表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

811/1105

807.巻き込まれた都市伝説4

初夢見ました、こんな奴を。

 ふと気づけば、俺は試験会場に居た。

 周囲には男女混合かなりの受験者がいるようだ。

 なんで俺、こんな場所で試験受けてるんだっけ?


 確か未知なるモノさんとドリームランドで……は昨日か。

 そのあとは二人とも今日はさっさと帰ろう。と門をくぐって自己イデアに戻ってログアウトしたんだっけ。

 だから、一度家で眠って、そう、ログインしたんだ。

 そしたら自室じゃなくてここに来た。ってことはこれ、また都市伝説系の何かに巻き込まれた奴か。


 注意深く周囲を見回す。

 前の方には黒板とロッカー……これ教室の後方じゃないか?

 そこに三人の男が立っていた。


 一人は初老のスーツ。もう一人は若者の街とかにいそうな普通のお兄さん。

 そして中央でロッカーに座って皆を見ている30代くらいの男。服装、なんかレインボーなんとか封鎖できませんとか言ってた人に似てるな。あのくすんだ緑色っぽい服を着てるおじさんだ。

 どうやら彼らが試験官らしい。


 しばし、試験を行う。

 うん、答案用紙、何書かれてるか理解できんぞ。

 これでは試験にならないや。

 いいか、とりあえず白紙提出で。名前も、書かない方がよさそうだ。


 試験会場は教室ではなくどこかの旅館の大広間などに長机と椅子を持ち込んだような場所だった。

 俺はその中でも後方のようで、周囲には俺同様に周囲を見回してる奴は……いないな。皆熱心にテストしていらっしゃる。


 俺の左奥側には、なぜか巨大テレビとゲーム機がある。コントローラー八つ位ないかアレ。

 テストが終ると、答案用紙の回収はなく、なぜか試験官に言われて後方に連れていかれる。

 どうやらここでゲームすることになっているらしい。

 変な都市伝説だなコレ。


 しばらくゲームをしていると、試験官が声高に告げた。


「全員集合」


 俺たちはゲームを止めて彼の元へ。

 ところで、俺、何のゲームしてたっけ?

 んー、まぁどうでもいいか。試験官の言葉に従わないと……

 あれ? 従う? 俺が? なん、で……?


「これより身体検査を行う。女は後ろで、男は外だ。服を脱いで向かえ」


 いや、向かえって、ここで脱げと!?


「それと、答案用紙を提出してから向かえよ」


 ここで回収なのかよ!?

 仕方ない、と答案用紙を回収するために振り向く。

 いつの間にか試験会場の後ろ半分に壁が出来ており、扉の先へと向かっている女性陣。

 あ、待って、俺の答案用紙!?


 俺同様、後方に置いていたらしい男が慌てて取りに向かう。

 が、扉に辿り着いた瞬間周囲の女性がギロリと彼を見た。


「あ、あ……うわあああああああああああああああああ」


 扉は閉まり、彼の悲鳴が轟く。

 おおぅ。そりゃ女性が裸になってる場所に一人入ったらなぁ。

 ラッキースケベあるから俺はワンチャン行けるのでは?

 さすがに試す気にはならんが。


 どうしようかと迷っている間にも、周囲から人の波が消えていく。

 というか、身体検査した奴戻ってこないぞ。どこ行ったんだ?

 しばらく待つが、誰も戻ってこない。


 最終的に試験官三人と俺だけが残され、言い知れない焦りが俺の心に湧き上がる。

 行かないと。身体検査に行かないと。

 しかし提出するべき答案用紙がない。

 どうすれば、どうす……


 行ったり来たり、うんうん唸って現状打破を考えるが、俺の頭ではそれを行える方法を思いつけなかった。

 仕方なく、試験官たちの元へ向かう。


「あのー、答案用紙あっちにありまして取りに行けないんですが……」


 刹那、底冷えするような冷めた視線を三人に向けられた。

 何かヤバい? そう思ったが、男たちから帰ってきた言葉は……


「残念だ」


 刹那、視界が暗転する。


 ……

 …………

 ………………


「はっ!?」


 がばり、上半身を起こして周囲を見る。


「知ってる天井だ……」


 UFOの自分の部屋だ。

 間違いなく俺の部屋だ。隣には何を血迷ったかティリティさんが眠っている。

 うおぅ!? なんで? ティリティさんいつの間にここに!?


 あー、びっくりした。

 というか、何だ今の、唐突な都市伝説系でいいんだよな?

 猿夢みたいな奴か?


 ってことは答案用紙提出して他の奴と一緒に並んでたら……

 そもそも俺なんでテスト受けようとしてたんだっけ?

 あー、ヤバい、なんか精神操作系のスキル受けてたかもしれん。


「んぁ? ダーリンどうしたのだ?」


「ちょっとヤバい夢みたかも」


「そーかぁ? 怖かったなぁ」


 へ? ぬおっ!?

 不意に頭を引っ張られ、ふよんとした柔らかいものに押し当てられる。

 ぬおお、こ、これはまさかの抱擁ですか!? やばいオギャっちゃう!?


「よしよし、怖くないぞー。吾輩がちゃんと傍にいるからな。いつでも頼ってくれよダー……あ」


 どうやらまだ寝ぼけていたらしい。

 抱きしめているのが俺だと気付いて、ティリティさんは硬直。

 このあとめっちゃ絶叫された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ