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682.第三回イベント、二十一日目ラストバトル6

 ヒロキとの最終戦。プレイヤーたちはようやくグラサンスーツロボの撃破を達成した。

 メカニカルベアも残りは4体程。

 ダイルンバー君初号機EXエクスペリエンスは健在だし、トンカラトンとの激戦もプレイヤー側の犠牲を出しつつも、天秤がどちらかに傾く程ではない。


 それでも徐々にだがプレイヤー側に余裕が生まれつつあった。

 敵の一角であるグラサンスーツロボを撃破しきったことも理由の一つだし、何よりニャルラトホテプというトンカラトン製造機を早急に止められたのは勲章モノと言っていいだろう。


「しゃあ、メカニカルベア撃破!」


「こっちもだ!」


「これで残り一体!」


 相方とも呼べるグラサンスーツが消えたことで、戦力が集中することになり、メカニカルベアの残機も瞬く間に消えていく。

 残っているメカニカルベアは一機のみ。

 すぐ近くにいたプレイヤーたちは自分が倒すっとばかりに必死に戦っているのでまもなく最後の一機も破壊されるだろう。


 となれば、残るは巨大円盤と増えては減るトンカラトンである。

 まだプレイヤーの数が十分に揃っているのでトンカラトンとの戦いでトンカラトンが多少増えても対応できているものの、トンカラトン化したプレイヤーはもうイベント参戦ができないため、徐々にだがプレイヤーの総数も減りつつあった。


「何とか、なりそうか?」


「とりあえず頭上のはほぼ無視できる。トンカラトンの撃破を優先するぞ!」


「あと何体いるんだ!?」


「結構撃破してるよな?」


「結構増えてるよな?」


「とりあえず20体くらいはまだいるか?」


「あとバイク乗ってる最初のトンカラトンさんがめっちゃくちゃ強いんですが?」


 特にバイクの機動力が馬鹿にできない。

 バイクに乗ってポン刀を横にするだけで面白いくらいにプレイヤーのクビが飛んでいくのだ。

 正直彼が暴れている一角だけはかなりのトンカラトンが生み出されている。

 これのせいで他のトンカラトンを撃破してもトンカラトンの数が減っていない理由となる。

 いかにトンカラトンとバイクの組み合わせが最適なのかがわかる戦果であった。


「オイオイヒロキぃ、テメェの連れが情けなさ過ぎんぞ! あそこのデカ物以外もういねぇじゃねぇか!」


 初代様の言う通り、ついにメカニカルベアも最後の一体、否、一機を撃破。爆発した後だった。

 ヒロキとしてもここまで手早く倒されるとは思ってなかったようで、何とも言えない苦笑いを浮かべる。


「さて、どうしたもんかなぁ」


 ヒロキとしてもさすがにこの段階で次を投入するのは気が引ける。

 何しろ次の奥の手は正真正銘奥の手だ。

 おそらくヒロキがよほど追い詰められた状態でなければ彼らは手伝ってはくれないだろう。

 ゆえに、今しばらくはトンカラトンとプレイヤーの戦いが続くことになる。

 時間的に見てもまだ投入する時期ではないだろうし、と唸るヒロキ。


 しかし自分の想定よりもプレイヤーの実力が高いのは確かだ。

 ここで勝つことを考えるなら次のカードを切るべきなのだろう。

 しかし、それでは意味がない。これはイベント戦なのだ。

 お祭りであり、自分はもてなす側なのである。


「っし、しゃーねぇ、トンカラトンさんの援護に入るかね」


 と、両手にレーザー銃を構えて立ち上がる。

 

「ヒロキが動いた!?」


「レーザー来るぞ! 気を付け、ごふぁ!?」


「ちょ、やりすぎ、なんそれ!?」


 レーザーを発射、発射済みの銃をアイテムボックスに、次のレーザー銃を取り出す。両手揃ってこれを行えばあら不思議、レーザー連射攻撃が可能となるのである。

 さすがに本気ではなく余裕を持った動きであるし、直線的に狙って行ってみたものの、この動きだけでプレイヤーたちの数名が頭を打ち抜かれ死亡。

 避けたプレイヤーも隙を突かれてトンカラトンに斬られ、あるいはダイルンバー君に引っ張り上げられキューブとなる。


「嘘だろ!? 俺の参戦一つでここまで被害が! よしやったれ!」


「あの野郎調子に乗りやがって!」


「クソムカつくが普通にヤベェ! トンカラトンさんとの波状攻撃されるだけで詰むんだが!?」


「トンカラトンさんと斬り合ってたら足打ち抜かれたんだけど!? 誰かフォローをおね」


「トンカラトンさんにやられた!? てめぇヒロキ! それが人間のやることかよ――――っ!!」


「ふはははは、人がゴミのようだ。どんどん撃つぜ、逃げ惑えひゃはははははー」


 ヒロキもノッてきたようで周辺にレーザーをまき散らしていく。

 銃弾よりも速い連撃にプレイヤーはなすすべなく打ち抜かれ、さらにトンカラトンの追撃に倒れていく。


「クソ、トンカラトンさんの増加速度が上がった!」


「仕方ない、案内人さん、出ます!」


「俺らも参加してくる」


 タツキチーム、ミツヅリチーム、勇者ブレイドが戦場へと走り出す。

 

「し、C部隊投入開始! 皆さんトンカラトン撃破を最優先。タンク役はレーザーを跳ね返すことを優先してください。もちろんできる方がお願いします」


 普通のタンク役では鎧ごと打ち抜かれるので、タンク役の中でもミラー装備や反射能力持ちが率先してレーザー遮断へと向かいだすのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] きちんとイベントのこと考えているな… 一応ゲームバランスもかんがえてる かえらいな
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