表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

494/1108

491.第三回イベント、六日目・メリッサ攻略戦・前編

 第一ルートと第三ルートに動きがない中、格ゲー少女と共に第二ルートへとやって来た未知なるモノはすでに始まっていた闇のゲームに強制参加させられた。

 打ち合わせ通り、ゲーム内に入った瞬間、格ゲー少女と別れて走り出す。


 目的はアイテムの入手。

 ひたすらフィールドを駆け回って対抗手段を手に入れるのだ。

 すぐに移動したからか、メリッサさんと会うことなく一つ目のアイテムを入手する。

 ペイント落とし。

 一か所、汚れてしまった的からペイントを落として的としての機能を復活させるアイテムだ。


 そこまで必要なモノではないので、すぐに次に向かう。

 落ちていたアイテムを走りながら拾い、飛んできたペイント弾を跳躍で躱す。


「Oh、避けましたか!?」


「こっちに来たか。だが、あんたとはまだだ。悪いなメリッサさん」


 すぐ近くに隠れていたプレイヤーの元にメリッサさんを誘導し、自分だけ逃げる。

 彼らには悪いが今回は犠牲になってもらう。

 エチケットを優先できる状況ではないのだ。


 とはいえ、彼らは未知なるモノによるトレイン行為だったとは知らずメリッサさんに処されたが。

 おかげでメリッサさんを引き離すことに成功し、さらにアイテムを回収していく。

 見つかった場所をメモに書き込み格ゲー少女と情報を共有。

 できるだけ遠ざかるように移動してアイテムを回収していく。


 ハンドガン、スナイパーライフル、ペイント落とし、ペイント落とし……

 未知なるモノは思わず舌打ちする。

 欲しいものが見つからない。


「クソ、アサルトライフルくらいねぇと対抗は難しいぞ」


『未知なるモノさん、こちら格ゲー少女、ポンプ式水鉄砲見つけました!』


 一番扱いやすい水鉄砲だ。俺が欲しかった、と思うものの、向こうの戦力が強化されたのならそれはそれでアリだ。

 っと、こいつぁ……六連ポッド? ホーミング式のミサイルかよ。

 当たるとペイントが飛び出すミサイルらしい。


 まぁ使えないことはないか。

 その場にハンドガンとスナイパーライフルを投げ捨てミサイルポッドを肩に担いで両手で支える。

 無駄にデカい分動きが阻害されるが、どこにいるかわからないメリッサさん相手に射程のないハンドガンや遠距離特化のスナイパーライフルよりは使い勝手がいい。きっと他の誰かが有効活用してくれるだろう。


 問題は一回放つごとにチャージが必要なことだろうか。

 玉の数は30発あるが、一回に6発発射されるので実質五回。

 さらにチャージ時間は撃てないというデメリット付きだ。


 かなり苦戦しそうだが、戦える手段がようやく手に入った。

 できればもっと戦いやすいものが欲しいのだが……


『み、未知なるモノさん、メリッサさんと戦闘開始です、あわわ、この銃だけじゃ無理かも!?』


「チッ、こっちの準備まで待ってはくれねぇか。合流地点に逃げながら迎え撃て!」


『や、やってみます!』


 未知なるモノもまたアイテムを探す動きから目的地向かっての移動へと切り替える。

 マップを見ながら味方の反応を探す。

 パーティー登録しているメンバーは格ゲー少女だけなので、青い点はたった一つ。

 蛇行しながらこちらを目指しているのが分かる。


 カーソルを視線の中央に向けたまま走る。

 やがてバックステップしながら水鉄砲を噴射している格ゲー少女が見えた。

 そのさらに奥に、ゆっくりと歩いてくるメリッサさんの姿。

 相変わらず重装備。しかもあれで意外と動ける。

 だが……


「くらいやがれっ!!」


 六連装ミサイルポッドが発射される。

 ぼぼぼぼぼぼしゅっと一斉に放たれたミサイルがメリッサさん向けて飛翔。

 ポッドには次のミサイルが充填される。

 そして視界に出てくるチャージ中の文字。

 本当に面倒な武器だ。


「未知なるモノさん!?」


「合流はいらん、敵に的を絞らせるな!!」


「は、はいっ!!」


 ミサイルが当たる瞬間、さっと避ける、あるいは水鉄砲で応戦するメリッサさんに格ゲー少女が銃撃。

 これも避けるか!?

 驚きながらも未知なるモノは再充填されたミサイルポッドを発射する。


「ハッハー、これデース! 血沸き肉躍る銃撃戦! 本物でないことが残念デースが、私は今、バーニングしてマース!!」


「トリガーハッピーかよ。クソッタレ!」


「ひゃあぁ!? なんであの状態で連射できるのぉ!?」


 障害物があってよかった。

 遮蔽物へとなんとか隠れた格ゲー少女。

 未知なるモノもぎりぎりで木の陰に隠れ、お返しとばかりにミサイル発射。

 

「その程度では倒せまセーン!」


「知ってんだよっ!」


「もう残りは三人、あなたたちで終わりデース!」


「数千人はここに来てるはず、いや、まさか本当に? だがゾンビアタックしているなら追加が来て、あ、クソ、一撃当たっちまった!?」


 未知なるモノが撃つ時に合わせたクロスカウンターでメリッサさんの一撃が未知なるモノの的を捉える。

 仕方なくペイント落としを使用する。

 未知なるモノは息を吐く。

 勝てるだろうか? やれると思ったが意外と苦戦している。

 せめて、もう少し手数があればと悔しく思うが、残念ながら今から他のアイテムを拾うような余裕はないのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ