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821.男子高校七不思議6

「次は校庭を徘徊する兵士だっけ」


 つまり校庭に戻れと言うことか。

 何気に学校巡りの最中校庭に戻らされたのは……二度目だな。

 旧校舎は桜の木見に行ったわそういえば。

 

 校舎をでて校庭へとやって来た俺たちは、百葉箱の近くで身を隠しながら校庭を調べる。

 誰もいないはずの校庭だが、なんかぼやぁっと青白い奴がいるな。


「んー。あれ、か?」


 旧日本兵って姿のおっさんが一人、校庭を闊歩している。

 移動の動きからして哨戒任務中といったところだろうか?

 えーっと、どうする? ぶっ倒すのはこのメンツなら一瞬だろうけど。


「確か次の七不思議は兵士に連れていかれた先の捕虜尋問地下室、だったよね」


「んじゃ、あれね、誰かが捕縛されて、皆で後を追跡。地下室見つけ次第兵士を撃破して同時攻略」


「それはいいけど、誰が捕縛されんの?」


 キョウカさんが当然の如く告げるけど、まず捕縛された奴は兵士に囚われる訳だ。

 普通に連れていかれるだけならいいけど何かしらシステム強制受けたら逃れられなくなって強制移動するかもだし、最悪転移して俺らは見失うって可能性もある。

 つまり、死亡する可能性の高い囮だ。


「NPCたちにやらせるのは論外だ。やるならプレイヤー側」


「ちょっとタツキ、女の子に捕縛されろとか言わないでしょうね?」


「あ、当たり前だろ。キョウカはともかくヒナギにはやらせられない。ダイスケ」


「おう、どうす、え? あれ? なぁ、なんで皆俺に視線向けてんの」


「こういう時は脳筋で地力脱出可能そうな君の出番だ」


「アパポテトでもいいだろ!? 絶対ヒロキさんはやらんだろうし、タツキが死ぬのは不味いとして、俺以外にもやられ役いるじゃん?」


「まぁ落ち着けダイスケ君。公平を期すために男子でじゃんけんしよう。それなら、問題あるまい?」


「い、いいんですかヒロキさん! うし、それで負けたらしゃーねぇ! タツキ、アパポテト、覚悟はいいな?」


「ヒャハハ、ぜってぇ負けねぇぜ!」


 俺たちは男性陣だけでじゃんけん大会。

 最初はぐー。と思わせてぱー。


「えぇ!?」


「ちょ、ヒロキさーん?」


「誰も最初はぐーとは言わなかったつまり最初から戦いは始まっているのだよ。ファイ!」


「ええい、ヒロキさんならやると思ったよ! 最初はグー、じゃんけん、ほい!」


 それから、俺を抜いた男性陣でじゃんけん大会が繰り広げられる。

 兵士さんおっそいな。まるでこっちの勝敗待ってるくらい校庭で佇んでるし。

 

「っし、勝ったあぁぁぁぁ!」


 うをい!? 何叫んでんだダイスケ!

 ああ、アパポテトが負けたのか。

 まぁどっちでもいいからさっさと行ってきな。


 アパポテトが声に反応してこっちに近づきつつある亡霊向けてちくしょーっと叫びなら突撃する。

 おお、日本兵、突撃銃の後ろ使ってアパポテトを撃破。倒れたアパポテトを米俵みたいに担いで歩き出す。

 良かった、いきなり転移とかじゃなかった。


「スニーキングミッション開始だ」


 段ボール欲しいな。

 まぁいい、気付かれないように行くぞ皆!


「わはー。こういうのちょっと楽しいね」


 そうだな。ってナナシさん距離近くね? だから俺じゃなくてダイスケの方にやってやれよ、向こう期待してるだろ? 俺は期待してないから。ハナコさんが同じことやってくれるなら大歓迎だけど。


 日本兵はアパポテトを担いだまま、校庭から別の場所へ。

 どこへ行くのかと辿ってみると遠回りして校舎の裏側へ。

 ほー、こっちってこうなってたのか。って、そのまま玄関口まで戻るんかい!?


 そのまま校内に入って……階段? 二階に行くのか?

 いや、あっちは二階の階段側じゃないのでは?


「ここで曲がった? 二階ですね!」


「って、ヒロキさんどうしたんです?」


「いや、さっき曲がったの、二階への階段じゃなくこっち側じゃなかったか?」


「そっちって階段の裏側スペースしかないですよ?」


「いや、絶対こっちだった」


 普段来ることのない階段裏へと向かうと、壁を調べる。

 ……ビンゴ!

 壁の一部を叩くと音が変わった。


 皆ここだ!

 ハナコさんが霊体で潜り抜け、向こう側から扉を開いてくれた。

 地下への階段が隠されていたらしい。


「隠し通路!?」


「地下施設ってくらいだしこの先だろうな。戦闘用意、突撃するぞ!」


「了解。アパポテト救出作戦開始だ!」


「あっぶなぁ、ここ気付けなかったらわたしら二階探索してたわ」


「絶対時間経過でアパポテト死んでたな」


 階段を降りていく。

 すると、扉が一つ。

 随分と重そうな鉄扉だったが、ダイスケの馬鹿力で押してやると、錆び付いた音と共に開く。


 その先に広がっていた光景は……

 手術台に乗せられ手足を拘束されたアパポテト。

 そして白衣を着た幽霊たち。

 病院の手術室を思わせる質の悪い部屋で、俺たちに気付いた日本兵が武器を構える。

 遅ぇ!

 奴がライフルを撃つより早く、俺のレーザー銃が奴の眉間を打ち抜いた。

 ふっ、早撃ちで俺に勝とうなど万年早ぇ。

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