838.ご近所さんにお願い1
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本日はご近所さんに聞いて回ることで十種神宝を探すことにした。
ついでにその辺りでイベントのあるメンバーを選出する。
まず芽里さん。ローリィさんとツチノコさん1号2号、稲荷さん、シェリーコートさんの六名。
(V)o¥o(V)さんと勇者ブレイド、ミツヅリ君がプレイヤー組である。
「なんだかヒロキと一緒に出掛けるのって久々な気がするわ」
そういえばメリーさんやニャルさんとは出かけたけど芽里さんとはなかなか出かけられてなかったな。
まぁ今回はご近所回りだし、ゆっくり散歩感覚で回ろうぜ。
ついでにシェリーさんの泉とやらを探すのもやってしまおうと思う。
まずは一番近場にある神社へ向かうために山登りだ。
稲荷さんは何を勘違いしたのか、虫取り網持参で袈裟懸けに虫かごを装備している。
完全に夏休みの少年といったいで立ちだ。狐耳少女だけど。
「ん? 神社に行くのじゃろ! つまり森林がある! 虫がいる! ならば虫相撲用の虫捕まえるしかあるまい!」
気合入っているようなのでそのままの君で居てください。
「シャー」
えーっと、ツチノコさん1号がズメイの幼体で2号が土瓶神になってるんだっけ?
二匹のスキルアップは廃神社と蛇神の参拝。
今から行く神社は白兎系の神社なので蛇神は祀っていないけど、何かしら進展があればと思ってる。
蛇神に関してはまだ不明だからなぁ、どこに祀られてるかもわからんし。
とりあえず廃神社は場所わかってるからあとで行く予定だ。
ローリィさんは神社の参拝、芽里さんはファラオ会見、稲荷さんが白兎神社参拝、廃神社参拝、本人参戦と神社関連とファラオさん行く予定だったのでこのメンツになったのである。
ネネコさんもタヂさんの神社行きがあるんだけど、向こうは今回行かない予定なのでまた次の機会ということで。
そういえばナスさんも廃神社になんか関係あったな。
ナスさんに電話してっと。えぇ、今回英雄伝承関係ないだろうからパス!? ま、いっか。
つまりまた廃神社行かないといけないってことだな。英雄伝承調べておかないとな。
できれば纏められるモノは纏めてしまいたかったけど、ナスさんだったら召喚も出来るし、英雄伝承関連で廃神社イベント起きるようなら強制参加させよう。
「UFOの近くにも山あったんだな」
「つかお前ら滅多にここ来ないだろ」
ブレイド君は何度か来てるけどミツヅリと(V)o¥o(V)は初めてのはずだ。
これで山の上の神社のこと知ってたら驚きだぜ。
「お。結構石畳で歩きやすい。参拝用の山か?」
「ここは現実世界での一葉稲荷神社を祀ってるところらしいぞ。なんでピンポイントでそこかってのは謎だけど、多分運営の誰かが気に入ってるんだろうな」
「なるほど、それで千本鳥居が目の前にあるのか」
「ちょっと待て、現実のと場所違うくないか?」
「そりゃゲームだもんよ。なんかこうゲームっぽい感じに変えられてるぜ。現にほら、山の上に続く階段からもう千本鳥居」
「ありえねぇ!?」
「浮遊霊がいるな」
おお、(V)o¥o(V)さんがようやくしゃべった。今まで一言もしゃべってなかったからもしかして喋れなくなったのかと思ってたぜ。
「ふむ。皆ここに一葉稲荷がある意味を分かってないようじゃの。別のイベントで白兎関連のイベントがあるのじゃ。そこの隠し要素の為に運営が用意したらしいぞ。ここにも白兎が関わる出来事があるってことで白兎探しの最後の一つになる予定なのじゃ」
それ、言っちゃダメな奴じゃない稲荷さん。
あ、落雷。
どうやら運営から言うなっていうペナルティとして落雷が稲荷さんを襲ったようだ。
「みぎゃぁ!?」
おお、昔のマンガみたいに骸骨見えたぞ!
「とりあえず、今聞いたことは掲示板には出さない方がよさそうだな」
「俺も聞かなかったことにするよ」
「ウチの稲荷さんがすいません」
―― ちなみに、一葉稲荷を津波が襲う時があったらしくてね。現れた白兎が波を蹴って鎮めたという伝承が残ってるのだよ。白兎に関係ある神社探しのスタンプラリーで関係してくるけど、あんたたちまだイベント発動させてないから、これからは気を付けるように ――
うす!
運営AIから念押しが来たので俺たちは虚空に向かって頷く。
つかスタンプラリーできるほど白兎系神社ってあるのか?
「ちなみにウチの神社でも狐系神社巡りのスタンプラリーやっとるぞ」
「稲荷さん、それ最初に出会った時言ってくれない?」
「あ、あの時は実装されとらんかったイベントなのじゃ!」
苦しい言い訳だな。しかしそうか、すでに行った場所でも新しいイベント埋め込まれてる可能性はあるのか。
面倒だけど峠とかにも顔出した方がいいかもしれないな。




