表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

697/1107

694.第三回イベント、後夜祭1

 第三回イベント終了から約一日。後夜祭が始まった。

 俺たちイベント側は今回も運営と共に後夜祭の盛り上げ係だ。

 特設ステージを用意して、野外広場にはバーベキューができる場所をいくつも設置。


 運営側はいくつもの出店を作り、一応許可を取られたテイムキャラたちのグッズが売られている。

 ぬいぐるみにキーホルダーにアクリルホルダー。他にも皆の顔がプリントされたTシャツとかタオルとかなんかいろいろ。

 当然始まる前に主催者側特権でハナコさんグッズは一通り買わせていただいた。

 資金は皆からの投げ銭で有り余ってるからな。

 今年の確定申告が怖いぜ。


 ちらほら集まり始めたプレイヤーたちが思い思いに集まって話をし始める。

 時間にはまだ早いけど、結構皆来てるな。

 時間が空いたから来れない奴結構いると思ったんだけど。

 まぁ皆でわいわい楽しく過ごすだけだし、バーチャル空間だから顔出し派が多いんだろう。


「よーすヒロキ」


「お、未知なるモノさんおつーっす。最後の一撃おめでとさんです」


「なんかラスキル貰っちまったけど、なんだこのヒロキを倒した者っていう称号?」


「一応プレイヤー初のラスボスしたんで、運営を協議の結果称号与えることにしました。意味はないぜ!」


 びしっとサムズアップすると、未知なるモノさんは呆れた顔で額に手を当てる。


「しっかし、お前どんだけレベルアップしたんだよ。レベル250とか意味不明過ぎんぞ」


「ちなみにイベントで上がったレベルはイベント時のみ有効なんで、この後夜祭終了後は元のレベルに戻るらしいよ」


「それ初耳だぞ」


 うっそだろ。運営説明してないの!?

 これ下手したら大ブーイングだぞ。

 早速運営と相談しないと。


「おー。こりゃまた凄いわね。特設ステージの中央にある巨大テレビ、何すんの?」


「マイネさんもテイムキャラと来たのか」


「ええ。ここはAIもプレイヤーも楽しむための後夜祭だからね」


「っと、そろそろ開始時間か。俺は運営側なんでちょっと行ってくる。皆は楽しんでってくれ」


「うっわ。あくどい笑みしてる。アレ絶対何かやらかす気でしょ」


「ヒロキだしな」


 二人に送り出され、俺は特設ステージへと向かう。

 あいつら言いたい放題だな。まぁ否定はせんが。

 運営側AIに交じってミーティング開始。

 最終確認を終え、まずは運営の室長さんが挨拶を始めるのを舞台裏で聞く。


「歓談中の皆様、お楽しみのところ申し訳ございません。ほのぼの日常オンライン室長の川島です」


 川島さん、意外としっかりと皆の前で演説し始めたな。

 なんか運営の方から川島さんにこれ以上刺激与えないでくれとか言われてたんだが、全然問題なさそうだぞ。いや、刺激与える気はな……一回だけは確定してるけどすでに運営が許可してるから問題ないよな。うん。問題ないはず。


「第三回イベントはいかがでしたでしょうか? 今回初めての試みとしてプレイヤーの一人であるヒロキ君にイベントボスになっていただきました。正直に言えば当初の予定と最初から食い違ってしまい運営側は相当やきもきさせられましたが、現実世界七日間のイベントとしては素晴らしい結果になったと思っております。プレイヤーの皆様におかれましてもイベント中のクレームはほとんどなく、運営側と致しましては皆様楽しんでいただけたのではないか、と肩の荷を下ろしております。本日は、そんなイベントの後夜祭を企画させていただきました。画面中央をご覧ください。本日予定として、以下の催しを予定しております。私めの挨拶の後は動画鑑賞。これはイベント中の皆様の活躍場面を繋ぎ合わせたものとなっております。ぜひ歓談の足しにしていただきたく思います」


 動画鑑賞と聞いて皆ざわついている。

 とはいえ、否定的な意見はなさそうだ。

 誰の活躍が見れるかと楽しみになっている様子。

 ふふ、その期待、どうかるかなぁー。


「次に舞台ステージにてアイドルたちによる歌唱、ダンス、有志によるお笑いライブなどが行われる予定となっております。また、後夜祭中の飲食は自由に行ってください。各ヒロキ君のテイムキャラたちのグッズ販売もしております。一部活躍したプレイヤーのグッズも本人の許可の元販売しておりますので直売所でご確認ください」


 そんな川島さんのお話し中も皆思い思い。足を止めて聞いてる人が多い中、気にすることなく出店を回っている奴や、カップルでいちゃついている奴もいる。

 あいつらの額打ち抜いちゃダメだろうか?

 というか、直売所がすでに行列出来てんだけど? お前らどんだけ買うんだよ。これ全部デジタルデータだぞ? シャツとか買っても現実に着れるわけじゃないぞ?

 アクリルホルダーとかも現実にはないんだぞ?


 やばい、めちゃくちゃ大盛況だ。この売り上げの一部が俺の懐にも入ると分かってるんだろうか?

 ありがとうございます。マジまいどありっ!


「では、これを挨拶終了と致しまして、早速映像を見ていただきましょう!」


 さぁ、上映開始だー。皆、俺プレゼンツ映像、楽しんでってくれよなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 動画鑑賞ではプレイヤーの活躍シーンの総集編なので、マイネさんの放火シーンも必須だよね
[一言] イベントの経験値等がリセットされない=トンカラトンになった人はキャラロストになっちゃう気がするのでリセットも仕方ないとは思いますね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ