413.真・闇のゲーム大会・19
「罰ゲーム!」
正直罰ゲームになっても素直に喜べないなぁ。
何しろ蛇々利さんが俺にテイムされるという罰ゲームだからな。
最上に睨まれながら、俺の元に飛びついてくる一番ヤバい女を受け止める。
「うふふ、もう、逃がさない……から、ね?」
ひぃぃ!?
やばい、コレ絶対ヤバいフラグだ。
強制ヤンデレフラグだ。刺される! 刺され続けちゃう!?
「行きましょうか、ツチミカドさん」
「ん? お。おぅ」
「決着を付けましょう。貴方を倒し、皆を救います」
あー、そういえばそんな話になってたな。
何でこいつが最後まで残ったんだろう?
やはり変な頭だからだろうか?
最上に促され、俺たちは最後の部屋へと向かう。
そういえばまだ罰ゲームは三つ残ってたな。
メリッサさんが俺と一騎打ちしたせいで一つ分の罰ゲームが残ってるんだ。
余った二つ、どうするんだろう?
まぁいっか。
開けた場所にやってくる。
最後の決着の場所なのに、待っていたお面司会者はまさかのデスマスク。
おまえなんつーもん顔に付けてんの!?
「私のことはデスマさんとでも呼んでおいてくれたまえ。さて、さっそくだがすでにルーレットは回させてもらっているよ。これが最後のゲーム。そして罰ゲームだ」
は? ちょ、ルーレット回し終えたかどうか俺らわからんだろ。
最上の名前に止まってるゲーム内容と記憶を全て奪っての元通り生活。
はは、これ絶対不正してんだろ。
「僕のゲームか。さぁ、覚悟はいいか極悪人! あんたを倒して全てを救ってみせる!」
「おいおい。誰が極悪人だよ。俺が強制でテイムしたわけじゃねぇぞ。こいつらは自分からそうなりたいとテイムを罰ゲームにしてテイムされただけだ」
「だとしても、人をテイムするなんて人道にもとる行為だよ! 一度痛い目を見た方がいい。闇のゲーム、開始ッ!!」
あ、おい、説明まだされてねぇぞ!?
焦る俺の視界が滲む。
またどこかに飛ばされるのか!?
「ここは……」
目の前にはテニスコートのような場が広がっていた。
対面には最上がいて、こちらを睨んでいる。
テニスコートといってもネットの類は存在していないな。
それと俺や最上の周囲に円形の白線が引かれていて、おそらくここから出られないようになっているみたいだ。
テニスかバドミントンかと思ったが何か違うな。
これはなんだ?
なんとなく見覚えがあるというか、別のゲームでこんな感じの……
別の、ゲーム?
あ。え、マジか? アレか?
「さぁ、やってまいりましたラストバトル、最上様のゲームはモンスターバトルです! 自分の手持ちのモンスターを使い対戦、5対5の総当たり戦で全てのモンスターが倒された方の負けとなります」
ポケ〇ンバトルじゃねぇか!?
いや、さすがに運営が丸パクリするわけがないはずだ。
となるとそれなりに違いがあるはず。
モンスターが入ってるのは、このボールか。ボールじゃねぇか!
ええい、落ち着け、落ち着くんだ。
まさかそんなあの運営が丸パクリするわけがない。
訳が……よし、GMコールだ。通報するよ運営さん。これはやめとけ。
「よし、なら最初は君に決め……なんだ!?」
最上がなんかヤバいセリフを言おうとした瞬間だった。
周囲の空間がぱらぱらと崩れるようにワイヤーフレームへと変わっていく。
「これは、一体!?」
「悪いな最上。さすがにこのゲームはやらせねぇよ?」
「なに、どういうことだ!」
「これは、何が……は!? ま、誠ですか!? 上から!? それは仕方ないですね。わかりました闇のゲーム変更ですね」
「なっ!? 司会者、どういうことだ!?」
「申し訳ありません最上様、至高なるお方よりこのゲームは不当と扱われました。別のゲームを行わせていただきます」
「なっ!? なんでだよ、これならあいつを確実に倒せたのにッ!!」
だろうねー、お前の得意ゲームだもんな。
でも恨み言はそれ造った運営に言ってくれ。
「さぁ、別のゲームはなんだい司会者君。正々堂々勝負と行こうじゃないか」
「今更正々堂々なんて白々しいっ!」
「おいおい。勝ち確定のゲーム程面白くないものはないだろー。最後の勝負だし、正々堂々やろうぜ。なんならほら、ブラックジャックでもやるかー?」
「ふざけるなっ! 司会者さん、次のゲームは、なんです、さっさと開始しましょう。こいつはここで、倒す!」
なんかほんと主人公ムーブしてくるな。
俺も悪役ムーブしたほうがいいんだろうか?
「勝てるといいなぁ、威勢がいいだけにならないといいがな、ふふ、お前程度では勝てるものも勝てまいよ」
「ぐぅぅ……」
「はいはい、煽りはそのくらいで、闇のゲームが決まりました。双方準備はよろしいですか?」
さぁ、最後の戦い、全力でやらせて貰おうじゃないか!




