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425.妖精の守護者

 何階層上がっただろうか?

 沢山の妖精たちが立ちはだかった。

 そして幾多の妖精たちが散っていった。


 正直あいつら何しに来たんだと思えるほど何もせずに散ってったな。

 そもそもウチのパーティーメンバーが全員150レベルクラスの奴らだし、レベル差的に2倍あるからなぁ。そりゃもう瞬殺よ?

 つまり、出てきた瞬間にはもう昇天しているのでどんな妖精だったかすらわからずサヨナラしてしまうのだ。


 階層を上がるごとになんか強そうなのが出てきたりしてたんだけど、ことごとくを稲荷さんたちが粉砕してしまっている。

 俺、ほとんど活躍の場がなかったよ。

 切なかったからギーァを愛でて応援していたよ。


 そして幾度目かの階段を上がった先のこと、ついに最上階へと辿り着く。

 鉄骨のみの骨組みしかない屋上には、不自然にエレベーターの入り口が一つ。

 そしてその前にどかりと座り込んでいる筋肉質の男が一人。


 ドレッドヘアでグラサン、黒人と思しきそいつは、俺たちがやってきたことでどっこらしょと立ち上がる。

 結構たっぱがあるなぁ。

 身長は二メートル前後だろうか? 仁王立ちして待つ男に、先制とばかりに風狐が襲い掛かる。


「甘いっ!」


 飛びかかってきた風狐の首を掴み取り、ぐきっと首をへし折った。

 ちょ、風狐死んだぞオイ!?


「ぬぅ。意外と強そうじゃな」


 何なんだよあいつ?


 名前:アシュレイ

 種族:妖精 クラス:スプリガン

 二つ名:妖精の守護者、妖精騎士、国士無双

 Lv:???

 HP:2837291/2837291

 MP:1529364/1529364

 TP:827377/827377

 GP:939236/939236

 状態:通常

 技スキル:

  法術Lv888:    シャーマンとしての法術を習得できる。

  ルーン文字Lv748: ルーン文字による秘術を習得できる。

  気配察知Lv999:  貴様、見えているぞ?

  看破Lv999:    隠れた物事を見付けやすくなる。

  直感Lv999:    なんとなくこうした方がいいと理解します。 

  スキル全解除:     スキル枠の概念を取り払い、全てのパッシブスキルを使用中に変える。

  魔法耐性(中):    魔法に対する耐性を持つ。

  悪運Lv657:    死亡判定時、確率で生還。

  連続ガッツ:      守るべき妖精が傍にいる時、超高確率でガッツが発動し続けます。

  無拍子:        攻撃にリズムを付けず相手に動きを読ませません。

  妖精の守護者:     妖精に対し敵対存在と戦う時全能力超強化、妖精と戦う場合全能力超弱体。

  縮地:         地を縮めたかのような動きで迫ってきます。

  心象具現・妖精帝國:  自身から一定地に限り、特殊フィールドへと塗り替える。

  他:


 ちょ、これアカンやつー。絶対サナトクマラみたいなヤバい生物じゃん。

 まともに相手しちゃダメな奴だ。

 幸い妖精の守護者なので妖精がいれば何とかなるらしい。

 そして俺たちの元にはれっきとした妖精さんが一匹いらっしゃるのである。


 俺はむんずと捕まえた妖精さんを掌に乗せ、慎重に歩き出す。

 妖精さんがなぜ掴んだ? なぜ掴んだっ!? と胸を隠しながら顔を赤らめてくるけど、すまん全くエッチな考えなかったんだ。

 今も全くないから許してくれ。


「えーっとすみません、対話は可能ですか?」


「可能だ。ここより先は妖精とこれに認められた者以外立ち入り禁止だ」


「ここに妖精さんがいらっしゃるのですが?」


 スプリガンは妖精さんをちらりと見る。


「それで?」


「妖精さんはその先にいけるとして、俺たちも一緒に行くことは可能です?」


「許可なき者は立ち入り禁止だ」


 つまり、妖精さんに許可を貰えばいいのか?


「妖精さん?」


「あー、えっと、こいつらも一緒に通らせてほしいんだけど」


「いいだろう。妖精の許可があるのならば通るがいい」


 いいのか!?

 え? マジでいいんすか!?

 セキュリティがばがばか!?


 俺たちは何度もスプリガンを振り返る。

 しかし、許可が出て不審者がいなくなったことで再びエレベーター前に座り込んでしまい、微動だにしなくなった。

 もしかしてずっとそこに座ってんのか?

 トイレ、どうしてるんだろう?


 エレベーターに乗り込んだ俺たちは、一つだけあったボタンを押す。そういえばこのエレベーター、どこにも繋がってるように見えなかったんだけど、ちゃんと動くんだろうか?

 あ、動いた。どうやら下に向かって移動しているらしい。

 マップを見ればぐんぐん階層を減らしていき、1階を超えてさらに地下へと降りていく。


「あー、マジ妖精郷かぁ。やるじゃんヒロキ。私を妖精郷に戻せるなんて想定してなかったわよ」


 えぇ、無理難題言ってきてたのかよ!?


「あ、一応一つ注意事項ね。妖精王とか女王に我が伴侶になれ、とか騎士になれとか言われても気軽に返事しないようにね。下手に囲われると妖精郷から出られなくなるわよ」


 何それ、怖い。

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何回見てもスプリガンのチート具合に笑ってしまう
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