表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

496/1111

493.第三回イベント、六日目・第二ルート先行

「ジェイクーっ! ナイス勝利!」


「ほとんど未知なるモノと格ゲー少女が倒したようなものだ。俺は最後の一撃を貰ったに過ぎん」


「その一撃が決め手でしょ」


 広場へとやって来たマイネは一通りジェイクを褒め称えたあと、周囲を見回す。


「もう誰もいないみたいね」


「他のプレイヤーたちは来てないのか?」


「それが、未知なるモノさんたちの邪魔しないようにって遠慮してこのルート以外に向かったみたい。ついさっき未知なるモノさんに連絡入れといたから死に戻ったメンツがこっちくるはずよ」


「そうか。どうするマイネ、進むか?」


「そうね……せっかくだし先行しましょうか」


 メリッサさんが倒れた広場にはもう誰も存在しない。

 マイネとジェイクは広場の先に繋がる通路へと歩き出す。


「キカンダーとグレートマンは?」


「他のルートに貸し出し中よ。上手く行けるといいけど……」


 しばし、森に囲まれた一本道を歩く。

 すると、再び開けた場所へと辿り着く。


「おっ。ようやく来ただな。おら待ち遠しくて待ち遠しくて。とりあえずやろか!」


 広場に入った瞬間、その場が変化を始める。

 

「心象具現・春場所!!」


 広場は一瞬にして中央に土俵を抱く、室内競技場へと変化していた。

 その土俵に上がったのは、カッパの妖怪、祢々子さん。

 その場で四股を踏み、柏手一つ。

 気合十分相手の土俵入りを待つ。


「うわー、ネネコさんが相手かー」


「強制的に相撲で戦うしかできないらしいな。俺には無理だ」


「私も無理だって」


「ええい、強制だべや! さっさとこいやー!!」


「くっ、俺からか!?」


 無理矢理ジェイクの体が土俵へと誘われる。

 そしてネネコさんの対面にやってくると、ようやく体の自由が復活した。


「うげー、強制相撲って……これはまた最悪な刺客じゃない」


 そうこう言っているうちにジェイクが投げ飛ばされ死亡扱いとなる。

 さらに、彼が消えると同時にマイネの体が強制的にネネコさんの前へと向かい歩き出した。


「こりゃまた長丁場になりそうね」


 ネネコさんに投げ落とされ、土俵から落ちながら、マイネはため息交じりに嘆くのだった。


 ところ変わって第一ルート。

 キカンダーと共にやって来たりんりん、レイレイ、なのの四名は、あまりにも強すぎる蛇々利さんに早々マインスイーパーから手を引いていた。


「こりゃ無理ですわー」


「あの猫背娘、隙が無さ過ぎある。一度くらい失敗すればいいのに」


「これでは何もできないの」


「この闇のゲームだと彼女を攻略するのは無謀なのではないか?」


「んー、でも、そうすると有効な手はあるの、キカンダーさん?」


「闇のゲーム内容を変えてもらうとか、あるいは……ゲーム開始前に射殺するか。人道にはもとるがな」


「そ、それはさすがに外道じゃないかな?」


「ヒロキなら迷わずヤルあるな」


「汚名を被るのをよしとするなら開幕時にクリアできるの。でもやりたくはない、なの」


「開幕時にゲーム内容変えてもらう様に告げてみよう。上手くすれば別のゲームで勝てるかもしれない」


「できるかなぁ?」


 第一ルートの攻略方法は、未だ確立できそうになかった。


 ところ変わって第三ルート。

 案内人と共にやってきただぬとグレートマンは行き交うプレイヤーたちを見送りながら、アスレチックコースの上で唸っていた。


「お前さんの言う脱出だけどよぉ。具体的にどうすりゃいいんだ? コースアウトすりゃ死亡確定だろ?」


「そうなんですが、さてどう脱出するのが正解なのか。何かヒントでもあればいいんですけど」


「うぁ?」


 ヒント? と小首を傾げるグレートマン。

 周囲を見回し、ふと、最初の入り口を見る。

 二人が何をしてるんだ? と訝しむのを無視し、右から左から入り口のアーチを調べ始める。


 アスレチックコース入口と書かれたアーチ状の入り口、その内側を潜る場所の天井に、何かが書かれていた。


「ウァ!!」


「どうしたの?」


「おい、これは……」


 それはネットのような絵だった。


「これ、あそこに見えるネットじゃないかな?」


「ああ、ネットを掴んで上がっていくアスレチックか。確かにそれっぽいな」


 なんとか辿り着き、ネットを調べる。

 グレートマンが飛行を始め、上から横からネットを調べる。

 太いヒモを交差させるように編み込まれた網が丸太に繋がれているネット。その丸太の側面に、不思議な形の四角形に似たものが書かれている。


「スタート地点から片足けんけんまでの通路かな?」


「こりゃたらい回しになりそうな気がするな」


「うぁ!」


「あ、そっか、グレートマンさんなら見て回れるのか」


「つかよ、グレートマンなら空飛んであの散紅って奴の元にいけるんじゃね?」


「いや、多分悪手です。アレには戦いを挑まない方がいい。しかし……まだ何かありそうな気がするな……」


 それからしばし、全てのアトラクションを調べ終えたグレートマンだったが、結局すべてのアトラクションにある絵は、各アトラクションを回って一周するようになっており、徒労に終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ