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52.三等分の分け前

「おーい、ヒロキ、こっちだこっち」


 レストラン街を選択してやってきた俺に、未知なるモノさんが気付いたようで触手を振ってくれた。

 いや、そこは手でいいよな? なんで触手振ったし。めっちゃ目立ってる。


『なんというか、好きに生きてるって感じよね。容姿関係なく』


「まぁ、あの人なら最初は驚かれるけどすぐに打ち解けそうだし」


 未知なるモノさんの元へやって来ると、ファミリーレストランへと促された。

 すでにマイネさんは中に入っているらしい。


「悪いな。人と集まる、ってなると大抵ファミレスなんだよ。他のとこあんま行かなくてさ」


「気にしないよ、俺もそういう行き付けみたいな場所無いし。コンビニの前で屯うくらいかな?」


「それはそれで嫌だな」


 俺も嫌だ。何が悲しくてコンビニの前で入手アイテム分け合わないとならないのか。

 このファミレスの場所は覚えておこう。野良でパーティー組んだ時に使えそうだし。


「ウァッ」


 グレートマンまで普通に居るし。ホントNPCって人外さんとかに頓着しないよな。


「ちーっす」


「マイネさんおはよ」


 そういえばマイネさんも小学生だよな。授業出ないにしても、ここにどうやって俺より速く来たんだろう?

 登校する気もなかったと思った方が良さそうだ。

 まぁ授業今更受けるのもアレだしなぁ。


「そういえば未知なるモノさんは中学生ですよね。出席日数大丈夫です?」


「あー、そりゃ大丈夫だ。教室に顔出しさえすりゃ出席したことになるからな。後は期末テストで赤点取らなきゃ勝手に進級できる」


 結構緩いんだなぁ。まぁそうじゃないとゲーム内なのに中学生活教室に固定させられて不満しか募らないか。


「そんじゃ、さっそく仕分けしようぜ。何か頼むか?」


「いや、いいかな。仕分けはどうする、アイテムボックスから全部出せばいいのかな?」


「ん? あー、ヒロキはあれか、今までパーティープレイはした事無いか」


 そりゃまぁしたことないけども。

 何か便利機能でもあるのかな?


「とりあえず、はい。パーティー申請送るわよ」


 あ、はい。

 パーティー申請が来たので『はい』を押して参加表明。

 座席に座ると、マイネさんがテーブルに何かを広げた。

 あ、いや、何かというより、ダイアログボックス?


「時間指定でアイテム検索したらあの辺りで入手したアイテムが出てくるから全部ここに移しちゃって。時間は……」


「確か午後五時だったかな、俺に依頼が来たの」


 ゲーム内時間で午後五時、っと。お、でたでた。

 コレ全部移せばいいのか。

 全て選択を押してアイテムを移動。

 すると、目の前のテーブル一杯に文字がずらっと、これはこれで便利だなぁ。


 他の面子もおのおの回収していたアイテムを出していく。

 あ、しまった。エアロスマッシュまで出しちゃった。


「エアロスマッシュまで出すの?」


「いや、全選択したら一緒に……」


「まぁこれはヒロキのでいいだろ。文字押して入手を選択してくれ」


 なるほど、単品モノは選べば入手できるわけか。

 複数あるモノは選択したら個数を選べるようになっており、個数指定で自分の分を回収できるらしい。


「すっげ、宇宙肉の数200以上あるし」


「メレオン星人、食えるんだ?」


「食えるというか、生物系は肉落とすのは確定みたいだな。人間が死んでも人肉落とすらしいぞ」


「え、誰か殺したの?」


「このゲームにもPK出るらしいからな。プレイヤー殺したら肉出た。食っていいんだろうか? みたいなこと呟いてた奴がいたぞ」


「このゲームちょいちょい禁忌に触れてるよね、法律とか大丈夫なのかしら?」


「まぁヤバかったら国から監査とか入るだろ。そもそも体型変えてる時点で脳への負担どうこうって問題がでてるし、フルダイブやVRゲームのほとんどが有害指定なのに、されても無いし」


「実際影響でてるって聞いたこと無いしねぇ」


「いやー、でも現実世界でもつい触手動かそうとして変な動きする時あるぞ俺」


 性別逆転させたキャラ作った人とか大丈夫だろうか? 所作が女性っぽくなったり好きな相手が同姓になったりとかしないかね?


「それだと大人なのに小学生の身体体験とか大丈夫なのかしら?」


「今更過ぎんだろ。ほれ、難しいことはゲーム終わった後で考えな。今はイベントのリザルト確認だ」


「それもそうね」


 体型等に関してはちょっと気になるっちゃ気になるのだが、ともかく今は忘れてこっちを優先だよな。

 テーブルに広がった文字の列に視線を下ろす。

 なんか予想以上に多いな。主に個数。


「レーザー銃手に入るのね」


「数が数だけになんか有り難味がねぇな。でも三等分で一人70個な」


「余りは……ヒロキンさんにあげるか、誘ってくれたのヒロキンさんだし。あとはい、グレートマンさんにも一つ上げるね」


「うぁっ!?」


 おお、レーザー銃持ったグレートマン、なんか宇宙警察っぽい。

 なんでポーズとったし?

 折角だし写メっとこ。


「これはなんだ? メレオン星人宇宙船搭乗許可書?」


「これがあるとメレオン星人の宇宙船に乗れるらしい。って説明あるけど、いらんな?」


「まぁ在るに越したことは無いんじゃない? もしかしたら今後のイベントで使えるかもだし、こんなに数要らないけど、必要だったら皆に配れるし」


 アイテムボックスの肥やしにするのもなんだし、自宅の倉庫にブチ込んでおこう。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] PKできる上に人肉をドロップしたり、トラウマレベルの捕食はできても、体密着したら垢BANの可能性あったりといまいち規制の感覚がよく分からないですね……。 運営側に性に潔癖な人でもいるの…
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