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506.第三回イベント、十日目・ゾンビパニックの激戦・前編

「おーっす。どれだけ進んだー?」


 十日目のイベント会場にやって来ただぬは、すでに着ていた案内人と合流しながら尋ねた。


「すいません、僕も昨日の夜はログインしてなくて」


「あー、そりゃすまん。一日三回もログインして七日連続ってなぁさすがにキツいもんな。ってか現実世界でもついに四日目か。ターニングポイントって奴だが、どうだ案内人、ヒロキの野郎迄辿り着けそうか?」


「どうでしょうか? 進みは結構遅いですけど、どうやら昨日の時点でネネコさんやツチノコさんが倒されたみたいですし。ただ、ギーァが遊撃に出てきてるらしくてスタート地点から他のルートに行く前に死に戻ることも増えてるみたいです」


 情報を今、確認しながら案内人が告げる。

 そうこうしていると、なの、りんりん、そしてレイレイの順で案内人の元へとログインしてくる。


「皆早いあるなー。まだイベント開始前あるよ?」


「5分前か。そろそろちらほらとここにログインしてくる奴が出始める頃だな。マイネの嬢ちゃんも来たみたいだ」


「よし、情報収集完了です。未知なるモノさんがログインしたら作戦会議しましょうか?」


「そういやあいつ来てねぇな。珍しい」


「だいたいいっつもイベント会場にいますよね未知なるモノさん」


「きっとニートなの」


「やめて、その言葉は私に効く」


「あ、マイネさんそうなん……なんかごめんね?」


「っし、今日はちょっと暴れたい気分よ、どこから攻めようかしら!」


「こねぇな?」


「もうすぐ始まりそうですし、先に情報共有しておきましょう。まずは現状についての情報です」


 それからしばらく、現状の状態を案内人が伝え始める。

 三つのルートはそれぞれ、コトリさん、シルビアさん、サユキさんが敵としてルートを塞いでいる。


「一番進んでいないのはシルビアさんのゾンビパニックステージですね。ゾンビの数が異常に多く、激戦空しく皆散っていくかゾンビ化して次のイベントまで敵に回ってしまうそうです」


「ゾンビ化なぁ……」


「そもそもそのゾンビパニックはどうやったら勝利になるの?」


「わかっていません。荒廃した市街地にいきなり放り出されて全方向からゾンビが襲ってくるのでその対処で手一杯になっているのが現状ですね」


「んじゃ、散紅のメスガキステージみてぇに勝敗条件を探すとこから始めるべきだな」


「普通にそういうゲームだとキルスコアを競うゲームっぽいけど」


「でも今のところどれだけ頑張っても勝った負けたの情報がないんですよね」


「ゾンビパニックだし、どっかに逃げるのが正解とか?」


「逃げる……もしかして脱走系ゲーム!?」


「撃破系だと皆思ってるから勝てないだけ、あるか?」


「あとはシルビアだっけか、そいつの撃破とかは?」


「そういえばシルビアさん、あのゲーム内で見た人っているんだろうか?」


「少なくてもなのはみてないなの」


「ちょっと板で尋ねてみます」


 案内人が様々な情報サイトで意見を募る。

 すると、どこからもシルビア発見の連絡はなく、見ないな、という情報しかなかった。


「シルビアさんを見つけるのがゲームの勝利条件?」


「せっかくだこれだけ人数いるなら同時進行しようぜ。探索班と脱出班だ。コトリさんと戦うにも戦力が足りんだろ。総攻撃するために都合のいい時間帯を皆と共有しねぇとな」


「今日の昼とかどうです。今から連絡すれば確定スキル持ちやフォロー要員が集えるでしょうし」


「あー、マジか、俺は不参加だが、それでいいなら募ってくれ、早く解放された方がいいだろうしな」


「残念ある。だぬさん不参加あるか」


「俺ァ一応仕事人だからよぉ、なかなかゲームへのログインも出来ねぇのよ」


「とりあえず、今回は皆でシルビアさん攻略に向かう、サユキさんとコトリさんは後回しでいいかな?」


「ゲーム得意なメンバーはサユキさんステージに向かった方がいいわよね。その辺りも他プレイヤーと共有しとく?」


「やっておくの」


 なのが率先して情報を流す。

 プレイヤーの一部がスタート開始と同時にサユキさんの元へと走っていった。


「悪りぃ遅れた」


「お、未知なるモノじゃねぇか。もうスタートしちまってるぜ。何かあったのか?」


「ああ、ちょっと私用で、な」


「格ゲー少女も一緒かよ? ってか嬢ちゃんなんか照れてね?」


「て、照れてないですっ!?」


「未知なるモノ、あんたまさか……」


「お、おいおいマイネさん、落ち着け、それよりほら、情報は共有できたか? 今日はどこ行くんだ?」


「シルビアさん攻略を目指そうかなって」


 遅れてきた二人に自分たちが何をしようとしていたかを伝える。

 

「なるほどな。んじゃ俺は探索班に入るよ」


「えっと、私は、脱出班、でいいんですよね未知なるモノさん?」


「ああ、頼むぞ格ゲー少女」


「はいっ」


 なんとなく二人の間に何かありそうで、互いに頷き合う姿が意味ありげに見えてしまうマイネだった。

 二人の間柄がどういうものかは、未だに未知なるままである。

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