414.真・闇のゲーム大会・20
で、なんでこれ?
新しい闇ゲームのステージにやってきた俺は、手にした銃を見ながら呆れていた。
いや、これもアウトじゃね?
「ではお二方説明させていただきます。この闇のゲームはゾンビならぬエイリアンハザード。拾った武器や手持ちの銃を使ってエイリアン蔓延る市街地脱出を目指してください。ぼやぼやしてるとエイリアンに囲まれて口では言えないあーんなことやこーんなことをされてしまいますよー。ちなみに、そこいらじゅうにアイテムが落ちてますので銃弾の補充などもアイテムを拾って行ってください」
エイリアンだからセーフだと?
まぁガンアクションゲームは色々出てるから丸パクリじゃないだけマシではあるのか。
しかし、見渡す限りにはアイテムがないな。
そして隣にいる最上が仏頂面だ。
せめてスタート地点別にしろよ。
「ま、ここに居ても囲まれるだけらしいし、行くかぁー」
一応、こちらを撃ってくるかもと警戒はしていたが、俺が動き出すと最上も動き出す。
おい、何で同時に歩き出した。しかもまっすぐって何競ってんだてめー。
歩きから、なぜか次第早まっていく俺たちの足。
走り出した俺と最上が同じタイミングで相手を睨む。
「「ついてくるなよっ」」
何で同じタイミングでさけぶんだよ、お前マジで真似してくんじゃねーよ!
苛つきながら相手より先にと走っていると、エイリアンが出現し始める。
銃弾を眉間に撃ち込み黙らせる、同じタイミングで、最上もエイリアンを一体撃ち倒していた。
このエイリアンども、どっかで見たと思えばついさっきインベーダーっぽいのやってた時に出てきたエイリアンじゃねーか。使いまわしかくそったれ。
多分修正に時間かけたくなかったから手身近にあった素材使いやがったな。
緑の液体吐き散らすな、キメェんだよっ!
って、二度目撃ち込んだら今度は紫の血を吐きだした!?
緑の液体は何なの!?
っていうか初期の銃、弾が少なくねぇか!?
なんで24回しか撃てねぇんだよ。
「あ、カートリッジ発見。やった」
しまった、向こうの方にカートリッジがあったのか。
銃弾回復しやがった。
俺の方は……銃だ! 銃、だけかいっ、銃弾がねーだろが!!
思わず銃を投げ捨てる。あ、弾んだ拍子にエイリアンのすねにあたった。
なんかめっちゃ痛がってる。弁慶の泣き所、お前らにもあるんだなぁ。
「はは、残念でしたねツチミカドさん、銃弾がないならもうあとは食われるのを待つだけでしょう」
「そうだなぁ、あと一発しか残ってねぇな。でもなぁ、最上君、手持ちの銃だろ、使えるのはさ?」
「は?」
最後の銃弾を近場のエイリアンに叩き込み、アイテムボックスから銃を取り出す。
「なっ!?」
「俺が前から持ってた手持ちの、銃だ。使えるみたいだぜ、エイリアン退治にな!」
メレオン星人のドロップアイテムを売り払って買い取ったドワーフ鍛冶屋へファイ製レーザー銃。
大量にあるからな。銃弾が足らずに負けることは、俺にはねぇんだぜ!
「ふははははははは、残念だったなぁ最上君、君はあくせくアイテム拾ってせいぜい頑張ってくれたまえ!」
「ふ、ふざけっ」
こちらに銃を向けようとした最上だが、そこへ向かってくるエイリアン。
この辺りからは徐々にエイリアンが増えていくらしい。
そろそろ別行動といこうじゃないか最上君。
俺はこっち、テメェはそっちだ。
アディオス。
レーザー銃をもう一丁取り出し、二丁拳銃で迫りくるエイリアンを撃退していく。
普通の銃弾と違い、彼方まで飛んでいくレーザーなので一撃二体、三体はまとめて倒せる。
圧倒的ではないか、とかフラグ立てたくなるが、ここで負ける気はないのでここからは真剣にやらせて貰う。
白鳥のように、そう、優雅に泳いでいるように見える白鳥でも水の中では必死に足を動かしているように、相手の見えない場所で全力を尽くすのさ。
1000体撃ちの称号を持つ俺としてはぬるいくらいだけど、何発か撃ったらレーザー銃をアイテムボックスに放り込んで新しいレーザー銃に変える。
やっぱりレーザー撃つので銃全体が熱くなるのは仕様らしい。
さて、地図によればこの先の広場があって、そこを超えてゴールが見えてくるらしいんだけど、十中八九、ボス戦だよな?
っと、銃弾、っていうか砲弾ゲット。
砲塔はどこだ?
んー。ちょっと遠回りだけどこっち行ってみるか。なんとなくこっちに行きたい感じがあるし。
しかし、ゴールに近づくほど出現するエイリアンが増えてくな。
この辺りになると四方八方からエイリアン出現するうえに、稀に真上から落ちてくる奴もいる。
気が抜けなくなった俺の目に、アイテムが落ちてるのが見えた。
「ラッキー、ロケラン発見」
砲弾が8発あるし、なんとかボス戦もこなせそうか?




