409.真・闇のゲーム大会・15
「熱燗侍様のゲームはマインスイーパーでーす。地雷原除去ですね。100×100のマス目の中にいくつかの爆弾が隠れています。爆弾のマスの横に数字が表れ、その先にいくつ爆弾が埋まっているかを教えてくれる奴ですね。最初の一発目で爆弾引いたら運がなかったで終わりでーす。いかに爆弾を破裂させずに全てのマス目を開けるか、ですね、爆弾マス以外のマス全てを開けばクリアとなります。一番最初に爆発させた人の負け、ではなく、開かれたマス目が一番少ない人の負け。全部開いた場合は次のゲームでさらに個数を稼げますよー」
どうやら最上の奴が熱燗侍のゲームを持っていたらしい、すぐさまゲーム開始を宣言していた。
「ああ、まだ説明の途中なのにぃー、あと少し自分語りさせてくだ」
話の途中で視界が滲む。
あー、これはまた外部の声が聞こえなくなるタイプのゲームか。
視界が戻ってくると、目の前に円筒形の操作パネル。目の前に巨大なモニター画面が現れていて、100×100のマス目が表示されていた。
残念ながら一つも開かれてない。
これはどこかを開いてから本番だな。爆弾引いたら即終了か。
俺の運よ、頼むぜ!
……えぇー。
適当な場所をぽちっと押したらほとんどのマス目が開かれた。
爆弾がない場所は一気に消えるようになってるのか。
それでも20個くらい爆弾あるな。
綺麗に整列してるからすぐわかるや。
クリアになってないからあとはこのあたりか?
お、二つ開けただけでクリアだ。ラッキー。
クリアしたので二つ目のマスが現れる。
んじゃま、適当に。
あー、まぁそれなりに空いたな。
面倒だけど一つ一つポチポチしていくかな。
ん? なんか画面の端にでた? いつでも終われます? なんぞこれ?
終わるのはいいけど、終わって最下位だった時が怖いな。とりあえずもう一つクリアしてから戻ろうか。
時間をかけて二つ目を終わらせ、三つ目のマス目をポチった瞬間爆弾が爆発した。
おっふ、どうやら運もさっさと戻れと言っているようだ。
視界が滲み、一瞬の途絶。
そして元の場所へと戻ってくる。
うーん? なんか二人ほど四つん這いになってますが、どうした?
「雨宮さんや、あの二人は何してんの?」
「ああ。戻ってきたか。どうやらほぼ初手で爆弾を引いたらしい」
「え、最上チートなかったの?」
「設定してなかったんだろう、間抜けめ」
そりゃ確かに間抜けだな。
結果、ほぼ最初に爆散したのが、最上とシルビアさんだった。
って、蛇々利さんは?
「彼女はまだだ、おそらく一位は彼女だろうな。もはやこれ以上意味はないのだが戻ってくる気配がない」
粘着質そうだからなぁ。集中してて気づいてないのかも。
せっかくだし二人にどういう状況で爆散したか聞いてみるか。
「私は……四回目、上下に分かれたから下のマス押したら」
「僕は左右に分かれたので二度目で……」
あ、一応教えてはくれるのか、俺のこと目の敵にしてるのに。
うーん。でも二人とも似たような感じだけど、二度目なら最上か? でも一回でドバっと開いてた場合はシルビアさんの方かもしれないし。
結果は蛇々利さん待ちか。
……
…………
………………
え、遅くね?
もう一時間は待ってるんだけど。
「このゲームって強制終了できねぇの?」
「どこまで出来たかを記録するので、本人が止めようとしない限りは」
「最上、なんか取りやめできたりしない? あるいは呼びかけ」
「無理、そうですね」
マジかよ。もうほぼ終わってるし結果も出てるのに一番進んでる意味のないことやってる人待ちになるのか。なんだこの無駄時間。
俺たちのゲーム見てる奴らも憤慨してんじゃね?
そして、さらに一時間。
さすがに司会者のオニも焦りだしている。
シルビアさんにまだですかとか確認してるけど確認する相手間違ってるぞ。
「あ、そうだ。最上、蛇々利さんの今の状況見れるだろ」
「え? ああ、そういえばやってなかったですね。えっと、これか」
空中に映像が投影され、蛇々利さんがマインスイーパーやってる姿が現れる。
なんかフヘヘとかいいながらぽちぽちしまくってるんだけど、ちょっと怖い。
っていうか、どれだけやってんだこいつ?
「これ、まだかかりそうだなぁー」
「ちょっと上と掛け合ってくるっす」
オニが通路の先へと去っていく。
司会者いなくなっていいのかよ。
「えーっと、多分まだしばらく暇だぞ、どうする?」
「なんかゲームやるー? 闇使わなけりゃ普通のゲームできるっしょ」
「ババ抜き辺りが一番楽しめるか? いや、せっかくだしカード使って大富豪でもやるか」
「あ、それ賛成。僕も参加させてよ」
俺、散紅さん、真鍋が率先してカードゲームを始める。
空飛ぶ茶碗さんが参加すると、他の面々も少しずつ参加を始めるのだった。
ちなみに、それから二時間してようやく蛇々利さんが戻ってきたのであった。




