785.デスゲーム委員会の存亡4
「しかし、俺らが普通に乗って降りて来てたらどうしてたんです?」
「そりゃおめぇ……普通に死んでただけじゃね?」
ですよねー?
問答無用で銃撃だったもんな。
そりゃあのままエレベーター乗ってたら確実に銃殺されていたことだろう。
まさに鉄の棺桶である。
「脱出した奴は?」
「委員長だけだな。窓が割られてる感じもなかったし、地下にいた場合はどうにもならんが、だぬさん地下は?」
「そのエレベーターがすでに利用不能になってるからな。降りるに降りれんだろ」
「盛大に壊したなぁ」
「いや、最初の方は出てきたところを狙い撃ちしてたんだぜ? 逃げ出そうとする奴が多くてよ。纏まってる場所で殺ったほうが早いんだ」
まぁ実害なかったからいいけどさ。
とりあえずエレベーター確認して地下が存在しているかどうかは確認しておく。
B1、あるな。まぁいいや。そっちに関してはどこかしらから入れる場所があるだろうし。
まさか全部このエレベーターのみの移動しかできない、とかじゃないよな? お粗末すぎるだろ。
『はーい、こちら散紅ー、ヒロキ準備はー?』
「散紅さん? おっとこっちの準備は完了だ。後は地下だけ」
『了解、では一分後に起動するわ』
早過ぎるわ!?
「だぬさん、一分後、起爆するって!」
「はぁ!? 脱出ギリギリじゃねぇか!? 急ぐぞ!!」
皆急いで脱出を開始する。
電話越しにカウントダウンを始める散紅さん。
いや、酷いなオイ。
我先にと急ぐように俺たちはデスゲーム委員会本部から脱出する。
エルエさん無事だろうか?
とりあえず連絡取りたいけど連絡が付かない?
ええい、ともかく後だ。彼女なら爆発があっても多分生還できるはず!
だぬさんと競うように外へと辿り着く。
全員が脱出し終えて一息ついていると、小悪魔顔の散紅さんが近場に座ってにやにやしていた。
……まさか!?
「あはは、冗談だってば、さすがに私たちも一分そこらで爆破したりしないしー」
こ、の、メスガキがぁ!
めっちゃ必死に走ったじゃん!
どうしてくれる? どうしてくれるっ!
「いやもう、ご主人様がぁ、必死な顔で走るの、さいっこーでした」
「あー、一応俺らは止めたんだぜ?」
未知なるモノさんが遠慮がちに告げる。
それでもやっちゃったのを見逃してるなら同罪だ。
「まぁ、とりあえず全員爆発に巻き込まれてないようでよかったよ」
「そりゃいいがヒロキ、エルエさんどうした?」
「今委員長追ってる。ただどうも今連絡手段絶たれてるみたいでさ」
「あら、それじゃ爆破できないじゃない。全員出てきたから生き残りがいれば脱走可能よ? 早めに爆破しないと」
「いや、気にせず爆破してくれ。エルエさんだけなら建物破壊程度の爆破は耐えきれる」
「さすが外道。仲間すら巻き込む気かよ!?」
「まぁエルエさんの耐久力なら確かに問題なさそうだけどよ。好感度、下がるんじゃね?」
「そこはまぁ、後日欲しいものを送る感じで、エルエさんには補償をするつもりだよ。今回のMVPになりそうだし」
「まぁ、それでいいなら、いいけどよ」
「オッケー、では爆破しマース」
「あ、ちょっとメリッサ!?」
許可が出たと判断したらしい。
メリッサさんが遠慮なくぽちっとボタンを押す。
次の瞬間、等間隔に設置された爆薬が一斉に破裂し、目の前の施設が音を立てて崩れていく。
おおー、ビル解体爆破みたいな綺麗な爆殺ですな。
「あの巨大施設が一瞬かよ」
「カメラ回せ回せー。これは視聴回数増えるぞー」
「未知なるモノさん、ヒロキさんこの映像撮ってるみたいですけど……」
「まぁこいつ配信してるし。格ゲー少女もこの映像撮影して配信するくらいは別にいいんだぞ?」
「いらないかな? それよりヒロキさんエルエさんの反応は?」
「まだ生存はしてる。死に戻ったら俺のパーティー欄で灰色に代わるからな表示」
つまりは未だ生存していることは確定らしい。
にしても、エルエさんどこにいるんだ?
もしかして地下か?
「未知なるモノさん、地下があるみたいなんだけど、どこに繋がってるかとか、未知なる感でわからない?」
「わかったらすげぇよなぁ。わかるかっ」
ですよねー。
エルエさんがいれば索敵できるんだろうけど、探す相手がエルエさんだからなぁ。
今いるメンツで索敵特化なのは……
レムさんや、なんかそこのガラクタ使ってエルエさん探せる道具作れない?
「もきゅい……」
瓦礫は機械系じゃないから無理?
そこをなんとか。
いや、無理なのは知ってるから。そんな可哀想な人見る目をしないでくれません?
冗談なんだってば。
「んー、私の索敵でもエルエさんの居場所はわからない、かな。近くにくれば分かるんだろうけどね」
シルビアさんの索敵でも無理かぁ。




