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408.真・闇のゲーム大会・14

「熱燗侍さん……」


「うぅ。最後の最後で二度撃ちしちまった。硬直してる間に……クソ、あと少し気張れば最上の負けだったのにっ」


「ミスしてくださって僕は助かりました。正直危なかったです」


 ありゃー、惜しいところで失敗しちゃったか、熱燗侍、ヤベェゲームで失敗したなぁ。


「では、罰ゲーム!」


「はぁ!? ちょ、もうちょっと余韻とか覚悟とかねぇのか嬢ちゃ……」


 あ、消えた。

 背後に映像が映し出され、外に出てきた熱燗侍が焦って周囲を見回している。

 そんな彼へと近づいてくる一列に並んだ無数のエイリアン。

 いや、銃殺するメンツがエイリアンなのかよ!?

 慌てて逃げようとする熱燗侍に向けられる無数の銃、そして――――


「FUUUUUUUUUUUUUUUU!!」


 メリッサさんの興奮した声に音がかき消された。

 いやどんだけ興奮してんだよ、この人もだいぶヤバいな。

 ん? メール来た?


 ―― なんか普通に銃殺されたんだが 熱燗侍 ――


 死んでしまったのでどっかでリスポーンしたのか熱燗侍からメール来ちゃった。

 同じくメールを受け取ったらしい空飛ぶ茶碗さんが顔を上げた瞬間こちらを見てくる。


「なんか、無事そうね?」


「とりあえず変化があったか聞いてみます」


 ―― 変化? 自宅で目覚めてステータス半減中、所持金も減ってる。これ普通の死亡ペナルティだな ――


「そういえば、熱燗侍の連れてきたキャラいるけど、こいつらどうするの?」


「あんたたちこれからどうするの?」


 尋ねてみたら、帰りたいけど帰り方がわからないらしい。

 とりあえず決着つくまで同行しませんか、と告げると了承してきたので、熱燗侍に連絡入れて、許可を貰っておく。


「じゃ。あとはツチミカド君が決勝まで行くか、NPCが優勝するまで見学しておくわ。全て終わったら私が送っていくわよ、ツチミカド君の生死にかかわらずね」


 じゃあもしも俺が死んだらウチの皆も送ってください。

 どうやらプレイヤーが死んだ場合、テイム済みのNPCは取り残されるようだ。

 他のプレイヤーが連れ戻してくれるまではここにいる状態になるのか、それとも全プレイヤーがいなくなった時点で帰って来るのか、ひとまず確定しているのは、プレイヤーの元に帰りつくまでテイムが不安定な状態となっているので、クソ野郎がテイムをしにくると上書きされる可能性が生まれるようだ。


「んー銃殺刑だからそこまで変化なかったのかも? 四肢欠損とか豚に脳移植とかの罰ゲームだと復活時の体が変わってるのかも。問題は記憶を奪って元の生活、よね。プレイヤーがかかるとどうなるのかしら?」


「やりませんよ。絶対に」


「えー」


 そんなレッツトライみたいな顔しないでくださる。

 なんで俺が負けて確かめるみたいなことになるの、そもそも俺の代わりに罰ゲーム受けるの真鍋だからな。


「では皆さま第六の部屋へお向かいください。ツチミカド様、貴方様のご健壮を願っております」


 心にもないことを。

 オキナに促され、俺たちは第六の部屋へと向かう。

 ここで待っていたのは、鬼の面を被った司会者だった。


「やぁやぁ待ってたよー皆さん。皆の司会者オニーさんだよ。シルビア様ご無事でなにより」

 

「ん。頑張ってる」


 なんかシルビアさん親指立てて誇らしげ。

 意外と司会者との仲は良かったのかもしれない。


「では、回しマース、回ってまーす。まーすまーす」


 頭は悪そうだなこの司会者。


「はい、ゲーム内容は熱燗侍、罰ゲームは……四肢切断? こんなんでましたけど?」


 うわぁ、また嫌な罰ゲーム出てきたな。


「一つ、いい? オニ」


「シルビアさま、なんでしょう?」


「私が負けた場合の罰ゲーム、ツチミカドにテイムされるに変えてもらっていい?」


 んん?


「おや、皆さまどうでしょう?」


「ちょ、なんであいつの奴隷に!?」


「断固拒否です」


「生島はともかく、聞いてほしい。私としては決勝を超えた先にいる奴に会いたいだけ。ここで四肢を失う訳にはいかないの。それでも罰を受けるなら、これが一番屈辱かな、と」


 あれ、俺にテイムされるの屈辱なの!?


「くく、なるほど。そういうことなら私は許可しよう」


「な!? 雨宮さん! 正気ですか!?」


「ああ、正気だよ。なにより、彼女自身四肢を失うことと同程度の罰を上げたのだろう。ならば私は問題ない。そもそも彼女が負けると決まったわけでもないしね」


「それはそうですが……」


「まぁ当事者だけど俺も許可で。シルビアさんが四肢を失うとかは見たくないので」


「うぅ……で、ですが……」


「生島、断固拒否でいいの? 貴女が負けた場合、四肢を失うのは貴女だけど」


「それは……な、なら条件の変更です、私も負けたらテイムされます、それなら許可します」


「そんなっ!?」


「それに、テイムされても最上君が助けてくれるんでしょ?」


 ふふ、とシルビアさんが告げると、最上は力強く首肯する。いや、騙されてますよ。


「ふふふ、満場一致のようですね。では女性陣は負けたらテイム、男性陣は四肢欠損と参りましょう!」


 あれ、男性陣に酷くない?

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[一言] 男は四肢欠損の罰ゲーム オキナ「代わりの腕や脚の交換は認めます」 ヒロキ「それだと別生物のとかに すげ替えそうなメンツが居るんだが…」
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