とりあえずお参りなんだけどね」


 とりあえず今回の稲荷に関しては稲荷さんの白兎神社参拝が関係するんじゃないかなって思ってます。

 ダメでもローリィさんは参拝すればスキル覚えるっぽいんで参拝すること自体は無駄じゃない。

 ソレに。


「確か稲荷神社と白兎神社でスタンプラリーしてるんでしたっけ?」


「あー、アレですか、こちらになりますー。稲荷スタンプラリーの用紙は300円、白兎スタンプラリーは600円になりますコン」


 金取んのかよ。

 まぁいいや、これで全員分かな?


「毎度アリですコン」


 なんかこの狐、守銭奴感が強いんだよな。

 このまま会話してたらまた変なもん買わされそうだしささっと参って帰るとしよう。

 どうも白兎さんは見当たらないみたいだし。


 お賽銭箱にお賽銭を放り込んでっと。

 五円じゃありきたりだな。んじゃ四十五円で。


「なんで四十五円なんですコン?」


「始終御縁がありますようにってな。お参りする時はいつもこの五枚を投げ入れてるんだ」


 ただの俺のこだわりさ。

 

「私は五円で十分よ。一回あれば十分だわ」


 芽里さん欲がないねぇ。

 五円を受け取り投げ入れる。

 テイムキャラはお金持たせてないからね。俺が渡さないといけないんだ。

 鈴を鳴らして二礼二拍手一礼。

 そのまま両手を合わせて目を閉じる。


「私の願いは、もう十分叶っているもの」


 そんなことを呟く芽里さんの横顔は、本当に無欲な聖女じみていらっしゃる。

 眩しすぎて我欲塗れの俺にはまともに見られねぇや。

 本人としては死ぬはずだった自分が生き残ってこうして皆と楽しく過ごせているだけで幸せなんだってさ。畜生、本当に無欲すぎて困る。あとでなんかプレゼント買っておこう。


 形に残るモノとかは遠慮するだろうし、皆分も入れてのお菓子か何かでいいかな。

 ちょっとお高めのケーキとかいいかもしれない。

 

「私神様とか願ったことないのだけど、いいのかしら?」


「ローリィさんだってお参り位はいいでしょ」 


「でも、私神に弓引く魔王四天王に協力してたんだけど」


「ティリティさんだって普通にお参りしてるぞ。ニャルさんなんか自分が神だけどお参りしてるし。なぁ稲荷さん」


「ふぉっふぉっふぉ。他社の神社に参るのもオツなものじゃて。ほれツチノコさんたち、体を持ち上げてやろうかの」


 狐少女に持ち上げられる蛇二匹。

 器用に五円を口から放り投げて賽銭箱に投入していた。

 おお、締め付けるようにして鈴もならせるのか!


「おお、おっさんも普通にお参りするのか」


 ミツヅリが(V)o¥o(V)さんがお参りしているの見て驚いてる。

 でも日本人なら普通にお参り位やるだろ。

 そもそも猟師である以上神様への祈りとかは欠かせないんじゃないか? 確か狩猟大明神だかなんだったかっていう猟師の神様みたいなのがいたはずだし。


「まぁ、神頼みというよりは日々の感謝を告げるくらいだが」


 少し恥ずかしそうに答える(V)o¥o(V)さん。

 ミツヅリはそれを無視している。というかちょうどお祈りタイム中だったので見てなかった。

 (V)o¥o(V)さんが凄く何とも言えない顔してる。


「祈りは終わったですコン? ではではこちら御朱印1000円、破魔矢一本500円、お守りもありますし熊手もありますコン」


 やっぱ商売する気満々じゃねぇか。

 とりあえず御朱印一つ。

 スタンプラリー用の御朱印らしいけど無駄に高い。

 足元見やがって。


「あ、ちなみに白兎スタンプは神社の裏手にございますコン」


 裏手に回れと!?

 えー、面倒くさい。

 まぁいいか少し多めに歩くだけみたいだし。


 言われた場所に向かってみると、スタンプ台の上に一つだけ置かれた白兎スタンプ。

 なんか、諸行無常の響きがあるなぁ。

 白兎さん、会うことがなかったのが唯一の心残りだな。いつかは会えることを信じておこう。

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― 新着の感想 ―
まあ、守銭奴の方がまだ信用おけるよね 欲深過ぎるとアレな気もするけど 後はよく狐に油揚げとは言うけど「感謝の気持ちを込めて油揚げをお供えするようになった」であって好物ではなかったはず
ウサギにはいつ会えるか… 巫女「実は修行中なのですよ…ゴールで会えます」 ヒロキ「どんな修行なんだ?」 巫女「手刀で首を刎ねる修行をば…」 ヒロキ「そっちのウサギかよ!」
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