表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

433/1109

431.想定外の進化

「シャー!」


 シャーシャーと五月蠅いので鑑定させていただいたところ、ツチノコさんの進化先はアンフィスバエナではなかった。というか、なんすかこれ?

 トウビョウ? ツチノコさん、そういえば首のあたりに黄色い輪っかあるね。

 全体的に黒くなってるし、蛇腹部分は薄黄色かな?


「どうした?」


「ああ、フェノゼリーさん、ツチノコさんがトウビョウに進化したっぽいんだけど、トウビョウってなんぞ?」


「ん? ああ、土瓶神のことか? 土瓶に入れて食事や酒を与えると富を与えてくれるらしいぞ。少しでも疎かにすると祟るらしいが」


「ちょっとツチノコさん、祟らないでくれます!?」


「シャー!?」


 風評被害だ、とでも言うように驚くツチノコさん。

 んー、ツチノコからの正統進化なのかな?

 アンフィスバエナに行かずにこっちに進化したのはなんで?

 え? あー、妖精たちに乗っかられて死にそうだったから耐えてたらこの進化になったって?


 ん? アンフィスバエナになった方が良かったか? って?

 いやいや、どう進化してもツチノコさんはツチノコさんでしょ。

 なりたい者におなりなさい。うん、嫌ったりしないって。あ、でも俺を殺しにかかったりとかの進化方向は無しでお願いします。


「シャー」


 おわ、なんだよツチノコさん、いきなり巻き付かれたら驚くだろ。


「彼女なりの愛情表現だろう。今の言葉が嬉しかったようだよ」


「なるほど」


 どうやら他の面々も起き上がってきたようだ。

 そろそろ行動を開始しようか。

 とりあえずこの森でて妖精の街とかないか探してみるか。

 女王いるんだし国位あんだろ。


「あー、頭痛ーいっ」


「うぅ。なんだかお尻が痛いような? 誰か私のお尻叩いた?」


「ギーァ?」


「不思議な飲み物じゃったのぅ、依り代との繋がりが切れて焦ったわ」


「うぇー、なんかまだ妖精が中に入ってる気がするーっ」


 ディーネさん、普通に君の水の中に妖精いるよ?


「あ、だめマネージャーさん、おさわり厳禁、ってそんなところに手を突っ込まないでぇ!?」


 ほいよ、救出成功。


「あんっ、もぅ、マネージャーさんのえっち」


「どこがだよ!?」


 まったく、背中に腕突っ込んだだけでなんでそんなことを言われないといけないんだ。ディーネさん水じゃん。エッチ要素が分からなさすぎるよ。


「では、森の外案内する、こっちだ」


 フェノゼリーさんが再び案内役を買って出たのでお願いする。

 ほら、皆行くぞー。あ、妖精たちは着いてこなくていいぞ?

 ファトムさんだけでいいから。


 光る茸の森を抜けると、フェノゼリーは自分はここまでだ、と告げてある方向を指し示す。

 どうやらそちら側に何かがあるらしい。

 あの、何があるか教えてくれません?


「糸紬の妖精国、があるらしい。俺は行ったことはないから確証はない」


 あ、やっぱあるのか妖精の国家。

 糸紬の国なぁ。そんな関連の王族ってなんかいたっけか?

 ファトムさん知ってる?


「んー、知ってるかどうかって言われるとちょっとわかんないかな? せっかくだし行ってみましょう」


 まぁ行けばわかるっちゃわかるんだけどさ。

 まぁいっか。行くだけ行ってみよう。

 

 道なき道を歩き出す。

 まぁ草原地帯だから問題はないかな。

 草原と聞くとマダにーさんを捜索してしまうんだけど、ここは妖精郷だし、マダにーさんはいないらしい。

 なので安心して探索を再開する。


 ただ、マダにーさんはいないんだけど、草原の中には小人たちが生活しているらしく、歩くたびに、わー、きゃー、逃げろーって声が微かに聞こえるのでなんかこう、気を付けて歩いて行かないといけない気がしてくる。

 おかげで草原地帯だけでもかなりの時間が掛かってしまった。


 なんで小人妖精あんな草原地帯に大量にいるんだよ、危うく踏みかけたっちゅーの。

 しかも近くに足卸すまで普通にゆっくりしてやがるし。

 草原の中央で鼻提灯広げて眠ってる老人妖精見つけたときはそのまま踏み潰してやろうかと思ったくらいである。

 ちょっとだけ足降ろす場所ずらして問題なく移動できたけども。


 ちなみに、人型大の妖精が移動する場合は、下の妖精とか気にせず踏みつけていくそうだ。

 そりゃそうだよな。いちいち確認しないもんな。

 下の妖精共が逃げないのが悪い、というかなんで逃げないんだよマジで。

 直前に逃げても逃げきれないだろ。


「あ、ひろ……じゃない、えっとマネージャー、国っぽいの見えてきたよ」

 

 この妖精郷だと名前は呼んではならないってことらしいので、森を出た後俺たちはニックネームとかで呼び合うことにした。

 ちょっと遅い気がしなくもないけど、やらないよりはマシだろう。

 んで、俺の呼び名はディーネさんがマネージャー呼びしてるのでそのまま採用されました。


 んで、ディーネさん、稲荷さん、ツチノコさん、妖精さんは愛称らしいのでそのままで、ティリティさんはどうしよう、と思ったんだけど四天王だったからってことで四天王さんと呼ぶことになった。

 ギーァに関しては名称自体俺が適当に呼んだものなので問題ないように思うのだけど、一応謎生物呼びになった。

 それでいいのか、と思ったけど本人がすごく嬉しそうなので謎生物と呼ばせて貰うことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ