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54.再び神社へ

 結局、もやっとした記憶から消える死んだ人に関しては朱莉ちゃんが関係有るらしいってことが分かった。

 ただ、さすがに無言で鑑定したりすると好感度が下がるらしいので、下手に鑑定はするべきじゃなさそうだ。 

 でもそうなると、鑑定していいか聞いても恐らくイベントの関係上拒否られることだろう。

 これに関しては後々ダメもとで聞くとして、今は外にほっぽり出された未知なるモノさんと合流して東の山に行くべきだな。


 輝君に別れを告げて、俺とマイネさんは下足場へと向う。

 玄関前で何か戦いが始まっていた。

 触手を鞭のようにしならせて攻撃を行う未知なるモノさんと、その連撃を竹刀一本で悉く弾き飛ばしている体育教師。

 いや、あのゴリマッチョめっちゃ動くじゃん。


「ぐはははは、いいぞいいぞ小僧。なかなか筋が良いじゃないか!!」


「なんなんだよこの教師、滅茶苦茶強過ぎじゃねぇか!?」


 何を、してるんだろう?


「ここってバトル漫画の世界だっけ?」


 マイネさんが白い目になっている!? そのアバター表情どうやって作ったの!? 俺もやりたいっ。


「え? これ? えーとね、メニュー画面のここを開いて……」


 しばらく戦闘が長引きそうだったのでマイネさんにいろいろ教わることにした俺だった。


 ……

 …………

 ………………


「いやー、すまん、めっちゃ真剣で気付かんかった」


 結局ぼろ負けしたらしい未知なるモノさんが頭を掻きながらバツが悪そうに俺達に合流した。

 凄いな、アレだけのバトル繰り広げながらあのおっさんぴんぴんしてやがる。

 ゴリラ顔なのに滅茶苦茶強いとかフラグ圧し折り過ぎじゃない?

 そんな漫画もあったよな気がしなくもないが、ゴリラというよりはこのおっさんの場合野性味あふれる昭和顔なんだよなぁ。普通に鉄下駄とか履いてても違和感無いおっさんだ。


「おう、お前さんなかなか筋がいいぞー。いつでもこい。俺を倒せるくらいなら特別に学園内行動を許可してやる。問題起こしたら叩きだすけどな。がはは」


 体育教師に見送られ、俺らは東の森を選択して跳んだ。

 森から神社までの山道は結構長かった気がする。

 敵らしい敵は出てこないのでそこまで問題はないんだけど。


「そういえば普通に小学校入れてたけどグレートマンさんって子供扱いになるのか?」


「テイムした面子はテイムされた存在として認識されるから子供とか関係ないみたいよ。普通に女子トイレとか更衣室に入ってても誰も何も言わないし」


「何してんだ正義の味方」


「サイテーだと思います」


「うぁっ!?」


 誤解だ。みたいな事を言ってる気がするがどう考えても誤解とかじゃないだろ。

 まぁ宇宙人だし人間の女性の裸体見ても何とも思わないのかもしれないけども、さすがに雄個体なんだからそこらへんのエチケットは守ってほしいものである。

 さすがにその容姿で雌個体ではないだろうし……いや、無性生物説、あるのか?


「しっかし、暗い山道だな」


「幽霊とか得意じゃ無い人はまず来れないわね」


「二人は大丈夫なの? 昨日は直で宇宙船のあった場所だったし、帰りは皆居たから賑やかだったけど」


「おいおい、一人でバケモノの腹の中体験してきた男に何言ってんだ? 光もない胃の中で溶かされながら助けも期待できない暗闇の絶望経験者だぜ?」


 その体験はあまりにも特異すぎます。良く精神負荷甚大で現実世界にはじき出されなかったな。


「私もほら、超常現象とか好きな方だから良く一人キャンプとかするのよ。暗い闇の中目の前で燃えるキャンプファイヤーぼーっと見てる時とか凄く暗いからなぁ」


 やべぇ、この二人特殊過ぎる。


「んで、ヒロキはどうなんだ?」


「え? 俺。まぁ幽霊系は大丈夫かな? アレってほら、太刀打ちできないっていう恐怖のせいで恐い訳で、この世界だと殴れるし? とりあえずヤバいの出てきたら蹴れば何とかなるなら恐れ程じゃないかな」


「その考えも変わってると思うんだけど……」


「ほんとにな、ヒロキって変わってんなぁ」


 いや、変わってるのは二人だと思います。


『つまりまぁ、似た者同士が集まった訳ね』


『おねーさん的には問題無いわよ。変でもヒロちゃんだから大丈夫』


 雑談しながらだと長い道のりも結構早いよね。

 もう石段まで辿りついた。

 苔むしたうえに所々粉砕されてる石段を上って神社へと向う。


「昨日は暗かったからそこまで見えなかったけど、随分と朽ちてるわね」


「元々朽ちた神社だったんだろ? 前はなんの神が祭られてたんだ?」


「さぁ? 稲荷さん知らない?」


「自分の神社しか知らんのぅ。はて、なんの神じゃったか?」


「神社綺麗にしたら戻ってこないかしら?」


 え、アレを綺麗にすんの? さすがにどれだけ費用がかかるか。建築士の知り合いがいれば多少マシかもだけど。


「さすがに建築士クラスはいねぇな」


「まだ皆始めたばかりだもの。一応募集掛けてみるわ。ただのボランティアだから集まるかどうかは別として」


「今集まられても面倒だし、小用済ませてからでいいだろ」


「それもそうね。あ、折角だしハナコさん、動画でボランティア募ってみて? 多分ハナコさんファンクラブが動くから」


「待て。それはヒロキが死ぬんじゃないか?」


「え? 俺死ぬの?」


 ハナコさんのファン、そんなヤバいのばっかなのか、マジで命ヤバいのではなかろうか?

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