436.朝日の国
明けましておめでとうございます。
2024年になりましたよぉ <(_ _)>
ログインしました。
早速ブリギッドに関して調べてきたよ。
なんかアイルランドの女神はほとんどブリギッドと呼ばれてたんだと。
だからいろんな権能のブリギッドがいるんだ。
何しろ処女神でありながらフォモール族のブレスさんの妻、子供もいらっしゃったご様子。
矛盾しすぎだろ。
しかも不穏なのが三女神だ。
ブリギッドという女神は光や火、春の女神であるとされているのに、三人の女神と同一視されていると言われている。
この辺り結構曖昧らしく、その三女神がダグザと結婚してブリギッドが生まれたとか、三女神自身がブリギッドだったとか、『学問・文芸の神』『手工芸の神』『治療・出産の神』を司どる 3 人の女神と言われながら、名前がブレグ(偽り)、メング(狡猾)、メイベル(醜さ)だったり。
息子に関しても一説にはゴブニュであると言われているのに、ブレスとの間に出来たのはルアダン君でその後にブレスを討ち取ったのがゴブニュだ、とか。
何が何やらわからなくなる女神であった。
まぁ複数の女神を全員ブリギッドと呼んでいるから起こった同一視のせいだろうけどさ。
ゲア・カーリングの言葉を加味してみると、朝日の国にいるブリギッドさんとやらは三人組。
名前はおそらくブレグ、メング、メイベルだろう。
と、いう訳で再びやってきました糸紬の国。
すでにゲア・カーリングさんに会う必要はなくなったので、メンバーが揃ってるのを確認次第、朝日の国へと歩き出す。
東に向かうだけだし、草原ではなく荒れ地だったので妖精さんを踏みつける必要もなくすんなり歩くことができた。
妖精郷は敵性生物が出てこないだけ楽でいいよな。
いちいち戦闘するの結構面倒だったからこういうゆったり歩ける場所はいい。
しかも周囲が開けてるから遠くまで見渡せるのがまた、いい。
「キレイですねーマネージャーさん」
「幻想的だよなぁ。たまに舞ってる妖精が光帯びてるのってなんだろ?」
「妖精の粉じゃな。鱗粉が落ちとるんじゃ。確か回復効果があったはずじゃな」
「へー、じゃあこれ集めて鱗粉団子作っとこうか」
と、ティリティさんがなんかふわっとした黒い球体をいくつも周囲に浮かべ始める。
「何それ?」
「……鱗粉回収装置、かな」
それ絶対違う奴……多分詳しく聞いたらSAN値直葬食らう奴だなきっと。
「しゃー、しゃーっ」
んー? ツチノコさんがトウビョウになってから落ち着きがないんだよなぁ。
なんというか、必須なモノがなくて困ってるみたいな……?
もしかして土瓶かな? しまった買ってくればよかったかな?
「ギーァ?」
そしてギーァも落ち着かないことには気づいたようだけどなぜかが分からず小首を傾げていた。
「ツチノコさんはトウビョウになったことでおそらく土瓶の中に納まりたいんじゃないかな。ちょっと考えてなかったから用意してなかったけど、妖精郷の帰り際に気に入ったの買おうかツチノコさん」
「シャーっ!」
お、おおぅ、なんか最近喜びの表現として俺の体に巻き付いてくるようになったなぁ。
嬉しくはあるんだけど蛇に巻き付かれるってちょっと恐怖なんですが。
「お、意外と近いわね。皆ー、妖精の国見えてきたよー」
妖精さんがちょっと空の上を飛んで先の方を確認してくれていたらしい。
舞い戻ってきた妖精さんが俺の頭の上に止まる。
おや? もう一体ついでに降りてきた。
「クーシーじゃない。あんたゲア・カーリング側の妖精じゃなかったのね」
「この容姿じゃ糸なんて紡げませんワン。でも連絡は伝えましたワン」
つまり二つの国は良好な間柄、と。
「ブリギッド様たちがお待ちかねですワン。早く早く、わんわーん」
え、なんで急かされてるの俺ら。
あ、ちょっとクーシー君、待って。待ってって。
「あらら、なんかまんま犬って感じよね」
「先走ってくとことか特にじゃのー」
「ふふ。せっかく歓迎してくれてるみたいだし、急ぎましょっか」
えぇ、皆元気だなぁ。
俺らはゆっくり行こうか……って、ギーァ? ツチノコさん?
うわ、一番最初に向かってるのがギーァで、尻尾咥えてツチノコさんがそれを追いかけている!?
ええい、ゆっくり行きたいのは俺だけかよ!?
待って、皆待ってぇぇぇ。
結局、俺たちはクーシーに急かされるままに皆して走り出すのであった。
そして……
「僕の名前はブーリィ」
「僕の名前はギーィ」
「僕の名前はドーゥ」
「「「三人合わせてぇ、ブリギッド、君らと僕らでブリギッドだ!!」」」
どばーんっと決めポーズした三人娘の背後で爆風が吹き上がる。
中央のボーイッシュ少女が仁王立ち。
左右の娘さんは腕をシャッキーンと右の子は右側、左の子は左側にてをチョップ状態で伸ばしていた。
朝日の街に着いたら小学生くらいの三人娘に絡まれたました。どうしたらいいですか?




