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685.第三回イベント、二十一日目ラストバトル9

 ヒロキが新たな助っ人を呼び込んだ。

 プレイヤーたちが嘘だろまだあんの? と驚く中、それらは盟約により現れる。

 人型の生物だが、人とは圧倒的に違う。


 頭は長く、先細り、鼻のような口吻。

 鱗のあるざらざらとした肌。

 昆虫と哺乳類を掛け合わせた容姿の未知なる生物たち。

 皆、両手に一つづつ、虹色に輝く金属製の筒を持っての御登場である。


「なにあれ? 未知なるモノさん、マイネさん、アレなんすか?」


「いや、知らん」


「なにあれ、知らない」


 まさかの初出生物に皆警戒度を引き上げる。


「鑑定出ました! ヤディス人いえ、ヌグ=ソスです!」


「ヤディス!? え、なんで外なる住民でてくんの!?」


「ひ、ヒロキさん、それ、知り合い?」


 予想外の助っ人に困惑するプレイヤーたち。

 さすがにこんな奥の手が出るとは予想していなかったらしい。


「祭りと聞いたぞヒロキ。呼んでくれてありがとう」


「いえいえ、こちらこそ。来てくださってありがとうございます」


「できれば優秀なプレイヤーと話し合いしたい。可能か?」


「後夜祭は戦闘になりませんからご招待しますよ」


「素晴らしい。ではぜひとも呼ばれるよう、頑張らせていただこう」


 ヌグ=ソスたちが一斉にチューブガンを構える。

 なんだあれ? と困惑するプレイヤーたち向け、一斉射。

 とっさにリテアパトラ七世が案内人たちにバリアを張り巡らせる。

 しかし……


「っぶねぇ!」


 バリアを軽々貫通した謎の銃撃。

 だぬがぎりぎりで案内人を弾丸から引きずり逃がす。


「うそ!? リテアさんやられた!?」


「なんでバリア貫通したの!?」


 驚くプレイヤーたちだが、さすがに戦場で呆ける訳にはいかなかった。

 唖然としていたい気持ちをなんとか振り切り、戦場へと意識を切り替える。

 

「バリア貫通射撃とかクソゲーかよ!?」


「いつものこったろが! 全部ヒロキのせいだ!」


「おのれヒロキ!」


「何でもかんでも俺のせいにすんなよ!?」


 ヌグ=ソスの参戦によりプレイヤー側が一気に不利になる。

 このままでは不味いと理解した案内人は覚悟を決める。


「最終部隊投入します! ここから先は総力戦です! マイネさん、バイク乗車型トンカラトン、お願いできますか!」


「良い敵チョイスしてくれんじゃない! 任せなさい!!」


 マイネに頼んだのは消去法だ。

 未知なるモノの攻撃方法は基本自身の体を変化させた千変万化の格闘術。

 レーザーやら破壊光線も放つが基本格闘術なのだ。

 斬られたら終わりのトンカラトン戦には不向きだ。

 同じ理由でレイレイや格ゲー少女もトンカラトン戦には向かわせない方が望ましい。


「残るトンカラトンは三体。マイネさんが一体、タツキさんたちが一体、ミツヅリさんたちが一体受け持ってくれてます! つまり他の皆さんはヌグ=ソス撃破とヒロキさん撃破に分かれてください! 遠慮はいりません、ヒロキさん、全力でぶっ倒してしまいましょう!」


 俄然テンションが上がるプレイヤーたち。

 抑えに抑えていたヒロキ憎しの感情が一気に爆発した。


「ヒロキを殺せーっ!!」


「死んでくれヒロキ! 俺とハナコさんのた」


「あの馬鹿ハナコさんの話出したら死ぬのわかっててなんで!?」


「うらぁっしゃぁ! 略奪スキルでチューブガンげっちゅー! これどうやって使うん」


 チューブガンを奪い取ったプレイヤーがどうすればいいのか、と弄った瞬間。彼の顔面向けて銃弾が発射された。

 まさかの一撃を無防備で受けたプレイヤー。上半身が吹き飛び、その場に崩れ落ちる。


「馬鹿なのか!?」


「下手に相手の武器奪うなよ!? 使い方わからん武器なんてトラップみたいなもんだぞ!」


 さすがに自滅したプレイヤーをみたせいか、それ以降チューブガンなどは盗む者すら出なくなった。


「やべ、トンカラトン抜けた!?」


 タツキチームの包囲を抜けたトンカラトンが別プレイヤーへと襲い掛かって来た。

 格ゲー少女がぎりぎり紙一重で避けきる。

 近くにいたプレイヤーが一人、切り裂かれてトンカラトンが増えた。

 格ゲー少女は即座に反撃。

 斬り終えたばかりのトンカラトンをコンボスキルでぶっ飛ばす。


「っつはぁ!? 危なかったっす」


「ごめん、ミスった!」


 タツキチームが何とか追いつき、新たに生まれたトンカラトンを包囲する。

 ただ、吹っ飛ばされた方のトンカラトンに対応するメンバーがいなかった。

 刀を杖にして起き上がったトンカラトンが格ゲー少女を睨む。


「やってくれたなクソ女! テメェは俺が斬「るの」」


 怒り狂ったトンカラトンがターゲッティングしようとした瞬間、彼の背後に現れたなのが首を斬る。


「なのさん!」


「危なそうだったから助っ人来たの」


「ちょうどよかったです。案内人さんのチューブガン回避のためになのさん彼の傍にいてください」


「おおぅ、変な依頼はいったの」


 しかし、確かに案内人の指示が少し途切れがちになっているのは事実。

 狙われているせいで周辺把握ができていないのだ。

 回避を誰かが専念すれば、指示出しも出来るだろう。

 なのが適任そうなのはすぐに理解できることだった。

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