42.神隠し隠連暮(かくれんぼ)・6
「つか、今の段階でもうテイムした味方のみで5人チーム作れんのかよ。しかもハナコさんとかボスじゃん。テケテケさんもボスじゃん。レベルって幾つ?」
「言っていい?」
ハナコさんたちに許可を貰って未知なるモノさんに告げる。
「ハナコさんが40でテケテケさんが36だね。稲荷さんは俺と同じレベルで俺のレベルが上がれば稲荷さんのレベルも上がるんだって。ツチノコさんは……7?」
ツチノコさんだけちょっと肩身が狭そうだ。肩ないけどねっ。
「えぇ、今の時点で仲間のレベルが40って、おかしくない!? グレートマンさんだってまだ15だよ!?」
「俺も未知なるモノ食ってようやく12だぞ。お前、レベル幾つになってるんだよ!?」
「えーっと、今は14……19!? あ、そうか稲荷神社から帰る時に稲荷さんが倒した幽霊の分レベル上がったんだ」
どんだけの幽霊を倒したのやら。
まぁそのドロップアイテムも既に売り払ってお金はアイテムへと変化したからなぁ。
「んじゃま、宇宙船入る?」
「そうだな。ここで立ち話もなんだし。ところで、そっちの学生たちは?」
「かくれんぼしていた面子です。消えた二人を探してるんですが、どうやら付いてくるつもりみたいです」
「イベントのせいかな? 守ることは出来そう?」
「ハナコさんと稲荷さんが警護してくれるみたいです。マイネさんはグレートマンさんと中衛お願いしますね」
残念ながら俺の実力では彼等に指示出しなんて出来る訳もないので、この際二人のどちらかに譲ってしまおうかな?
「とりあえず誘っておいてなんですけど、俺ってリーダー的な気質じゃないんです、どちらか指示とかお願いできます?」
「んー。私もどちらかというと個人プレーかな」
「あー、まぁそういうことなら俺やってみるわ。あんま自信ないけど、いいか?」
「頼みます」
ついにUFOへと突入だ。
正直何が起こるか分からないし、現状のパーティーでどうなるかも分からない。
マタギさんの直感スキル、必要だったかなぁ?
「ウァッ!」
と、船内に入ったと同時にグレートマンが虚空向けて拳を突き出す。
そこから拳型の波動光線が飛びだし、光る壁に激突。
「ギャアアアアアアアアアアア!!」
って、なんか居た!?
何今の!? すぐに倒されて消えちゃったけども。
「今の、カメレオンっぽい顔だったな」
「でも人型でしたね」
「壁に、張り付いてたんですが……え、キモッ」
でも、理解した。
敵はカメレオン型宇宙人。
俺らでは熱感知でも霊感でも感知不可能な未知の技術による隠蔽能力を持ったカメレオン星人だ。
「なんとか相手の姿見れないかな?」
「ウァッ」
「あ、グレートマンさんがやってくれるって」
言ってみるもんだな。
稲荷さん、どういうカラクリかとか分かる?
「うーむ、門外漢じゃからのぅ、本体ならともかく寄代ではさすがに無理じゃの」
そういえば寄代だっけ。
能力がだいぶセーブされるんだよね。そのせいで本来なら分かる事も分からない状態になるようだ。
「ウァッ!」
と、今度はスプリンター走りを始めるグレートマンさん。
とぅっと跳び付いたのは、何もない場所。
いや、何かを捕まえた!?
「誰かいるぞ!」
「そこか、ちょっと待ってろ、今食べるッ!」
え? ま、え? 食べ……?
「ぎゃあぁぁぁぁっす!?」
咄嗟にすぐ隣に居たマイネさんの目を手で塞いだ。
NPC達はこういうの耐性あるみたいだから放置でいいけども、彼女は女の人みたいだし、捕食シーンは見せられないよ。だよな。俺も出来れば見たくなかった。
未知なるモノさん、めっちゃヤベェ。
「けぷっ、なるほどな。これがこいつ等の能力か」
「あの、もしかして食べて能力手に入る系、っすか?」
「ああ、この特性手に入れてからは基本初物は食べることにしてる。こいつら温度まで周囲に溶け込む完全擬態スキルを持ってやがる」
なるほど、それで相手が分からなかったのか。
でも、NPC達が居なくなった子供を認識しなくなったのはなんでだ?
「そっちは捕食じゃ手に入らなかったな。道具か他の種類がいるかだ」
「とりあえず、全員一体づつ倒してみようか。何かしらスキル貰えるかもだし」
「アイテムも均等に手に入った方がいいわよね。というか、そろそろ手、放してくれる?」
「あ、ごめん」
「いえ、なんかトラウマ発症モノの光景を防いでくれたみたいだからむしろ感謝してるわ」
それから、俺達はグレートマンに敵を捕獲して貰い、一人づつ倒して行く。
マイネさんの攻撃はかなり非力だったけど、相手が動けない御蔭でしっかりと倒せていた。
というか、無理に倒そうとしなくていいんだよツチノコさん?
ツチノコさんの闘いが一番時間掛かったし。舌に絡め取られた時はツチノコさん死んだ!? とか焦ったよ。




