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551.第三回イベント、十五日目人型機械決戦2

 何度目になるだろうか?

 戦場へと戻って来たマイネがカルカさんと激突する。

 何度となく死に戻りながら挑戦しているが、どうやっても七ツ星之軌跡を回避しきれない。

 そしてほぼ確実に即死判定を受けて死に戻るのだ。


 おそらくレベル差か、技量の差か、カルカさんの鞭捌きが異様に強い。

 これでディーネさん投入で海ステージになってしまったらと思うとマイネとしてもさすがに勝てる気がしなかった。


「くっ、たまに一撃掠ってるのに!」


「直撃ではないならダメージに直結はしない。さすがに1ダメージ食らい続けて死ぬ程弱くはないぞ!」


「でしょうねっ!」


 マイネがカルカさんを足止めしている間は他のプレイヤーにより少しずつだが着実なグラサンスーツ撃破を行えるのだが、マイネが死に戻るとカルカさんが自由になることで多くのプレイヤーが死に戻ってしまう。


 せめてマイネの死亡から復活までの時間で別の誰かが注意を引いてくれればいいのだが、カルカさんとまともに戦えるプレイヤーは存在していなかった。

 いや、存在はしているがほとんどがゾンビアタック優先でグラサンスーツに掛かり切りなのでカルカさんにまで手が回っていないのだ。


「ええい、マンホールスラッシュ!」


「脱出! 私に大技は無謀だぞマイネ! 食らえ、七ツ星之軌跡」


「あ、クソ、また……これで勝ったと、思うなよぉぉぉっ」


 マイネが死に戻る。

 光の粒子に変わったあたりですぐさま立体機動を発動したカルカさん。

 周辺のプレイヤーから撃破していく。

 

「クソ、またカルカさんが自由に!」


「誰か止めろよ!」


「常時ならやれるけど今ゾンビアタックで能力値下がってるから無理」


「能力値いつも通りだったらなぁ」


「というかマイネさん能力低下状態でどれだけ打ち合えてんだよ。天才はこれだからよぉ!」


「そもそもカルカさんんんんんぼぁ!?」


「ええい、スレイさんの触手邪魔ァ!」


 カルカさんが一番被害を出しているが。地味にスレイさんによる電撃麻痺攻撃がプレイヤーたちを苦しめている。

 さらにグラサンスーツたちの搭載AIが強化されたせいで独自連携力まで強化されている。

 互いに回復までし始める個体も現れ、プレイヤーたちと一進一退の攻防を繰り広げていた。


 なんとか少しずつ撃破してはいるが、やはりガッツによりゾンビアタックを一度耐え切られるのが一番のネックだろう。

 しかし、徐々に減っているのも事実。

 このままいけばまもなく半分のグラサンスーツを撃破出来るだろう。


「おーし、カルカさん狙いだ。行くわよゴブリア!」


「グガアァァァ!!」


 そして、プレイヤー側にも新たな風が吹き込む。

 本日未ログインだったプレイヤーの一部が時間差でログインしてこのステージへとやってきたのだ。

 まだ死に戻りしておらず、テイムキャラも存在している彼女の登場で、カルカさんがまたも拘束される。


 ゴブリンアイドルとそのテイム主による波状攻撃。カルカさんも応戦するも、今度はさすがにマイネと戦っていたようにはいかないらしい。

 二人の連携に徐々に追い詰められ、ゴブリアの拳が掠める時も増え始める。


 これは不味い、と気を引き締めた時だった。

 ゴブリアの足に触手が絡みつき、麻痺が入る。

 気合でなんとか拘束を解くが、それが隙になるのは否めない。


「七ツ星之軌跡!!」


 即座に発動された七連撃がゴブリアに襲い掛かる。

 ギリギリで間に合ったプレイヤーが間に入るも、まとめて即死が確定し、二人揃って死亡した。

 

「スレイ、助かった」


「少しは役に立てた? 毎回助けられてばかりじゃいられないからなっ」

 

「別に役に立たないとは思っていないぞ。お前にはよく助けられているからな」


「あれ? 姉妹愛が尊い……」


「やだ、健気」


 若干名のプレイヤーにご褒美となったが、二人は互いに褒め合いながら敵を屠っていく。

 プレイヤーたちとしても二人の相手は難しいらしく、死に戻るのは気にせずなんとか機械兵だけを狙い撃ちで潰していく。


「プレイヤーの数が多いな。このペースは少々不味い」


「他に助っ人でもいればいいのだが、ディーネは?」


「残念だが、彼女の投入はプレイヤーが降参しかねないから却下になった。だが喜べ我が妹よ。助っ人は他にいる」


「そ、そうなのか?」


 カルカさん以外にも助っ人がいるとわかり若干喜びの顔になるスレイさん。

 

「とはいえ、まだ粘れるだろ」


「当然だ。背後は任せろ姉上!」


「一応、助っ人の投入タイミングは私かお前の怪人化、あるいはどちらかの敗北確定時だ」


「りょ、了解した。怪人化出来るだけ先延ばしにする」


「私はタイミングを計って怪人化する予定だ。お前も無理だと思ったら迷うなよ」


 互いに視線で頷き、気合を入れる。

 プレイヤーの一部が尊さに気絶した。

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