59.正義の味方 対 秘密結社の怪人・1
名前:サキサカ コウイチ
種族:怪人 クラス:改造人間
二つ名:恐怖・蜘蛛怪人!、秘密結社アルセーヌ怪人
Lv:14
HP:839/839
MP:72/72
TP:99/99
GP:21/21
状態:普通
技スキル:
???Lv22: ???
???Lv17: ???
???Lv8: ???
???: ???
???: ???
???: ???
うーむ。怪人の方は見えないか。
でも名前が見えた。普通の名前なんだよな。サキサカさん。
やっぱり一般人を改造してるってことなのかな?
ただ、レベル的には今のグレートマンといい勝負出来るんだよなぁ。良く考えられた突発イベントだよ。
と、いうわけで、数だけは多い戦闘員の方を撃破して行こうかテケテケさん。
「ケケケケケ、まぁ華は持たせてあげましょうか」
『それじゃ、私は他のNPCが倒されないように遊撃するわね』
「了解ハナコさん。稲荷さんは俺やマイネさんの警護でいいかな?」
「よかろ。して、そこなツチノコは?」
「ツチノコさん、俺と応援しような」
「シャァ!?」
なんで!? みたいに哀しそうな顔しないで。
まだまだツチノコさんのレベルは低いからね。それに小さいから相手のレベルが少なくても踏まれて倒されそうだし。
「折角だから私も参加しようかしら?」
「マイネさんも戦うの?」
「ほら、昨日手に入れた魔法の杖があるでしょ。これ、やっぱり変身グッズみたいなの。使うのは初めてだけど、これで私も魔法少女ね!」
と、手に入れた魔法の杖を真上に掲げるマイネさん。
「ウェイクアップ!」
どうやらこれが起動させるための口上のようだ。
光に包まれるマイネさん。あ、これアレじゃない?
稲荷さんマイネさんの姿隠して隠して。
稲荷さんによりマイネさんの姿が砂嵐に隠される。
危ないとこだった。もう少しで様子見に来たり参加しようとしたプレイヤーたちが垢バン大量死するとこだったぜ。
まさか服が弾け飛んで光に代わり、衣装変更変身シーンを見せつけることになろうとは。
光に包まれているとはいえ全裸になる訳だからそれを見たプレイヤーは等しく垢バンの危機だったわけである。
まさか、俺のラッキースケベのせいだったりしないよな?
「……想定外」
変身が終わったらしいマイネさん、局部と胸を押さえて恥ずかしそうにしていた。
おー、魔法少女だ、衣装だけは魔法少女だ。
なんかピンク色で可愛らしい妖精さんみたいな格好だなぁ。
本人がちょっと醒めた顔をしてるせいで可愛さは半減してるけど。
「スキルは……ん? んん? うそぉ」
あれ? どうしたのマイネさん、そんな絶望的な顔して。もしかして変身するだけのジョークグッズだった?
「い、いえ、ちゃんと変身したあとに攻撃スキルもあるし能力も高まるわ。でも……これ、魔法少女じゃない」
「え?」
「マンホール少女マイネ、って何よォ!?」
マンホール、少女?
「攻撃スキルは全てマンホール持った状態で効果が出るスキルばっかりよ。何これ!?」
とりあえず、そこにマンホールの蓋あるし、引っぺがして使ってみたら?
「やるけどもっ!」
なかばやけくそ気味にマンホールの蓋を地面からひっぺがし、手に持った彼女は、ふんぬっとばかりにマンホールの蓋を投げ飛ばす。
その姿、まさにフリスビー。
巨大な円盤が戦闘員たちを跳ね飛ばして怪人の元へ。
怪人はぎりぎり気付いてマンホールを避けたが、避けた先で曲がり始めたマンホールがマイネさん向けて帰って来る。
ブーメランマンホール!?
「あ、意外と普通にキャッチできた」
しかも凄く使いやすそう!?
手にしたマンホール片手に戦闘員達に突撃していくマイネさん。
マンホールが剣か斧みたいに扱われている。
意外と強いぞマンホール少女。
「ばかな!? 正義の味方が二人目だと!? ええい、戦闘員共、急ぎ人間どもを集めよ!!」
と、グレートマンと闘う気になったらしい蜘蛛怪人、戦闘員達に指示を飛ばして自分はグレートマンに突撃し始めた。
「ウァッ!」
「ふはははは、残念だったなグレートマン。我が糸に絡め取られて死ぬがいい!!」
何が残念なんだろうか?
まぁいいや、それよりも、NPCを攫おうとしている戦闘員の行為を阻止してかないとな。
オルァ、ヤクザキックじゃーい。
「あ、ありがと」
「けがは無いですか、お嬢さん」
「おい、そこのスケコマシ。女の子ばっか助けずにおっさんも助けろよ!?」
いやいや未知なるモノさん。俺としても皆助ける気満々ですよ、たまたま近くで助けられる存在が女の子ばっかりだっただけですって。おっさん連れてかれそうになってたけど、別のプレイヤーが助けてたし。




