817.男子高校七不思議2
目指す場所はトイレ。
今回は学校内に浮遊霊が見当たらなかったので手あたり次第トイレに入って探すしかないらしい。
しばらく彷徨っていると一階のトイレが見つかった。
へー、やっぱ男子校だからか女子トイレがないな。
ハナコさんがまずは侵入。
トイレを見回ってここで行うべき出現方法を調べる。
ありゃ、首を横に振ってる。
どうやらここは違うらしい。
二階か三階の方だな。
んじゃ階段まで戻って上がるか。
他の教室とかには順番に入っていく感じでいいだろ。
まずは第一不思議のトイレ攻めだ。
二階に上がる。
感覚的にはここか三階辺りで男子校のやべぇ怪異に襲われるはずだが……
この辺りじゃないのかな?
「モヒカンども、ヤバそうな霊見つけても突撃するんじゃないぞ」
「誰がやるか!?」
「そんな無謀な馬鹿がいるわけないだろ」
「いくらやられ役っつっても節度はあるわい」
「まさかとは思うけど、そんなことしたおバカ居たの?」
居たんですよ、ヒツギとキョウヤっていう馬鹿野郎どもが。
「あ……」
ん? 格ゲー少女さんどうし……
なんだあれ?
「巨大な骸骨が廊下を塞いでおりますが?」
「餓者髑髏かな?」
「強敵っぽいなぁ。ルルルルーアさん連れてくりゃよかったかも」
「ふっふん、あんな虐殺娘呼ばなくとも僕がいるだろー」
キマリスさんって神聖魔法使えるっけ? ああ、八大魔法は使えるから一応異世界魔法は使えるのか。
とりあえず、九字斬りしとくか。
そりゃそりゃそりゃっと。あ、意外とダメージ食らっとる。
「向こうも攻撃の為にこっちに向かって来てるけど……」
『遅いわね。廊下自体につっかえてる感じかな?』
ハナコさんの言う通り、餓者髑髏と思しき骸骨霊は、あまりにも巨体だったために通路自体に引っかかって上手く進めないようだ。
つまり、攻める好機。一斉攻撃じゃーっ!!
「ヒャッハー!」
「いいぜぇ、さっさとぶっ殺そうぜェ!!」
「くたばんなぁ!」
ハナコさんが鬼火を連弾で放出し、アカズさんとテケテケさん、ユウキさん、キマリスさん、蛇々利さんが神聖魔法でダメージを与えていく。
タツキ君たちやモヒカンズも遠距離攻撃をしてくれているが、格ゲー少女だけどうしたもんかと困惑気味だった。彼女だけ遠距離スキルを持っていなかったようだ。
仕方ないのでレーザー銃を貸して援護射撃して貰うことにした。
お、頭蓋骨にひび入ったぞ。このまま押し込んでしまえ。
ははは、怒ってますって感じにカタカタなってるけど脅威にすらなんねぇわ。
おそらくこいつは逃げ切る系の怪異だったんだろう。
俺らとしては逃げるほどでもないので徹底的にぶっ倒す。
んー、一番九字切るのが効果的だな。
たまに骨粉砕できるみたいだし、ハナコさんもこっち切り替える?
『そうね、そっちの方が効果が高そう』
必死に俺たちに手を伸ばしてくるが、まだまだこちらに辿り着くには距離がある。
結果、一メートルくらいを残して無念そうに叫びながら、餓者髑髏は光と化して消えていった。
うーん、スレンダーマンたちと比べると随分と楽勝だったな。
これならコンコンコン・クィシンの方が強力だったんじゃないか?
「ヤバい敵でしたね。遠距離スキルがあったから楽勝に見えますけど、あの一撃だけで即死しかねませんよ」
「迫力もヤベェしな。ヒロキがいなかったら俺らァ尻尾撒いて逃げてたぜ」
え、マジで?
お前らそんな危険感じてたの?
あいつどう見ても雑魚そうだったじゃん。動きもすっトロイし。
「よし、二階のトイレ、ハナコさんおなしゃす」
『了解。ちょっと行ってくるね』
ハナコさんを見送り、俺たちはドロップアイテムの確認を行う。
そういや結構アイテム拾ってるな。
整理もしてなかったから何が入ってるかも謎になってるな。
ちょっとここらで整理してしまおうか?
さすがに今日これからって訳じゃないが、アイテム整理はしておいてもいいかもしれん。
スキルの整理もあるし、ちょっと休息日を申し渡して一日ゆっくりするのもいいかもしれん。
最近いろいろ手に入ってるし、アイテム整理だけで一日過ごせそうな気もする。
ついでにスキルやステータスの確認もしておくか。
皆のステータスも変わってるだろうし、新しい仲間も結構増えた。
あとは……いや待てよ。せっかくだし切りのいい場所がいいな。
七不思議はここを含めて後三つ。
なら全部の七不思議クリアした辺りで確認した方が二度手間にならなくていいか。
よし、アイテム整理とステータスは七不思議クリア後に確定だ。
忘れないようにメモっておこう。
「ヒロキー、ハナコさんがここに七不思議発見したってさー」
おっと、当たりを引いたか。
太郎さんと次郎さんだっけ? 雄どもに用はないので面倒そうな奴なら拳で黙らす所存です。




