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521.第三回イベント、十三日目・三様の戦場1

「さて、全員準備はいいな?」


「誰がどこに行くかは決めたー? 私はさすがに進んでないみたいだしアイネさんは後回しにして彩良さん潰しに向かってみるわ。ホラーステージどうにかならないかいろいろ試してみるつもり」


「私は今度こそサユキさんを倒します!」


「コトリさん撤退させてくれただけでも大金星だぞ?」


「それでも、サユキさん打倒は私の目標になりましたから!」


「こちらもギーァの撃破を目指します、そろそろ馬鹿にできない被害になりつつあるので」


 勇者ブレイドが疲れた表情で話しに入ってくる。

 話を聞くに、前回は惜しいところで逃げられたそうだ。

 HPこそ低いし回復はしてないそうなので、後一撃大ダメージを与えさえすれば再生も無駄となって倒せるだろう、という話だが、放置してそのうち誰かが倒すのを待っているとさらに被害が拡大するだろうとのことで、早急に追い詰めて倒すつもりらしい。


「しかし、テインさんだっけか、ティンダロスの王だろ、コトリさん程強くはないけど能力不明になっちまったからまた一からの戦いだよな」


「それでもレベル的にはだいぶ近づいてるからな。おそらく正攻法で勝てるはずだ。十二日目が進展なかった分、一気に進むつもりで戦おう」


「うし。気合入れていくぞ!」


 全員がやる気十分だ。

 今回で一気に進めるつもりで三つのルートへと別れていく。

 そして、彼らが居なくなった後だった。


「あー、ようやくイベント開始できんぜ」


「長かったわね、特殊イベント」


「ったく、ヒロキの奴に連絡取っても意味ねぇからって随分長く放置しちまったな」


 三人のプレイヤーたちがイベントへと初参加してきたのである。


「しっかし、天界に行くことになるとはなぁ……」


「つか、ほんとならもうちょい早く終わってたんだぜ、ユウ、テメェ何してやがったんだここ最近?」


「ダチとツーリング行ったらパクられてな、ネンショー出てきたのが昨日だぜ」


「はぁ、まったく三人揃わないとクリアできないんだからそういう失態しないでほしいわ、まったく」


「つってもよぉ、ヒバリだって天界サイコーとか言って数日何もしなかっただろ。アレが無きゃもっと早く戻れてただろが」


「はいはい、擦り付け合いはもういいからよ。おめーらどこ行く? 俺はゲームに行くつもりだが」


「私ホラーはパス。だからテインさんね」


「んじゃあーしがホラー担当か。まぁせっかくだしちょいと本気でやろうかね。ホラーっつっても実体あるし、知り合いだからな、怖くもなんともねぇや」


 三人もまた、他のプレイヤーたちに交じり各ルートへと散っていく。

 ヒバリはテインさんの待つ戦いの場へ。

 ヨシキはサユキさんの待つゲームの個室へ。

 ユウは彩良さんの待つホラー迷宮へ。


 ヨシキが向かった先には、一つの小屋。

 見学者たちを掻き分け進んでいくと、ちょうど格ゲー少女とサユキさんが戦い始めたところであった。

 ちょうどいいので相手の力量を見る意味も兼ねて見学させて貰うことにする。


 ヒバリが向かった先ではすでにプレイヤーたちが広場に突撃しており、ティンダロスの猟犬たちと激闘を繰り広げていた。

 すぐに戦いに参加しても良かったのだが、あまりの臭いに思わず躊躇してしまう。

 選択、ミスったからしら? そんなことを思いながら角刈りツーブロックの彼は武装を整える。


 天界で手に入れたスキルを試すべく、タイミングを見計らう。

 残されている魔物やニャルラトホテプがかなり邪魔になっているようだが、彼らは駆逐してしまえばそこで途絶える。


「それじゃま、まずは辻ヒールと洒落込みましょうか」


 にぃっとツーブロックの男が舌なめずり、いろいろとヤバい絵面になっているがツッコミ役は不在である。


 ユウもまた、ホラーステージとなるルートへとやって来た。

 すでに迷宮は作られ、広場に当たる場所へと足を踏み入れれば、迷宮内へとご案内である。

 しばし、迷宮手前で考える。


「ホラーステージねぇ。戦いができないってのは随分と不思議なステージだが、なぁんか絡繰りがあるよなぁ」


 しばし、その場で唸りをあげ、結局埒が明かないと突撃することになる。

 迷宮内へとやって来たユウは周囲を見回す。

 先の見えない薄暗い通路。どこをどう進めばどこに辿り着くかわからない不気味さがある。


「あー、なるほどなぁ。こりゃ確かにホラーチックだわ。攻略は可能そうだが、後はいつ出会うかだな。できりゃぁ半分以上減った後にして貰いたいもんだが……上手く行くかはマジで賭けだな」

 

 やろうと思えばやれなくはない、が、それを行うためには出会う順番というものがある。

 早々にホラーと出会ってしまうと狩られるしかなくなる。

 面倒くさいなぁ、と思いつつ、ユウはとりあえずその場から離れて移動を開始するのだった。

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