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82.強行突破

「よし、そういうことならさ、君の目的地までまずは行こう。その荷物を届けるのが優先なんだろ?」


「え、はい、でも……さっきの怪人たちが邪魔をして来ると思うので……」


「俺達に、任せてくれ」


 あの狭い路地で戦うとなるとテケテケさんは不利だ。

 となると、必然的に俺が前に行くしか無くなるだろう。


「後ろから道案内を頼むよ。テケテケさんは霊体化して付いて来て。可能そうなら援護お願い。稲荷さんはフォロー、ツチノコさんは少女とスレイさんの警護お願い。ディーネさんも警護よろしく」


「いいのか? 我も戦えるぞ?」


「今回は道が狭い。レーザー銃と蹴り技持ちの俺が多分一番有利だ」


 正直今まで戦闘の主役は皆に任せてたからなぁ。いざ自分が矢面に立つって思うとちょっと緊張する。

 でも、レベル的には俺の方が強いはずだ。つまり、簡単にやられることは無いはず。

 怪人が出ればまだわからないけど、とにかく突破するだけなら恐らく出来る筈だ。


「よし、行こう!」


 武器を携え再び路地裏へ。

 しばらく進むと、やはりボー、ボーと意味不明な声が聞こえてくる。

 黒タイツの戦闘員たちが不気味に光る。うわ、蛍光塗料が眼出し帽の目元と口周りに編み込まれてるみたいでぼやっと光る。気持悪っ!?


 っていうか、これはこれでちょっとありだな。驚かすのに使えそう。回収できないだろうか?

 戦闘員は消えちゃうからアイテム残らないんだよなぁ。

 目出し帽だし奪ったら貰えないかな? 試してみるか。


 レーザー銃で先制攻撃。

 手前に居た戦闘員を打ち抜くだけのつもりだったのだが、一本道に屯っていたので纏めて数体ぶっ倒す。

 あ、これレーザー銃だけで片付くヤツだ。

 体を貫かれて倒れそうになっていた一番前の戦闘員の頭をむんずと掴み、目出し帽を引っ張る。

 あ、取れた。


 ネアンデール戦闘員、外人さんじゃん。

 揉み上げの長い金髪の外人さんの顔が露わになった。

 うっわ、サラサラ消えてった。気持悪っ。


 綺麗な外人の戦闘員さん居ないかな? テイムとか出来ないだろうか?

 スレイさん確か洗脳スキル持ってたよな。よし、まずは鑑定しまくって……

 あ、だめだこいつ等全員男だわ。

 レーザー発射ァ!!


「何故かしら? ヒロちゃんから不埒な考えが透けて見える気がするわ」


「同感だな我もだ」


 っていうかテケテケさんはなんで後方で実体化してんのかな!? 手伝う気ゼロだよな。


「おらおら、有象無象が寄ってきてもダメージ一つ負ってねぇぞー」


「そりゃあそうじゃろ。レーザー銃で遠距離攻撃しておるし」


「相手逃げ場がないモノねぇ。さすが極悪非道ね。おねーさんゾクゾクしちゃう」


 纏めて倒せるし数が結構居るので経験値が一気に溜まりそうだなこれ。

 でも、そろそろ終わるか怪人出てこないだろうか?


「ええい、何をしている貴様等っ」


 あ、来た。

 なんだなんだ? 何の怪人……


「小娘! その武器をこちらに寄越せ! 我等ネアンデールが有効に使ってやろう!」


 ……えーっと、何処から喋ってんの?

 俺から見える位置には戦闘員しか見えないから奥に居るのはわかるけど、戦闘員達に紛れて全く見えない。


「あ、あの、お姿見えないんですけど?」


 少女もあきれ顔だ。

 怪人さんもなんとなく理解したらしく、戦闘員達に邪魔だどけ、と叫ぶ。

 しかし一本道にギュウギュウ詰めになってるせいで戦闘員を掻きわけてこちらに来る事が出来ないらしい。


「あ、嘘だろ。おい、誰か、誰か助けろっ」


 ……詰まったな。

 俺は静かにレーザー銃を構える。

 連射♪


「ぎゃああああああああああああっ!? お、おのれ、おのれぇぇぇネアンデール、ばんざーいぃっ」


 ちゅどーん、っと怪人さんが爆発し、周囲に居た戦闘員が空高く飛んで行くのが見えた。

 よし、あとは残敵討伐。倒したら道が空くので楽な闘いになりそうだ。

 逃げだしたいけど後がいるせいで詰まって逃げられない戦闘員たちをレーザー銃で狩っていく。

 ぬはははは、入れ食いじゃぁぁっ。


「ヒロちゃん、たまにマジ外道少年よね」


「むしろアレが素ではないか? いつもが羊の薄い皮を被っとるだけで」


「あの武器、すごいなぁ。一個貰えないかなぁ」


「逃げる敵にも身動き出来ない敵にも容赦ないダーリン、素敵」


 若干一名危ない思考のがいるけど、放置だ。

 よし、路地裏抜けた。


「ふはっ。皆さんありがとうございます」


「まだ達成した訳じゃないだろ。ほら、目的地に行こうぜ」


「あ、そうですね。こっちです」


 少し広い大通りに出たのでテケテケさんが再び斥候に向い。鍛冶屋の娘さんともども目的の場所へと向うのだった。

 なんか、森の中に入り始めたんだけど?

 ホントにこっちであってんの?

 目の前に西洋風の洋館出て来たんだけど? 蔦が這いまくってて不気味なんですが?


「すいませーん、ドワーフ鍛冶屋『へファイ』よりデュラハン様にお届けモノです」


 ドワーフ鍛冶屋!? この娘ドワーフだったのかよ!? 妙に小さいのに力持ちだと思ったよ!?

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