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536.第三回イベント、十四日目・物量大戦2

「ここは確か、スレイさんステージだっけ?」


「そうあるなー。りんりんがレムさんに攻撃なんてできないっとか言い出したからこっちに来たある」


「なのは別にレムさん相手でも首切れるの」


「やめてぇ! レムさんだぞ! もふもふだぞ!! もしも首切ったりしたらテメェの脳天勝ち割るぞなのなのッ!!」


「キャラ変わり過ぎで怖いの」


「りんりん、もふもふが関わると大体こんな感じある」


「もふもふとりんりんの間には関わらないようにするの」

 

 それが一番ある。とレイレイが頷く。

 そこで会話が途切れたと判断したのだろう。

 ちょっと手持ち無沙汰で待っていたスレイさんが前口上を告げ始める。


「まったく、ここにやって来たから前口上でも告げてやろうと思ってみれば、勝手に会話で盛り上がるなんてひどい奴らだよ。まぁいい、他のプレイヤーも聴くといい。ここは我が元秘密結社アルセーヌドクター、スレイリーアのステージだ。見たまえこの圧倒的圧迫感あるガチムチ系サイボーグの群れを! レムさんが連れ帰って来たオリジナルを分解し、独自技術と知能機械工学を融合させついに量産に成功したのだよ!! これぞ我が知の結晶! 怪人グラサンマッチョ(仮)の群れが貴様らを地獄に叩き落としてくれるだろう! さぁ、行けい我が最高傑作たちよ!!」


 スーツ姿のマッチョたちが一斉に動き出す。

 その手が一斉にプレイヤーたちへと向けられ、がこっと折れる。

 腕に銃口が隠されたマッチョたちが一斉射を開始した。


「ちょお!?」


「あいやー、ハチの巣になってまうあるーっ」


「俺らタンクに任せろ! お前らは後ろに……ぐはぁっ!?」


「銃弾に徹甲弾混じってるの!」


 防御貫通の銃撃を受けたタンクたちが一気に死に戻る。

 盾を失ったプレイヤーたち向け、全身武装の男たちが襲い掛かった。

 必死に抗うプレイヤー。しかし敵の数が多すぎた。

 多少の損害を与えつつも物量に押されて一人、また一人と消えていくプレイヤーたち。


 りんりんも確殺攻撃で数体を倒すモノの、マッチョの口から放たれたレーザー砲に消し飛ばされた。

 なのも無数の敵を首切るものの、首を無くしたマッチョに抱き着かれ自爆攻撃。

 最後まで粘ったレイレイも、無数のマッチョに囲まれ、銃撃の集中砲火で死に戻る。


 ここに黒服マッチョの群れ対死に戻りゾンビアタックプレイヤーの物量対物量の戦いが幕を開けた。

 

 ところ変わってレムさんステージ。

 ユウは合流してきたヨシキ、ヒバリと共に広場へと踏み入れていた。

 すでにプレイヤーの一角は戦闘を開始しており、誘導ミサイルの餌食となって消し飛ばされていた。


 メカニカルベアの群れは千を越え、ほぼ隙間ない絨毯爆撃を一斉射してくる。

 あまりにも凶悪な連撃に、プレイヤーはなすすべなく鎧袖一触、消し飛ばされていた。


「参りましたね。我がランスでは射程位置に入る前に消し飛ばされる。せっかくの確殺攻撃も無意味か……」


「なんでぇランス野郎。あんた一撃必殺出来るクチか」


「まぁ、そうだが、手伝ってくれるのか?」


「悪りぃが俺は肉弾特化、こっちの不良娘も肉弾特化だ。ヒバリは……遠距離はできるがチャージがいる」


「一気にやるにもちょっと時間がいるのよね。チャージしてる間に消し飛ばされちゃうゾ」


「使えねぇよなぁヒバリの必殺」


「言うじゃないユウ。あんただって近接じゃないと使えないじゃない。ほら、蔑んでないで出来ることしなさい、私の肉盾とか」


「誰がやるかっつーの」


「キュイ!」


 軽口を叩くものの、レムさんが待ってくれるわけもなく、無数のメカニカルベアがプレイヤーたち向けて再びのミサイルを発射する。


「芸がねぇな、畜生め」


「一撃しか使えんが……確殺ッ」


「あ、馬鹿、武器を投げ捨てるやつがあるか!?」


 槍を使うプレイヤーが武器を投げつけミサイルにより死に戻る。

 ユウはあの槍ドロップアイテムになるんだろうか? とどうでもいいことを思いながらミサイルの群れに飲まれるのだった。

 

「……マジか」


 スタート地点では各ルートで死に戻ったメンツが顔を合わせ情報共有を始めていた。

 スタート地点へと戻って来たユウは、隣にいた槍使いが槍を持った状態で復帰したことに目を見開く。


「投げ放題じゃん」


「このイベント中は戻ってくるみたいだな。最悪ロストするかと思ってたんだが、良かった」


 大事な槍なのなら投げなければいいのに。


「これで死に戻り覚悟で確殺攻撃が放てる」


 むしろ投げる気満々かよこいつ。引くわ。

 ユウは呆れながら彼への興味を失い、ヒバリとヨシキの待つ場所へと向かう。


「ユウ、次どこ行く?」


「どこにしようか? とりあえず全部回ってみようぜ。自分らでやれそうなとこ見つけるためにもよ」


 せっかくのイベントなのだ、どうせなら全部のルートを体験していこう、ユウたちはしっかりと楽しみながらイベントに参加を続けるのだった。

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